【柄本 佑さんも感動!】奈良国立博物館・吉野大峯展で修験道の宇宙に触れる
栄華を極めた藤原道長も詣でた神秘の聖地 吉野・大峯

「役行者倚像および二鬼坐像」室町時代(15世紀)奈良・𠮷水神社【通期展示】
人は古来、大自然を畏れ、敬ってきました。とくに山岳は神聖視される例が世界各地に見られ、今なお信仰の場、修行の場として大切にされています。
日本でも、古くから山岳信仰が受け継がれ、「修験道(しゅげんどう)」という日本独自の信仰が形作られました。なかでも奈良県の吉野から和歌山県の熊野へと至る大峯は、神と仏の宿る聖地として崇敬を集めています。
修験道を創始したとされるのが「役行者(えんのぎょうじゃ)」です。

国宝『日本霊異記 上巻』(部分)平安時代(10世紀)奈良・興福寺【前期展示:5月10日まで】
平安時代初期の仏教説話集『日本霊異記(にほんりょういき)』には、役行者(役小角・えんのおづぬ)の伝承が収録されています。

「蔵王権現立像」平安~鎌倉時代(12~13世紀)奈良・大峯山寺【通期展示】
修験道の本尊が、蔵王権現(ざおうごんげん)。魔を払う宝具・三鈷杵(さんこしょ)を右手に掲げ、悪を切り裂く刀印を結んだ左手を腰に当て、掲げた右足で邪悪なものを踏みつけんとしているのだそう。
今でも修験道の聖地として修験者たちが修行の場としている大峯は女人禁制の山。こちらの蔵王権現さんたちがお祀りされている大峯山寺はその山頂にあります。
私が一生見られないはずの堂内が再現されているので、本当にありがたかったです……!

国宝「紺紙金字法華経・観普賢経(金峯山経塚出土)」藤原道長筆 平安時代 寛弘4年(1007)奈良・金峯山寺 ※現在は写真と異なる箇所が展示されています 【展示期間:5月12日〜24日】
修験道が盛んに信仰されるようになった平安時代には、大峯は弥勒(みろく)が出現するまで金を秘める山「金峯山(きんぷせん)」と呼ばれるようになり、天皇や藤原道長(ふじわらのみちなが)など都の貴族がこぞって参詣しました。
「紺紙金字経(こんしきんじきょう)」は道長による直筆のお経。ひ孫の師通(もろみち)や多くの臣下を引き連れて自ら金峯山に足を運び、埋めたものです。
今回の特別展では、この紺紙金字経を、修理後初公開! 全8巻が、期間を分けて展示されています。

国宝「蔵王権現鏡像」平安時代 長保3年(1001)東京・西新井大師總持寺【通期展示】
こちらは現存最古の蔵王権現像。道長の金峯山詣と近い時期に制作されたとされています。道長が実際に拝んでいたかも!?

重要文化財「蔵王権現立像」(部分)鎌倉時代 嘉禄2年(1226)奈良・如意輪寺【通期展示】
蔵王権現さんのポーズはとても躍動的ですが、こちらのお像の鋭い眼光には、生気が宿っているかのよう!

「吉野御子守明神像」鎌倉時代(14世紀)個人蔵【前期展示:5月10日まで】
山そのもの、そして神、仏……。修験道の信仰は、広がりを増していきます。
そのあまりの奥深さ、広さに圧倒されますが、なぜだか胸が高鳴ります。映画「ネバーエンディング・ストーリー」の主人公・バスチアンが学校の屋根裏部屋でむさぼるように本を読むシーンを思い出します。“不思議”って、なんて魅力的なんでしょう!
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