齋藤智子さんpresents 香りの力で自分を癒やす アロマの処方箋 vol.4
更年期悩みを香りで解決
今回から、大人のおしゃれ手帖世代とは切っても切り離せない「更年期」と香りの関係性について触れていきます。
心地よく毎日を過ごすための香りの使い方やアイデアを試していただき、少しでもポジティブに更年期を乗り切られるようになればと思います。
イライラや不安を鎮める香り
自分の心や感情の起伏をコントロールできないときにおすすめなのが、クラリセージ、ゼラニウム、イランイランといった香りです。
クラリセージ
ゼラニウム
イランイラン
ほかにも、ローズオットー、ネロリ、ジャスミンなどの香りも効果的といわれています。
これらの精油には、オキシトシンという幸せホルモンを分泌させる働きもあるとされており、心をゆったりと落ち着け、多幸感を与えてくれる、そんな香りたちなのです。
おすすめの香らせ方
単体で香らせる場合
ティッシュに1滴垂らし、ゆっくり深呼吸をしながら嗅いでみてください。
ほかには、何かの基材(塩、ホホバオイルなどの植物オイル、ハチミツなど)に1滴混ぜて、お湯をためたお風呂に溶かしてください。
温かい蒸気とともにお風呂全体が香りで包まれ、脳も体もリラックスできます。
なお、これらはとても濃厚で強い香りのため、量は1滴で十分です。
何種類かを混ぜて香らせる場合
1)
レモン 3滴
オレンジスイート 2滴
ゼラニウム 1滴
ホーウッド 2滴
フランキンセンス 1滴
甘くすっきりとした香りを加えてくれるレモンは、気持ちを前向きに明るい気分にしてくれます。
ゼラニウムだけだと少し濃いかなという香りが、驚くほど嗅ぎやすくなります。
フランキンセンスでエンジングケアも期待できます。
2)
オレンジスイート 2滴
ベルガモット 2滴
ペパーミント 1滴
イランイラン 1滴
ラベンダー 2滴
サンダルウッド 1滴
オレンジスイート、ラベンダーは副交感神経を優位にしてゆったりとさせる鎮静作用がある香りです。
今夜はぐっすり眠りたい、という日におすすめです。
サンダルウッドの深く甘い香りは瞑想のように心を落ち着けてくれるでしょう。
3)
オレンジスイート 2滴
グレープフルーツ 2滴
ユズ 1滴
クラリセージ 1滴
フランキンセンス 1滴
クラリセージ単体は苦手という方もいらっしゃるのですが、柑橘類を少しずつ混ぜて、香りがまろやかになり深みと奥行きが加わります。
大切なのは、体に作用する香りを、自分の好きな香りで楽しめるかです。
好きな香りはまた嗅ぎたいなと思いますし、今日はこれ、と選ぶ楽しみも増えていきます。
ぜひ実践してみてくださいね。
齋藤智子
一般社団法人プラスアロマ協会代表理事、アロマ調香デザイナー®️
京都で10代続く家に生まれ、白檀の香りに魅かれて調香の世界へ。20年間で創作した香りは6000種以上。代表作「TRANSITIONS」〜ミラノで最も美しい空気〜(Milano design award best technology賞)はミラノサローネで60万人の心を動かした。国内外で企業やブランドのアロマ空間演出を手がけるほか、美術館の創香などアート分野の企画も多い。近年は、日本各地の農家や蒸留所との連携、マーケティングやサイエンス分野の研究など香りの可能性を広げる活動も行う。著書『アロマ調香デザインの教科書』(BABジャパン出版)。