カテゴリー

人気タグ

大人のおしゃれ手帖 1月号

大人のおしゃれ手帖

最新号&付録

大人のおしゃれ手帖
2025年1月号

2024年12月6日(金)発売
特別価格:1420円(税込)
表紙の人:原田知世さん

2025年1月号

閉じる

記事公開日

最終更新日

この記事の
関連キーワード

大人のおしゃれ手帖
の記事をシェア!

食べる時間で体を整える!
時間栄養学

新年スタートしたけれど調子がイマイチ……原因は体内時計がズレてしまったせいかも。
ダイエットにも有効な時間栄養学を取り入れて体をリセットしましょう。

体のリズムを握る「体内時計」とは

体内時計に合わせた食事で不調も解消

私たちは毎日、朝になると目覚め、夜になると眠くなります。
当たり前に行っているこのような生活リズムは、実は私たちの体に備わっている「体内時計」が深くかかわっています。

「体内時計は、『起きる』『食べる』『運動する』『眠る』といった身体活動はもちろん、体温や血圧、心拍数やホルモン分泌、栄養素の代謝など、さまざまな生理機能をコントロールしています。
体内時計に合わせて生活リズムを整えることで、私たちの健康は保たれています。

時間栄養学は、体内時計に合わせた食べ方をすることで健康を維持する方法を研究している学問です。
つまり“いつ”食べるのかが大事なのです」と、柴田重信先生。

体内時計は約24・5時間周期のため、毎日30分ずつ、ずれが生じます。
このずれを解消するために、私たちは体内時計を1日1回、リセットする必要があるそう。
その役割を果たしているのが、「朝の光を浴びること」と「朝食を摂ること」

朝の光を浴び、朝食を摂ることで、体内時計に朝が来たことを知らせ、時計の針を1日の始まりに合わせることができるのです。
体内時計を朝型に整えれば、体の不調も改善し、効率よくエネルギーを使えるため、やせ体質に。

「年齢とともに体内時計の調節機能は弱まるため、意識して戻す必要があります。体内時計のリズムを考えずに、食べる回数や食べる量を変えても、健康を維持することができず、ダイエット効果も低くなります」

長期の休み中は、生活のリズムが乱れ、夜型になりやすいもの。
なるべく普段通りのリズムを崩さず、体内時計に合わせた暮らしを続ける心がけを。


「1日の食べる時間」を10~12時間以内に抑える

1日の食べる時間を意識して正月太り防止

体内時計をリセットし、食生活が乱れがちなときでも太りにくい体を維持するために重要なポイントが、
1日のうち、最初に食べ物を口にしてから、最後に口にするまでの時間を10〜12時間以内で収めることだと、柴田先生は言います。

「言い換えれば、夕食から翌日の朝食まで12時間以上の絶食時間を作るということ。そして絶食後に朝食を口にすることで、体内時計をリセットし、生活リズムとのずれを解消するのです」

1日の食べる時間を10〜12時間以内で収めると、肥満・高血圧・脂質異常症などが改善されるという報告も。

「夕食が遅めになる人は、夕方に軽く主食を食べておき、後からおかずを食べるなど工夫が必要ですが、10〜12時間のなかで自分なりのリズムが整っていれば大丈夫。
ただし、朝昼夜の食事のタイミングは毎日一定にしましょう。また、夕食が遅すぎると太りやすくなるため、できるだけ就寝の2時間前には食べ終えるようにしましょう」


朝食抜きはメタボや不調に直結!

朝食をしっかり食べて効果的にやせる

時間栄養学的には、朝食抜きはダイエットにはならず、脳卒中のリスクを高めるなど、不調の引き金に。

「朝食を抜いたら肥満やメタボ、生活習慣病になりやすいことは、国内外の多くの研究で明らかになっています。時間栄養学では、朝食をしっかりとって体内時計をリセットし、日中の活動に備えて十分エネルギーを燃やせるような朝のリズムをつくることが重要だと考えます。
体内時計がリセットされると、栄養からエネルギーを作り出す代謝にかかわるしくみが効率的に働き、日中の活動期に太りにくい状態をつくります。
つまり、本来体が持っている働きを目覚めさせ、十分に発揮できるきっかけをつくっているのが朝食なのです」

