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大人のおしゃれ手帖 5月号

大人のおしゃれ手帖

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大人のおしゃれ手帖
2024年5月号

2024年4月6日(土)発売
特別価格:1360円(税込)
表紙の人:南果歩さん

2024年5月号

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大人の図書室
~垣谷美雨さん~

長年、女性が直面する社会問題を、鋭い視点とユーモアで切り取ってきた垣谷美雨さん。
最新作では、世代や立場を超えた女性たちの連帯や、男女の価値観のギャップが痛快に描かれます。

『あきらめません!』
垣谷美雨 ¥1,705(講談社)

『老後の資金がありません』などで知られる著者による痛快エンタメ小説。定年を迎えて、突如、夫の実家に戻ることになった郁子。田舎暮らしを楽しもうとしていた矢先、なぜか市議会議員に立候補することになって…。

女性の”生活目線”は政治にも生かせるはず


介護や代理母、高齢ドライバーといった社会問題を題材にしてきた垣谷美雨さんが、新刊『あきらめません!』で主人公に選んだのは、定年を迎えた60歳の郁子。
悠々自適のセカンドライフをもくろんでいた彼女が夫の地元へUターンし、なりゆきから市議会議員に立候補することに。保守的な価値観の高齢男性と戦いながら市長を目指す…という痛快なストーリーです。


「近年、新型コロナウイルスの蔓延をうまく防いだ国々のリーダーが女性だったことが話題になりましたね。党内でのしがらみやケチなプライド、名誉欲に縛られず『やるべきことを見極めて突き進む』という女性の生活者目線が役立った面が大いにあるのではないかと感じました。やはり政治には女性目線を今すぐにでも取り入れたほうがいいのではないか。そうでなくては、いつまでたってもゆとりある暮らしはできないと感じたことが執筆のきっかけです」


夫の義実家の隣に移住…と聞いて思い浮かべがちな嫁姑問題に発展するのではなく、世代を超えた女性たちの連帯が描かれるのも、本作の魅力です。


「嫁姑関係のステレオタイプは、マスコミ関係の男性が面白がって作り出した面が大きいと思います。私が結婚した40年ほど前でも、姑は嫁に気を遣い、遠慮がちで親切な人が多かったですよ。当時の友人は一様に『姑はやさしいが、舅には〝うちの嫁〟扱いされ、人格を認められていないのが嫌だ』と言っていたように記憶しています」


正義感とリーダーシップにあふれた郁子ですが、「あくまでも生活者目線のある、市井の人であることを意識した」と垣谷さん。


そんな郁子をはじめとする女性たちの姿からは、年齢を重ねてからも、それまでの人生経験を生かし、活躍することは可能なのだと勇気をもらえます。「正義感があり、政治に関心があり、頭の回転も速い、庶民感覚をお持ちの読者の方。思い切って、郁子のように議員に立候補してはいかがでしょうか」


編集部が選んだ必読書『生き方』に共鳴するこの2冊

『今日は、これをしました』 
群ようこ ¥1,430(集英社)

編み物やマスク作り、動画・音楽鑑賞、引っ越しに至るまで無理をしない、無駄をしない、いわゆる「しない」生活を実践している著者。質素になりがちと思いきや、彩のある日常を過ごせていると言います。身も心も軽やかになることで、楽しみや喜びが発見できるそう。

『「ふつうの人」を「品のいい人」に変える 一流の言いかえ』
諏内えみ ¥1,540(光文社)

世の中には言いにくいことを口にしなくてはならない場面も。会話に出てくるありふれたやりとりも少しニュアンスをかえるだけで、ふつうの人から品のある人に見えるものなのだとか。『「育ちがいい人」だけが知っていること』シリーズのマナー講師がズバリ解説します。


撮影/白井裕介 文/工藤花衣
大人のおしゃれ手帖2022年7月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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