木村多江さんの“翌日に持ち越さない”習慣「自然体でいることと、何もしないことは、きっと違う。」
記事公開日
シャツ¥25,300 /ル フィル(ル フィル ニュウマン新宿店)、イヤーカフ ¥275,000、リング¥902,000 /ともにジョージ ジェンセン(ジョージ ジェンセン ジャパン)
深みのある色使いで楽しむ、ソリッド・マニッシュな秋。
甘さを抑えた装いが、木村多江さんの凜とした存在感を引き立てます。
年齢とともに変化した、「美しさ」への思いも尋ねました。
自然体でいるために、小さな努力を重ねていく
オールインワン¥80,300、マフラー¥25,300 /ともにエブール(リトルリーグ インク)、イヤーカフ(両耳各)¥24,200、イヤーカフ(左耳上)¥25,300、リング(左手人差し指)¥115,500、リング(右手中指上)¥88,000、リング(右手中指下)¥44,000/すべてドゥエドンネ、ブーツ¥68,200 /マナ(ティースクエア プレスルーム)
「自然体でいること」と「何もしないこと」は、きっと違う。いま、木村多江さんが考える「美しさ」の根底にあるのは、そうした感覚です。
年齢を重ねるほど、心も体も、つい楽な方へ向かいたくなるもの。
だからこそ、ただ流れに身を任せるのではなく、自分の状態を意識的に整えることが必要だと話します。
「私が大事にしているのは、〝その日のうちに、元の自分に戻す〟こと。疲れや不調を翌日に持ち越すと、それが小さなものであっても、積み重なって大きなマイナスになってしまう。そのためにも、セルフケアの方法は、たくさん知っていたほうがいいですよね」
その基本となるのが、血流を滞らせないこと。首、肩、脇の下などのこわばりやすい場所をほぐし、巡りを促す。整体に頼ることもあれば、軽い運動やストレッチも日常に取り入れています。
「むくみを感じた日は、お風呂でマッサージしたり、発汗を促す入浴剤を入れた湯船に浸かったりして、早めに解消します。私はもともとズボラなので、体を動かすときも、〝ながら〟でできることを1日の中にいくつも取り入れているんです。たとえば、歯を磨きながらかかとを上げ下げしたり、化粧水をつけるときに軽くジャンプをしたり(笑)。毎日の習慣と組み合わせるのが、一番続けやすいんですよね。こまめに体を動かしていれば、みっちりジムでトレーニングしなくても少しずつ体は変わっていきます」
リセットするのは、体だけではありません。気持ちが沈みそうなときも、まずは体から働きかけます。
「メンタルが落ちているときって、自然と肩が丸くなって、呼吸も浅くなってしまうんですよね。だからまずは、胸を張って肩甲骨を寄せて、無理にでも口角を上げる。それだけでも少し気持ちが変わります。深呼吸も、吸うことより、まず息を吐き切ることを意識します。しっかり吐けば、そのぶん大きく吸えるから」
ベスト¥39,600/ハイク( ボウルズ)、タートルニット¥19,800/ル フィル(ルフィル ニュウマン新宿店)、パンツ¥58,300/エブール(リトルリーグ インク)、イヤーカフ¥44,000 /ドゥエドンネ
頭の中から離れない悩みがあるときは、書くこともひとつの方法です。
「今の状況を俯瞰して、自分を物語の主人公のように捉えて、文章にしてみる。選択を迫られたときは、それぞれのメリットとデメリットを書き出します。頭だけで考えるのではなく、文字にすることで自分を離れた場所から眺められるので。疲れと同じように、悩みも整理して、なるべく翌日に持ち越さない。悩んでいる時間はもったいないし、眉間にシワも寄ってしまいますからね(笑)」
心をしなやかに保ちたい。それは、いくつになっても成長していたいから。
「年齢を重ねて経験が増えるぶん、主観も強くなっていく気がするんです。だからこそ、意識して客観的な視点を持っていたい。『私はこれでいい』と決めてしまったら、そこで止まってしまう気がして。自分の価値観だけが正しいと思うのではなく、人に対して寛容でいるためにも、自分自身を更新し続けたい。心を豊かにして、少しずつ成長していくこと。それも美しさのひとつだと思います」
木村多江さんに聞く
一問一答
カーディガン¥33,000、スカート¥23,100 /ともにル フィル(ル フィル ニュウマン新宿店)、イヤーカフ¥67,100、リング(右手)¥44,000、リング(左手)¥102,300 /すべてジョージ ジェンセン(ジョージ ジェンセン ジャパン)、ブーツ¥19,800 /ダイアナ(ダイアナ 銀座本店)
― いま、〝学び直し〟をしたいことは?
歴史から学ぶことは、とても重要だと思っています。MCを担当している「木村多江の、いまさらですが…」でも毎月いろいろな国の歴史を学んでいますが、無知な自分を反省することもしばしば。何歳になっても常にアップデートしていかなくては、と実感しています。
― 秋の夜長、何をして過ごしたい?
読書です。読みたい本がたくさん溜まっているので。ジャンルを問わず読みますが、気持ちが落ち込んだときは、脳科学の本に助けられました。
― 大事にしている”名品”はある?
職人さんにオーダーした土鍋。鍋料理が好きで、一年中作ります。秋は山形から取り寄せた里芋で芋煮を作るのが恒例。
TAE KIMURA
1971年、東京都生まれ。ドラマ・映画・舞台を中心に活動。近作に映画『Never After Dark』、Netflix映画『This is I』、ドラマ『50分間の恋人』(ABC)、など。学び直しをテーマにした『木村多江の、いまさらですが…』(NHK Eテレ)ではMCを務める。映画『ファーストボイス』が全国公開。
photograph: Isao Hashinoki[nomadica] styling: Miho Naruko hair & make-up: Yukie Shigemi text: Hanae Kudo
大人のおしゃれ手帖2026年11月号より抜粋
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