料理研究家・山脇りこさんを直撃!
50代の心と体をいたわる「電子レンジ料理」の魅力とは?
東京・代官山で料理教室を主宰する、人気料理研究家の山脇りこさん。もともと「電子レンジは使わない派」だった彼女が、50歳を過ぎて使いこなせるようになりたいと研究し始めたのが、「電子レンジ料理」でした。
本インタビューでは、このタイミングで電子レンジを使い始めるようになったきっかけや、山脇さんが考える電子レンジの魅力について伺いました。
「電子レンジ料理」のきっかけは母のあるひとこと
旅館に生まれ、丁寧な仕込みや、季節ごとの自家製を見て育った山脇さん。電子レンジ料理に対しては抵抗があったといいます。
「私の母は料理好きで、娘の私がいうのもなんですが、かなり料理上手でした。でも80代半ばを過ぎてから、台所に立つのがだんだん辛くなって、火を怖いとも感じるように。料理好きなゆえ、自分で作りたいものを作れなくなったのが悲しいと涙ぐんでいました。そんな母を見ていると私もショックで……。
母の言葉を聞いて、どんなに料理が好きでも、やりたいという気持ちがあっても、いずれはできなくなる日が来るのだなということを痛感。いつか私もそうなってしまうかもと、母の姿に自分の未来を重ねて、危機感を持つように。今まで電子レンジ料理とは距離を置いてきた私ですが、電子レンジを使えるようになれば、年齢を重ねても料理を作り続けられるのかもしれない。そう思い、電子レンジを使ってみることにしたのです」
「電子レンジ料理は手抜き」という固定概念からの解放
山脇さんが本格的に電子レンジを使い始めたのは、ここ数年のこと。
「実は、50歳になるころまで自宅に電子レンジがなかったんです。ごはんを温めるためにも使わないほど、縁遠いものでした。思い返してみると、これまで出してきたレシピ本の中にも、電子レンジを使う工程はほとんどありませんでした。なぜかというと、なんとなく“電子レンジは手抜き”というイメージを持っていて、電子レンジだけで済ますことに罪悪感があったからだと思います。
それが、電子レンジを使いこなせるようになりたいと思っていろいろ試してみると、料理によっては、電子レンジで作った方がおいしくできるんだなぁ、という発見がありました。調理道具のひとつとして使えばいいんだ!と。
家族や友達にも電子レンジで作った料理を出したら、みんなおいしいと食べてくれて、レシピを聞かれることもありました。そんなエピソードは、本のエッセイでもご紹介しています。70代・80代の未来の自分に備えて電子レンジを使い始めたのですが、今の50代の私がとても楽になりました。
全部の料理を電子レンジでとはオススメしませんが、レンジで作った方がおいしい料理があります。その発見はとても大きかったです」
大人こそ知ってほしい「電子レンジ」との付き合い方
『おいしいものを手軽に少量で 50歳からはじめる、大人のレンジ料理』は、現在発売中。50代の日々をごきげんに過ごすためのヒントがたくさん詰まっています。
後編では、山脇さんのとっておきレシピをご紹介。「大人のおしゃれ手帖web」の読者におすすめの一品を教えていただきました。
【書籍詳細】
『おいしいものを手軽に少量で 50歳からはじめる、大人のレンジ料理』
山脇りこ
¥1,650(NHK出版)
【プロフィール】
山脇りこ
料理研究家。東京都内で料理教室を主宰。長崎県の日本旅館に生まれ、四季折々の料理に触れながら育つ。旬を大切にし、素材を生かした野菜料理や保存食が得意。忙しい毎日でもストレスなく楽しめるアイデアが光る、小粋な家庭料理を提案する。将来の自分のために始めたレンジ調理にもモダンなセンスが生かされ、今までにない斬新なレシピを日々更新中。食いしん坊の旅好きで、国内外の市場や生産者巡りがライフワーク。特に台湾はガイドブックを刊行するほど精通する。2023年春に上梓した、初の食と旅のエッセイ『50歳からのごきげんひとり旅』(大和書房)が大好評。
撮影/竹下アキコ
この記事を書いた人
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