50代からは「生活たんぱく」を意識すること!
〜たんぱく質は足りている?〜
人生100年時代。
私たちがこれから健康に元気に過ごしていくためにも大切な栄養素として注目のたんぱく質。
ふたりのたんぱく質のスペシャリストに、その役割や上手なとり方を聞いてみました。
全体で約7割の人がたんぱく質不足!健康志向が影響している可能性も
日本人の食事摂取基準において厚生労働省が2020年に50歳以上のたんぱく質の目標の引き上げを実施しています。
「加齢により心身が老い衰えた状態を指すフレイルの予防を意識した結果です。骨格筋量の低下は30〜40歳代で始まり、同時に加齢に伴い、たんぱく質を摂取した際の筋肉の合成効率も低下。たんぱく質の摂取量を増やすことで、身体的フレイルの要因であるサルコペニア(加齢による筋肉量の減少および筋力の低下)を予防することが目的だと考えられます」(藤田先生)
出典:※1 女子栄養大学出版部『エネルギー早わかり第4版』より
50代は脂質を抑えつつ、しっかりたんぱく質をとることが大切
生活習慣病やメタボに気をつけつつ、たんぱく質の摂取量を増やすにはどうしたらいいの?
「生活習慣病への意識は大事であり、特に脂質のとりすぎには注意が必要です。ただし、過度な食事制限でダイエットをすると、骨格筋量が減って代謝が下がり、逆にリバウンドのリスクが高まることが懸念されます。50代が食事で意識すべきなのは、脂質を制限しながらもたんぱく質をしっかり摂取して筋肉を守り、基礎代謝を維持すること。たんぱく質を構成する必須アミノ酸は満腹感を強く刺激するため、高たんぱくの食事は食べすぎを防ぐことにも」(藤田先生)
では、たんぱく質はどれくらいとるのが理想なのでしょうか。
「フレイルを予防して健康寿命を延ばす目的であれば、厚生労働省が望ましいとする『最低限の量』ではなく『充分な量』を目標にしてほしいですね(下表参照)。充分な量とは、体重を基準にg1kgあたり1・2g。現状が『充分な量』にほど遠い人は、まずは『最低限の量』を目指しましょう」(佐藤先生)
出典:一社)ウェルネス総合研究所「今、改めて知りたい!健康長寿とたんぱく質」(監修:佐藤秀美)
たんぱく質が足りているかチェックできるキットが登場
【お話を伺った方】
立命館大学
スポーツ健康科学部 教授
藤田 聡先生
老化による筋量と筋機能の低下に焦点を当て骨格筋たんぱく質代謝を研究。
著書は『眠れなくなるほど面白い 図解 たんぱく質の話』(日本文芸社)
日本獣医
生命科学大学
客員教授
佐藤秀美先生
食の栄養、調理、加工を研究する食物学を専門とし、効果的な食べ方を提案。
学術博士。栄養士。
『栄養「こつ」の科学』(柴田書店)など著書多数。
イラスト/松栄舞子 文/峯澤美絵
大人のおしゃれ手帖2023年1月号より抜粋
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