夏は血液のめぐりが悪くなる⁉ 「ノロノロ血流」に要注意!
連日猛暑続きの今年の夏。熱中症対策として水分補給に気を付けている人も多いのではないでしょうか。しかし、暑さで気を付けなくてはいけないのは、熱中症だけではありません。
実は夏は、血液の循環が悪くなった「ノロノロ血流」によって、脳梗塞や心筋梗塞など、「命に関わる病気」の発生件数が増える時期でもあるのです。その原因と対策をご紹介します。
解説 !「ノロノロ血流」とは?
動物性の脂質や炭水化物中心の食生活を続けていると、血液中に悪玉(LDL)コレステロールが増加。悪玉コレステロールは血管の壁に付着する特性を持ち、血液の流れを邪魔してしまいます。さらにストレスなどが原因で発生した活性酸素によって、酸化LDLコレステロールに変化します。この酸化LDLコレステロールを体が異物として認識し、自らを攻撃することで血管に炎症が起きてしまいます。そして、炎症により傷ついた血管にプラークという血栓のようなものができると、血管が狭くなるため血液の流れが悪くなるのです。 これが「ノロノロ血流」の状態です。
さらに、夏に起こりやすい脱水症状になると、その危険度がアップ。体内が水分不足になることで血液の濃度が高まることに加え、暑さにより血管が広がり、血圧が低下してしまうため、血流にとって極めて酷な環境であると言えるのです。
気を付けたいのは「脱水状態」と「食生活の乱れ」
「ノロノロ血流」とは、血液がスムーズに流れにくく、血管が詰まりやすい状態のこと。夏に大量の汗をかき、それに見合った量の水分を補給できてないと体が脱水症状になってしまい、ノロノロ血流がさらに悪化。水分補給をしても、体全体に浸透するまで20分ほどかかると言われており、水を飲んでもすぐに血流がよくなるわけではないので、こまめな水分補給をすることが大切です。
また、原因のひとつになるのが偏った食生活。普段から肉、ごはん、パン、麺、お菓子など動物性の脂質や炭水化物中心の食生活の人は要注意。また、一見やせているように見える人も、筋肉量が減り、体の内側に脂肪がたまっていると「ノロノロ血流」の可能性があるので、注意が必要です。
血巡りをよくする「オメガ3」を味方に
脂質はとりすぎることが問題なのであって、悪者ではありません。脂質は体を作る細胞の細胞膜や、体の調子を整えるホルモンの材料、活動エネルギーになるなど、生きていく上で必要不可欠な栄養素。大事なのは普段とっている脂質の種類を意識すること。普段とっている油を、「オメガ3」と呼ばれる油に置き換えることで血液のめぐりを良くすることができます。
オメガ3には抗炎症作用があると言われており、酸化LDLコレステロールによって起こる炎症を抑え、血管を狭くするプラークを形成しにくくする働きがあります。また、オメガ3は血管をしなやかにし、赤血球を柔らかくする働きもあるため、血液の流れが改善され、体の隅々まで血液が行き届くようになるのです。
「オメガ3」を上手に食生活に取り入れて
血巡り改善に効果のある「オメガ3」の油。成人であれば1日2g(厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020」より )を目安に、毎日継続してとるべきですが、この場合、たとえば毎日、生のアジを3匹食べる必要があり、続けるには少し大変。そのため、かけるだけで手軽にオメガ3を摂取できる「アマニ油」や「えごま油」などの油も活用しましょう。とりすぎには注意が必要ですが、1日小さじ1杯を目安に、普段とっている油と置き換える形で取り入れるのがおすすめ。
「アマニ油」と「えごま油」は熱に弱い性質をもっているので、加熱調理はNG。コーヒー・紅茶などの飲みもの、ヨーグルトやサラダにそのままかけてとりましょう。冷ややっこやお味噌汁などの和食にもよく合うので工夫して継続してください。
監修:
徳島大学大学院医歯薬学研究部 循環器内科学 教授
佐田 政隆先生
専門分野は循環器内科学、特に動脈硬化、再生医療、薬物療法、生活習慣病 。2002年東京大学大学院医学系研究科循環器内科助手、2004年東京大学大学院医学系研究科先端臨床医学開発講座客員助教授に着任後、2007年には同研究科の客員准教授に就任。2008年徳島大学大学院医歯薬学研究部循環器内科学部門教授として着任。現在、徳島大学病院検査部長を兼任。
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