「省スペース」をいかした50代からの居場所作り【理想のリフォーム】
ライフスタイルが変わる50代は、リフォームに最適なタイミング。
これからの暮らしを心地よくするための、空間づくりのコツを人気建築家の水越美枝子さんに教わりました。
教えてくれたのは・・・
一級建築士
水越美枝子さん
暮らしに寄り添い、根本から収納を見直すリフォームが人気。
著書『一生、片づく家になる!』他多数。
自分だけの城を持つことで趣味の時間も楽しめる
これまで家族優先だった暮らしから、50代では〝自分を大切にする住まい〟に。
そのためには、自分だけの場所があることが大切です。
「どれだけ仲の良い夫婦でも、ひとりでくつろげる場所を持つことで、気持ちがほっとするもの。これからシニアに向けて、ふたりで過ごす時間が増えてくるからこそ、夫婦がほどよい距離感を保てるような空間づくりを考えましょう」
ダイニングテーブルが妻の居場所となっている家もありますが、食事のたびに片付けるのは面倒。
「せっかくリフォームするのなら、小さくても自分だけのスペースを作るべき。個室を設けられるほど余裕がない場合は、キッチンの隣に造り付けのカウンターやデスクを設ければ、家事の合間に作業をしたり、ひと息つくことができます(CASE1 参照)」
50代からは新しい趣味を始めたい、好きなことに没頭したい、という人にとっても、専用のスペースは大きな味方になります。
「趣味のものをしまえる収納スペースもあわせて作っておくと見た目もすっきりし、片付けもスムーズに」
CASE1
キッチンの隣に妻の指定席を
K邸
動線を考えたスペース作り
キッチンの隣に造り付けのデスクを設置。
キッチンの横に設けて動線を一直線にすることで、行き来しやすくなるのがメリットです。
すっきり保てるよう、本や書類を収納できる吊り戸棚を設けているのもポイント。
子ども部屋は夫の書斎に
子どもの独立によって空いた部屋を活用し、書斎にリフォーム。
「大量の本もしまえるよう壁付けの棚を設け、部屋の中心に大きな机を設置しています」。
窓からは自然光をふんだんに取り込み、心地よく過ごせるように工夫。
CASE2
寝室の奥に書斎を
F邸
家族構成:夫婦二人(ご主人70代、奥さま70代)
住宅形態:マンション
コンパクトな空間でも書斎は作れる
空いた個室を2つに仕切り、夫婦それぞれの空間に。片方は本棚と机を入れて、落ち着けるコンパクトな書斎にしています。
もともとは壁で塞がれていた寝室との間に扉を設けて、寝室から直接行き来できるようにしたことで、使いやすさもアップ。
撮影/Kayo Nagano 文/工藤花衣 間取り図/GEO 画像提供/アトリエサラ
大人のおしゃれ手帖2023年3月号より抜粋
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