変わる私に寄り添う住まい
〜料理研究家・牛尾理恵さんの場合〜
子どもが巣立ったり、体力が変化したりと、年齢とともに生活スタイルも変わります。
新しい暮らし方に住まいをフィットさせていくことで、これからの生活はより心地よいものに。
そんな住まい方を見つけた方にお話を伺いました。
料理研究家の牛尾理恵さんは、親から譲り受けた際にリフォームを行ったそう。
今回伺ったのは・・・
料理研究家
牛尾理恵さん
フードコーディネーター、栄養士の資格をもち、テレビや雑誌で活躍。
『大豆ミートでキレイやせ ~初めてでも簡単!おいしく作れるレシピ』など著書多数。
住み慣れたマンションを今の暮らしにアップデート
・家族構成:夫(59)、犬(9か月)
・築43年、専有床面積約99㎡、2009年リフォーム
都内の閑静な住宅街に佇む低層マンションの1階。
とはいえ、階段を数段上がった高さに位置するので、道行く人の目線は気になりません。
牛尾さんは、この部屋に小学生の頃から暮らしていて、親から譲り受けた際にリフォームを行ったそう。
「キッチンは今の3分の1程度でしたが、隣にあった和室を吸収。このマンションは強度に優れた鉄筋鉄骨だったので、壁を取り払ったくらいでは、補強は必要ありませんでした」
自宅兼仕事場としている牛尾邸では、生活スペースと仕事スペースを分けることも考慮。
「多くの人が訪れるリビングと私生活でも使っているキッチンの間に生まれた壁を有効活用。キッチン側に棚を増設し、生活家電が見えないようにしました」
夫婦で過ごす空間が実はいちばん落ち着く場所
もともとは4LDKあった間取りを、2LDKにした牛尾邸。
そのうち、リビングとキッチンを仕事スペースに、玄関の両サイドの部屋を家族の完全プライベートスペースにしています。
「2部屋を1部屋にしたので広さは十分。夫も自宅で過ごすことが増えたので、家族のくつろぎスペースは寝室も兼ねているこの部屋に。テレビも置き、小上がりの畳の上にクッションを敷いて過ごしています」
テレビの裏手には、未だスペースが余っているほど余裕のあるウォークインクローゼットが。
「このひと部屋だけで十分に生活できるかもしれませんね(笑)」
ヴィンテージマンションならではの広さ+充実の収納がさらにパワーアップされ、デッドスペースのない間取りでした。
人が出入りするスペースとプライベート空間を明確に
A
玄関を入ると、2畳ほどのスペースが。
ホールのように広く、廊下の先には来客を通すリビングが。
「人から言われて広いことに気づきました。ちょっとした贅沢空間です」
B
リビングから見えない棚には、キッチン家電や穀物類のストックが。
C
元和室だったキッチンのサイドは、押し入れと床の間の凹凸を利用したワークスペースに。
「レシピを考案してすぐ調理、という動線は便利。ここにワークスペースを作って正解でした」
D
ご夫婦のくつろぎスペースは、作り付けの小上がりの畳。
E
「畳の生活はやはり落ち着きます」。玄関の右の部屋は愛犬の部屋。
たまにスタッフの休憩スペースにも。
F
ウォークインクローゼットには、夫婦2人の私物がすべて収まっています。
建築やインテリア好きでなんと理想の立体間取りを自作!
「近い将来、海の見える場所に住むのが夢」と語る牛尾さん。
夢が膨らみすぎて、理想とする間取りを厚紙や紙粘土を使って自作したそう。
「今リビングにある家具も再現しました!」
撮影/山田英博
大人のおしゃれ手帖2023年3月号より抜粋
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