齋藤智子さんpresents 香りの力で自分を癒やす アロマの処方箋 vol.7
眠りを促す香り
秋が少しずつ深まってきましたね。夜も長くなってきたので、今回は眠りを促す香りについてお話をしたいと思います。
睡眠は、私たちの心身の健康を維持するための大切な要素のひとつです。
睡眠時間が短くなることで、本来睡眠で回復できるはずの疲労が蓄積してしまいます。
ではよい眠りを促すためにどんなことが考えられるでしょうか。
体を温める
体のほてりが取れた頃が入眠に最適だといわれています。入浴は、眠る1~2時間前に入って十分に体を温めておきましょう。
また、白湯やカモミールティーなども体を温めるのに有効。
カモミールティーはヨーロッパで古くから不眠症対策に使われていたとされ、心身をリラックスさせてくれる甘いハーバルな香りが特徴です。
夜のひとときに一杯飲むといいでしょう。
ちなみに、コーヒーや紅茶、緑茶など、カフェインを含む飲食物は入眠やよい睡眠の妨げになるといわれています。
音楽を聴く
心地よい音楽は私たちの副交感神経の働きを優位にし、てリラックスさせてくれます。
川や海などの水のせせらぎ、クラシック音楽など好きなヒーリングミュージックを見つけるのもいいですね。
寝室を整える
心地よい眠りには、部屋の照明、寝具の状態など空間作りも深く関わっています。
心地よい空間を作るために、香りを使うのもとてもおすすめです。
睡眠は前回お話した「自律神経」に深く関連しているので、この自律神経のバランスが保たれることで睡眠にもよい影響を与えてくれそうですね。
このコントロールを上手にしてくれる精油をうまく使って、心地よい眠りに繋げていきましょう。
ラベンダー(Lavandula angustifolia)
ゼラニウム(Pelargonium graveolens)
ローズと似ている芳香成分を多く含んでいて、華やかさとグリーン調のハーブが混ざったような濃厚な香りが特徴です。
ホルモンの分泌調整作用に優れている精油のひとつで、ホルモンバランスの乱れからくる生理不順やPMS(月経前症候群)、更年期障害など女性特有の症状に特によいとされています。
心身の緊張による不安を癒やし、心をゆるめ、幸せな気持ちにさせてくれる香りです。
肌の皮脂分泌のバランスを調整してくれる働きもあり、スキンケアにもおすすめの精油です。
レモンやオレンジスイート、ローズマリーなどとのブレンドは軽やかさも加わり、嗅ぎやすくなるのでおすすめです。
クロモジ(Lindera umbellata)
最近人気の和精油。
青森県、京都府、石川県など日本各地に自生しています。
ラベンダーにも多く含まれるリナロールという成分が多く、鎮静作用、抗菌作用がとても高い精油のひとつです。
お茶席などで使われるクロモジの爪楊枝を見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、樹皮の黒いはん点が習字の墨のようだから、という説から黒文字といわれているようです。
最近は絶滅が危惧されていてあまり出回ることがないローズウッドとよく似た芳香成分を持ち、甘く深みのある香りが特徴です。
ユズやベルガモットなど柑橘類との組み合わせや、ヒノキやパインのような木の香りとの組み合わせが心地よい森林浴のように感じられ、男女問わず多くの方に好まれる香りです。
おすすめの香らせ方
1)
リラックスしてぐっすり眠りたいとき。寝室などで。
オレンジスイート 5滴
マンダリン 2滴
ラベンダー 3滴
スイートマジョラム 1滴
サンダルウッド 2滴
2)
呼吸を深め、心地よく過ごしたいとき。リビングなどで。
ベルガモット 3滴
レモン 2滴
クロモジ 2滴
ヒノキ 2滴
シダーウッド 2滴
ティッシュに垂らしたり、ディフューザーを使って香りを楽しんでみましょう。
心地よい秋の眠りをお楽しみくださいね。
齋藤智子
一般社団法人プラスアロマ協会代表理事、アロマ調香デザイナー®️
京都で10代続く家に生まれ、白檀の香りに魅かれて調香の世界へ。20年間で創作した香りは6000種以上。代表作「TRANSITIONS」〜ミラノで最も美しい空気〜(Milano design award best technology賞)はミラノサローネで60万人の心を動かした。国内外で企業やブランドのアロマ空間演出を手がけるほか、美術館の創香などアート分野の企画も多い。近年は、日本各地の農家や蒸留所との連携、マーケティングやサイエンス分野の研究など香りの可能性を広げる活動も行う。著書『アロマ調香デザインの教科書』(BABジャパン出版)。
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