「熟年離婚」「卒婚」に必要な準備とは?
メリット・デメリットも解説
人生100年時代、長年寄り添ったパートナーと離婚して新たな人生を踏み出そうと考える人は少なくないようです。
熟年離婚を検討するとき、あらかじめ知っておきたい制度やメリット・デメリットについて解説します。
熟年離婚、増加の実態
厚生労働省の「令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、2021年の離婚件数は 18万4,386組、そのうち同居年数20年以上のカップルは3万8,968組です。
過去にさかのぼってみると、1985年の離婚件数は16万6,640組、そのうち同居年数20年以上のカップルは2万434組。
さまざまな原因から、熟年離婚に踏み切る人が増えているようです。
熟年離婚の準備で知っておきたいこと
熟年離婚を検討するときに知っておきたい制度などをご紹介します。
「財産分与」について
財産分与とは、離婚したパートナーに対して財産の分与を請求できる制度です。
夫婦が共同生活を送る中で形成した財産の公平な分配が基本で、夫婦の財産を半分ずつ分けることが多いようです。
不動産や車などが対象となります。
離婚から2年が経過すると家庭裁判所に申立てができなくなるので注意しましょう。
「年金分割」について
年金分割とは、離婚したカップルの婚姻期間中の保険料納付額に対応する厚生年金を分割し、それぞれが自分の年金にできる制度です。
平成19年度からはじまったこの制度は、原則として離婚から2年が経過すると請求できなくなります。
年金事務所または年金相談センターで手続きをしなければ年金は分割されないので、忘れずに手続きをしましょう。
「慰謝料」について
慰謝料とは、相手方の不法行為によって精神的苦痛を与えられた場合に請求できる損害賠償のことです。
離婚の際の慰謝料は、パートナーの行為が原因で離婚に至った場合などに請求できます。
具体的には、不貞や身体的・精神的暴力、生活費の不払いなどが該当します。
程度が軽い場合などは、慰謝料請求が認められないこともあります。