50代以降の女性に多い「子宮体がん」の対策
子宮体がんの検査と治療法
子宮体がんの疑いがあるとき
検査方法は、子宮内部の細胞を採取する細胞診や、組織を採取する組織診の他、超音波検査があります。
超音波検査とは、子宮体がんになると子宮内膜の厚みが増すため、厚みがどれくらいかを超音波で調べるものです。超音波検査は細胞診や組織診に比べて痛みが少ないのがメリットですが、初期のがんが見つかりにくいなどのデメリットもあります。
なお、子宮がん検診で調べるのは一般的に子宮頸がんの検査であり、子宮体がんの検査は含まれないことが多い点に注意しましょう。
主たる治療法は手術
子宮体がんの主な治療法は手術です。がんのステージによって腹腔鏡手術や開腹手術を行う他、状況に応じて抗がん剤治療や放射線治療を行うこともあります。
腹腔鏡手術とは、腹部に5~12ミリ程度の小さな穴を3~5か所程度開けて、内視鏡という超小型カメラで観察しながら手術を行うものです。腹腔鏡手術は腹部を切開する開腹手術に比べ、傷跡が小さい、術後の痛みが少ない、回復が早いなどのメリットがあります。
「国立がん研究センター がん情報サービス」によると、子宮体がんの5年相対生存率(2009年~2011年)は80%を超えています。
5年相対生存率とは、あるがんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体(※)で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかで表します(※正確には、性別、生まれた年、および年齢の分布を同じくする日本人集団)。100%に近いほど治療で生命を救えるがんです。子宮体がんは早期発見・早期治療で高い治癒が望めます。
参考サイト:国立がん研究センター がん情報サービス
(まとめ)
子宮体がんは50代以降の女性に多い病気。肥満などの生活習慣病はリスク要因となるため、まずは健康的な食生活と定期的な運動で生活習慣病の予防に努めましょう。
早期の子宮体がんを発見するためには、不正出血が起こる前に定期的な子宮体がん検診を受けることも重要です。不正出血があれば迷わず婦人科を受診してください。気になることがあれば何でも相談できる、かかりつけの婦人科を見つけておくのもおすすめです。
構成・文/大人のおしゃれ手帖編集部 画像協力/PIXTA
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この記事の監修者
つづきレディスクリニック 院長吉岡範人
1978年生まれ。千葉県出身。2005年、聖マリアンナ医科大学大学院を卒業。同大学初期臨床研修センター、産婦人科に入局。16年間の医局勤務中、約2年間にわたりカナダ・バンクーバーにあるブリティッシュコロンビア大学へ留学。がんの研究に従事。2019年に事業を引き継ぐ形でつづきレディスクリニックの院長に就任。産婦人科医療と既存の事柄をかけ合わせることにより、新たな産婦人科医療を生み出しており、産婦人科領域における医療脱毛や訪問診療など新たな分野に挑戦している。また女性の働き方改善や待遇改善にも注視しており、サービスの良いホテルやレストランへの研修など医療界における持続可能な待遇改善にも注力している。
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