【50代からの趣味活】オペラ鑑賞を楽しむための4つのコツとは?
皆さんはオペラに対してどんなイメージを持っていますか?
「マナーが厳しそう」、「内容が難しくて理解できないかも」など、ハードルが高いと感じている方も多いと思いますが、実は誰でも気軽に楽しめるエンターテインメントです。
ここでは、初心者におすすめのオペラの楽しみ方をご紹介します!
これさえ押さえれば大丈夫!
オペラ鑑賞を楽しむための4つのポイント
©Andrea-Ranzi
オペラとは、歌を中心に進行していく物語のこと。
日本語では「歌劇」と訳されるように、セリフのほとんどが歌で構成されています。内容は神話を題材にしたファンタジー要素の強いものから、歴史や恋愛ものまで、バリエーションが豊か。
1600年代のイタリア・フィレンツェで、音楽家や詩人らの手によって作り上げられたとされ、当時は王族の催し物として上演されるなど貴族の娯楽でした。その後、一般公開を行う劇場の誕生とともに民衆に広がり、今では世界中で愛されるエンターテインメントへと発展しました。
数ある芸術の中でも、音楽・演劇・美術など、すべてを網羅した「総合芸術」といわれているオペラには、多くの魅力があります。
マイクを使わずに会場全体へ声を響かせるオペラ歌手の歌声はもちろん、大編成のオーケストラによる生演奏は、一度体験したら忘れられないほどの美しさです。さらに、たった数日の公演のために造られる舞台装飾や衣装も見どころ。荘厳な舞台セットや衣装、小道具、照明など、細部までこだわられていて、作品の世界観をより高度なものへと格上げ。
幕が上がった瞬間からフィナーレを迎えるまで、非日常の体験を味わうことができます。
オペラを楽しむために知っておきたい4つのポイントを押さえて、劇場に足を運んでみましょう!
①全編字幕付きで安心
オペラで使われる言語はイタリア語やドイツ語が多いですが、歌詞やセリフがわからなくてもOK!
字幕があるから安心して観劇することができます。例えるなら、字幕付きの洋画を観ているようなイメージ。舞台の左右にそれぞれ表示されるため、どの席からも読めるようになっています。
②予習がカギ
物語の世界観に入り込むためには、「あらすじ」を事前に予習しておくと◎。
基本的な流れや登場人物が頭に入っていれば、一言一句すべての字幕を追いかけることに必死にならずに済みます。それだけで気持ちに余裕が生まれ、出演者たちの表情や細かい動きも楽しめるように。
③目まぐるしく展開する物語にくぎ付け
物語の背景が複雑でも、難しく考えなくて大丈夫です。
オペラはイタリア発祥の芸術ということもあり、ストーリーが非常に情熱的。ドロドロとした人情味あふれるシーンや、主人公が悲劇的な死を遂げるラストなど、思わず涙が出てしまうことも。日ごろのストレスから自然と心を解き放ってくれます。
④おしゃれも楽しみのひとつ
「どんな服装をして観劇すればいいかわからない」と悩む方もいるようですが、オペラ観劇にドレスコードはありません。カジュアルな装いでもOKです。
「せっかくだからいつもよりおしゃれをしたい!」という方は、ドレッシーな服に身を包み、会場に行ってみましょう。非日常の空間を、より一層楽しむことができますよ!
オペラの魅力は、プロの歌声とオーケストラの生演奏を体感できるところにあります。
世界で活躍する一流の出演者たちが織りなす大迫力のハーモニーに酔いしれて!
事前にキャストのプロフィールをチェックして、推し活を楽しんでみるのもおすすめです。
ボローニャ歌劇場が日本にやってくる!
高い文化水準を誇る芸術と学問の街イタリア・ボローニャで1763年に創設された「ボローニャ歌劇場」。イタリア最高の歌劇場のひとつで、「オペラの殿堂」として繁栄してきました。
日本での初上演は1992年。以降、そうそうたるキャストが日本に訪れ、日本のオペラファンを沸かせています。
そんな「ボローニャ歌劇場」が、今年の11月に4年ぶりに来日。
今回はふたつの演目を引き提げて、各地を回ります。
悲劇的な愛の物語に思わず涙……
演目「トスカ」
【あらすじ】
舞台は、1800年のローマ。恋人同士の歌姫・トスカと、画家・カヴァラドッシは幸せな日々を過ごしていた。しかしある日、カヴァラドッシが政治犯の友人を匿ったことで事態が急変。
トスカに思いを寄せている警視総監・スカルピアの企てによって、カヴァラドッシは処刑を言い渡されることに。一方、カヴァラドッシの命と引き換えにスカルピアから体を要求されたトスカは、スカルピアをナイフで刺し殺してしまう。スカルピアを殺害したことで彼の策略から逃れたかのように思えたが、悲劇的な運命がトスカたちを待ち受けていた――。
©Oleh Pavliuchenkov
今回上演される「トスカ」の注目ポイントは、オクサーナ・リーニフ氏の指揮。
ウクライナ出身の指揮者で、イタリアの歌劇場“初”の女性音楽監督に就任した実力の持ち主です。
由緒あるバイロイト音楽祭が起用した初の女性指揮者にも選ばれたオクサーナ・リーニフ氏は、オペラ界の歴史を変えた人物とも称され、世界から注目を浴びています。
そんな彼女の手で表現されるダイナミックな演奏をお楽しみあれ!
道ならぬ恋の行方を見届けて
演目「ノルマ」
©Andrea-Ranzi
【あらすじ】
紀元前50年頃、ローマ皇帝カエサルによって征服されたガリア地方では、神のお告げを届ける巫女・ノルマが民衆の精神的な支えだった。しかしノルマは、敵方のローマ帝国総督・ポッリオーネと禁断の恋に落ち、ひそかに愛を育んでいた。そんななか、ポッリオーネが若い巫女のアダルジーザに目移り。彼の裏切りを知ったノルマは、怒りに任せてローマとの戦いを宣言する。決して許されない三角関係の行方はいかに――。
(c)Studio Amati Bacciardi
ヒロインの恋敵となる重要な役を演じるのは、日本人オペラ歌手の脇園彩氏。
東京藝術大学卒業後、同大学院を修了したのちにイタリアに留学。2014年にはスカラ座でデビューを果たしました。
現在はイタリアを拠点に、活躍の場を世界に広げています。彼女の美しい歌声と確かな演技力は、一見の価値ありです!
【公演情報】
●「トスカ」
開催期間:11月2日(木)18:30開演、4日(土)15:00開演
料金:S席/¥38,000(税込)、A席/¥32,000(税込)、B席/¥26,000(税込)、C席/¥21,000(税込)、D席/¥16,000(税込)
開催場所:東京文化会館大ホール
●「ノルマ」
開催期間:11月3日(金・祝)15:00開演、5日(日)15:00開演
料金:S席/¥38,000(税込)、A席/¥32,000(税込)、B席/¥26,000(税込)、C席/¥21,000(税込)、D席/¥16,000(税込)
開催場所:東京文化会館大ホール
そのほか全国5か所で公演予定。
詳しくは公式ホームページをチェック!
お問い合わせ:03-3544-4577(コンサート・ドアーズ)
オペラ鑑賞が趣味の方はもちろん、オペラ未体験者も、この機会に劇場へ足を運んでみませんか?
50代から始める新しい趣味のひとつとして、おすすめです!
構成・文/大人のおしゃれ手帖編集部
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