また、夜は脂肪を溜め込む時間帯なので、朝食を抜いても夕食を食べすぎれば肥満につながることに。
そもそも、1日の活動エネルギーとして、朝食は摂る必要があるものなのです。

朝食におすすめなのが、菊芋やごぼうなど、水溶性食物繊維を多く含む食材で、血糖値の上昇を抑え、便秘改善効果もあることがわかっています。

さらに、同じ食品でも、朝食で食べた場合と夕食で食べた場合では作用や機能が異なるため、ここでも“いつ食べるか”を意識することは重要、と柴田先生は言います。

「たとえば納豆や乳製品などのたんぱく質は、朝食で摂ると筋肉をつくることを助けます。一方、カルシウムやイソフラボンは夜のほうが吸収されやすいため、夕食に食べると、閉経後に増えてくる骨粗鬆症の予防や、更年期の症状に効果が期待できます。
緑茶は朝飲むとカフェインの効果で朝型にリセットでき、夕方はカテキンによって血糖値の上昇を抑える作用があります」

下の表を参考に、食材が効果的に働く時間帯も工夫してみましょう。


食事の量は朝3:昼3:夜3、+1を基準に

朝食の比重を大きくするのがコツ

1日3食の食事の比重も重要なポイント。
一般的には夕食の比重が大きくなりがちですが、夕食を食べすぎると、余った血糖は脂肪として溜め込まれ、太りやすくなります。

「朝昼夜の食事の割合は朝3:昼3:夜3と、なるべく同じ比率になるように意識しましょう。
カロリー計算などしなくても、見かけの量で調整すれば十分です。すると、必然的に夕食の割合が減ってきます。
コツは、夕食でのごはんやパン、麺類などの主食を減らし、その分を朝食にまわすこと。
朝食の糖質は、インスリンを分泌させ、体内時計のリセットに役立ち、なおかつ体重も減らしやすいメリットがあります。残りの+1は、好きなところに足しましょう。間食として摂っても、夕食にプラスして3:3:4としてもOK。そのほうがストレスもなく、実践しやすくなります」

理想は朝3:昼3.5:夜3:5
「朝食に比重を置き、夕食をできるだけ軽め」にすると、夕食に比重を置いた場合より、腹囲や体重が明らかに減少したというデータも。
日本人の平均的な食事量の比率は、朝2:昼3.5:夜4.5と、夕食に偏りがち。
まずは夕食の比重を朝に持ってくる工夫を。
朝3:昼3.5:夜3.5を目標に調整するのが理想。


やせたいなら朝食前の運動で脂肪燃焼

運動が苦手な人は15分程度の散歩でもOK

“1日のなかでいつ運動するか”も、体内時計に影響を与えます。
ダイエットが目的の場合は、朝食を食べる前、つまり空腹時の運動が効果的。

「筋肉を動かすためにはエネルギーとなるブドウ糖が必要ですが、朝食前はブドウ糖が枯渇しているため、糖の代わりに脂肪を燃焼させることができます。ただし、空腹時はエネルギーが足りないため、激しい運動は避けましょう。運動が苦手な人は、朝起きてから1時間以内に15分程度の散歩をするだけでもいいでしょう」

運動をするタイミングは、ライフスタイルによっても違うため、朝食以外の時間でも、もちろんOK。

「いちばん体温が高くなる夕方に筋トレをするのもおすすめです。夕食後の運動は血糖値を下げる効果もあります。ただ、夜遅い時間帯の運動はNG。
運動がストレスになり、体内時計が後ろにずれてしまうため、遅くとも22時までには終わらせましょう」

教えてくれたのは・・・
早稲田大学先進理工学部 教授
柴田重信先生
早稲田大学人間科学部教授などを経て2003年より現職。
日本時間栄養学会会長。著書に『脂肪を落としたければ、食べる時間を変えなさい』(講談社)など多数。


文/Yuka Higuchi イラスト/長谷川ひとみ

大人のおしゃれ手帖2022年2月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

この記事のキーワード

記事一覧へ戻る

大人のおしゃれ手帖の記事をシェア!

関連記事