読者のお悩み不動の1位「肩こり」に効く一手
読者の健康の悩みのなかで、常にトップを占めているのが肩こり。
ただ、ひと口に肩こりと言っても、気になる場所は人それぞれです。
そこで、肩こりのタイプに合わせたセルフケアを、柔道整復師・鍼灸師の小林篤史さんに教えてもらいました。
目次
マッサージだけでは不十分!筋肉をなじませて整える
つらい肩こりを何とかしたくて、プロのマッサージを受けても、すぐに元通りになってしまうという声をよく聞きます。
マッサージで肩こりを治すことはできないのでしょうか。
「いえ、きちんとマッサージをすれば効果はあります。ただ、やりっぱなしではダメで、効果を持続させるためのケアが必要なんです」と小林さん。
マッサージで筋肉をほぐしても、筋肉にはこれまでの生活でしみついた「クセ」があるので、なかなか正しい動きができません。
そのため、これまでと同じように筋肉に負担をかけて、こりが復活してしまうのです。
そこで、マッサージでほぐれた筋肉を伸ばして、正しい位置になじませることが大切。
なじませるといっても難しいことではありません。
肩を回したり、首筋を伸ばしたりなど、簡単なストレッチでOK。
日々続けることで、筋肉の〝いい調子〟をキープできるようになります。
「最終的には、姿勢を正すことが目標。正しい姿勢なら筋肉に負担がかかりにくく、肩こりも起こりにくくなります」
こんな姿勢が肩こりにつながる
肩こりの根本的な原因は姿勢。
次のような姿勢が“形状記憶”されると、肩まわりの筋肉に負担がかかります。
あなたはどのタイプ?
前肩タイプ
肩が横から巻き込み(横巻き肩)、体より肩が前に出ているタイプ。
円背タイプ
肩が縦に巻き込み(縦巻き肩)、背中全体が丸くなるタイプです。
首なしタイプ
肩の大きな筋肉がかぶさって、首が埋まっているように見えます。
顔出しタイプ
首の骨が前に伸びて、体よりも顔が前に出ているタイプです。
マッサージは「もむ」より圧を「かけ続ける」のが正解!
肩こりというと「僧帽筋」がこるとよくいわれます。
でも実は、僧帽筋以外の筋肉が原因のことも多いとか。
「パソコン作業をする人の肩こりの多くは、僧帽筋より深いところにある肩甲挙筋が黒幕です。また、スマホ首と呼ばれるストレートネックの人は、頭半棘筋や頭板状筋がこることが多いです」
こっている場所に合わせて、アプローチする筋肉を見極めていきましょう。
また、マッサージの方法が間違っていることも。
「こっている部位をギュッギュッと〝もむ〟のが一般的ですが、それよりも一定時間、圧をじんわりかけるほうが効果的です」
人差し指、中指、薬指の3本で、約1分間、筋肉に圧をかけ続けるのが基本。
圧をかけながら伸ばす「Wストレッチ」もおすすめです。
呼吸を止めると筋肉が硬くなってしまうので、呼吸をしながら行います。
自分の手が届かないところや深部の筋肉にアプローチしたい場合は、マッサージグッズを利用してみて。「マッサージガンも有効です。筋肉に垂直に当てて使うようにしてください」
肩こりの原因になりやすい筋肉はココ
肩まわりは多くの筋肉があり、連携して働きます。
一部に負担がかかると、連携して働く筋肉にも負担がかかり、こりが広がります。
毎日髪の毛をとかすように筋肉のケアを習慣にする
肩こりの初期段階は筋肉の「張り」です。
張りは数秒のマッサージでとれますが、ほうっておくと、「こり」になります。
こりは、連携して働く、まわりの筋肉にも広がっていきます。
さらにひどくなると、筋肉が線維化して痛みが出てきます。
「生のイカが干からびて、カチカチのスルメになるようなもの。線維化を防ぐには、筋肉のケアでリセットすることです」
からまった髪の毛はブラシでとかさなければ元に戻りません。
筋肉も同じように、筋肉の線維に沿って毎日ほぐしたり、伸ばしたりしてあげましょう。
肩こり解消法の流れとセルフケアのポイント
肩こり解消のためには、まず硬くなった筋肉をほぐしたり、伸ばしたりしましょう。
そして、正しい姿勢に整えるのが最終目標です。
step1 ほぐす
こりやその周辺の筋肉を柔らかくして、正しい姿勢をとりやすくする
❶ マッサージをする
ぐいぐい押すのではなく、じんわり時間をかけて圧を加える
❷ お風呂に入る
step2 伸ばす
ストレッチをする
・痛みのある筋肉だけでなく拮抗筋(相反する働きをする筋肉)も伸ばす
・大きな筋肉は「Wストレッチ」も効果的
step3 整える
正しい姿勢をとることで、肩など体への負担を軽減する
〈POINT〉
お風呂に入ると筋肉が柔らかくなります。
それだけでなく、大人世代の肩こりは、冷えやのぼせ、ストレスも原因に。
入浴すると副交感神経が優位になって、リラックスできます。
教えてくれたのは・・・
小林篤史さん
猫背矯正マイスター®、「宮前まちの整骨院」代表。骨盤にアプローチする独自の姿勢矯正メソッドで、のべ3万人以上を治療。専門家の育成や健康商品の開発にも力を注ぐ。『歩くだけで効く! おさんぽ整体 肩こり・腰痛・不調に最強テク!』(三笠書房)など著書多数。
撮影/三沖 直 スタイリング/岩佐 知布由 ヘアメイク/石川智恵
モデル/安斎雅代(ミモザ会)イラスト/はまだなぎさ 文/寺本 彩
大人のおしゃれ手帖2023年1月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
この記事を書いた人
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