防災のプロが伝授!
火事が起きたときの正しい「消火・避難」の仕方
押さえておくべき避難のポイント
Case1 一軒家にいたら
玄関から外に出られる場合は、煙を吸わないように身をかがめて脱出を試みる。床から10㎝以下は煙が届きにくいとされているので、とにかく低い姿勢を取って避難します。
2階にいて発見が遅れた場合は、階段を使って無理に1階へ降りるのはNG。煙は階段を煙突のように伝って上へ上へと蔓延するだけでなく、高熱です。それを吸うと喉が火傷し、呼吸ができなくなるうえに、一酸化炭素中毒になるリスクがあります。可能であればベランダの手すりや窓枠などを掴み懸垂のような体を伸ばした体制をとり、手を放し足から落ちる避難方法もあります(2階の高さが3メートル50センチでも手を伸ばしたら1メートル50センチ、残りは2メートルとなります)。勢いをつけて飛び降りる危険性よりも、体への負担を最小限に抑えることができます。また、布団などクッションになりそうなものを敷いて飛び降りるのも◎。
小さな子どもがいるときは布団に巻き付けて、布団が下になるようにやさしく落とすことでケガなどのリスクを軽減できます。
Case2 マンションにいたら
一軒家と同様、火元よりも低いところに避難することが大切。しかし、マンションの場合は飛び降りて外に脱出することが難しいので、より冷静に避難経路を確保する必要があります。
まず押さえておきたいのは、火と煙は上に広がりやすく、次に横、そして最後に下に広がるという性質を持っています。
例えば火元の直上階にいた場合、いきなり下の階を目指すのは最もNGな行動です。火災現場を避けて避難するためには、まず横に移動することが大事。玄関が開けられる状態であれば玄関から部屋を出て、難しそうであればベランダ伝いに火元から遠ざかります。そのあと、安全を確認しながら下に降りていくという手段を覚えておくとよいでしょう。
有事の際は普段使っている階段やエレベーターが使えない可能性が考えられるので、非常口や非常用のエレベーターの位置などを把握しておくとなお安心です。
火事発生時に求められるのは、冷静な判断と行動。安全な避難方法を知っておけば、自分自身や周りの人々を守ることにもつながります。もしもが起きたときのために、災害時の行動を見直しておきましょう。
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画像素材/PIXTA
構成・文/大人のおしゃれ手帖編集部
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この記事の監修者
防災アドバイザー藤谷敏之
金沢市消防本部(現・金沢市消防局)にて警防・予防・庶務・救急を担当。その後、金沢市役所危機管理課に出向。令和2年に金沢市役所を退職。現在は地域(町会等)防災アドバイザーとして地域住民の防災力を高めることに注力。
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