心疾患を知ろう!
更年期以降の女性が気をつけるべきことは?
「心疾患(しんしっかん)」は日本人の死因の第2位。誰もがなりうる病気ですが、心疾患の中には予防できるものもあります。日常生活でできる対策と、更年期以降の女性が気をつけるべきことを解説します。
「心疾患」は心臓にまつわる病気の総称
「心疾患」とは心臓にまつわる病気の総称で、さまざまな種類があります。代表的なものをいくつかご紹介します。
心不全
日本循環器学会では、「心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です」と定義しています。心臓から十分な血液が送り出せなくなることで息切れや疲れなどの症状が起こります。原因は虚血性心疾患や高血圧、心臓弁膜症などさまざまです。
虚血性心疾患
動脈硬化や血栓(血液の固まり)などによって心臓の血管(冠状動脈)が狭くなり、心臓を動かしている心筋に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなることで、胸に痛みを引き起こします。
不整脈
脈の打ち方のリズムや回数が異常になることです。
心臓弁膜症
心臓の部屋を分けている逆流防止弁が障害される病気です。
先天性心疾患
生まれつき心臓の形や機能に異常がある病気です。
日本人の死因の第2位
厚生労働省の「令和2年(2020)人口動態統計(確定数)の概況」によると、2020年の日本人の死因の上位は次の通りです。(%は構成割合)
第1位:悪性新生物(がん)27.6%
第2位:心疾患 15.0%
なお、心疾患のうち41%が「心不全」、33%が「虚血性心疾患」です。心不全と虚血性心疾患は密接な関わりがあり、いずれも患者数は増加しています。
この記事の監修者
医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長菊池大和
2004年3月、福島県立医科大学医学部卒業後、湘南東部総合病院外科・外科科長などを経て、令和元年5月1日より現職。「総合診療、救急診療を通じて、地域医療に最大限に貢献する」ことを目的に日々診療を行う。 救急センター長日本救急学会救急科専門医、日本外科学会外科専門医、日本慢性期医療協会総合診療認定医、日本医師会認定健康スポーツ医、認知症サポート医身体障害者福祉法指定医(呼吸器)、厚生労働省初期臨床研修指導医、神奈川県難病指定医、エピペン処方認定医