【小川糸さん】里山の初夏じたく
~信州での穏やかな暮らし
ゴミを肥やしにする循環する暮らし
小川さんが日頃から心掛けているのは無駄を省くこと。
「生ゴミは山羊やコンポストを介して肥料にし、紙ゴミも灰にして土へ戻しています」
また、ノラコヤに換気扇やクーラーをつけず、窓からの風で換気や食品保冷をし、電力やガスに依存しない生活を叶えていました。
野菜くずや果物の皮は山羊のご馳走
山羊はとっても食欲旺盛。
野菜や果物の皮やヘタ、精米した際に出る米ぬかも一瞬でペロリと平らげます。
「お米のとぎ汁は山羊たちのミルク。おいしそうに飲んでくれるので、流さないように研いで大事に与えています。山羊たちのおかげで生ゴミがほとんど出ないので気持ちがいいです」。
エサ入れには、古道具の飯炊き釜を活用。
山羊の糞を庭の肥料に
山羊たちは毎日たくさん食べてたくさん糞をするため掃除は欠かせない日課。
山羊の糞は、コロコロとした粒状なため箒ではいて収集し、畑の肥料に。「臭いもそれほどせず、パラパラとそのまま畑に撒けて扱いやすくて助かります」。
山羊が食べ残した牧草と糞を土に混ぜて小山にし、納豆を刻んで振りかけると発酵して、たい肥が完成。
米ぬかや焚き火の灰で土壌を整える
里の庭は、もともとは雑草が茂った未開墾地。
一角に焚き火場を設け、選定した枝や紙ごみなどを燃やして暖を取り、残った灰は土に撒いて土壌の改良に役立てます。
「瘦せた土地なので、灰を混ぜて酸性土壌を中和したり、米ぬかを撒いて肥料にしています。落ち葉を溜めて天然の腐葉土も作っていて、市販の肥料は使っていません」
山羊が食べない生ゴミはコンポストへ
ニラやねぎ、玉ねぎ、ケールなど山羊にとって毒性のある野菜のくずや卵の殻などはお手製のコンポストへ。
「誤って山羊たちが食べてしまったら、と思うと怖いので、木箱に土をいれて深く埋めています」。
納豆のパックを洗った水を上からふりかけたり、刻んだ納豆を土に混ぜ込んで、時折かきまぜると生ゴミが分解されてふかふかの土に。
野良仕事の動線を考えた土間の家
ノラコヤの一階は、外と地続きの土間。
「いちいち靴を脱ぐのは面倒なので農家の作業場のような作りにしました。炊事場やトイレまで土足で行け、散歩の後の犬たちの足を急いで拭く必要もないので助かっています」。
寛ぐときは階段下で靴を脱いで寝室がある二階へ。海外生活経験が豊富な小川さんならではのシステムです。
外気を使いオフグリットを目指す
ノラコヤにはガスを引かず、電力も自然エネルギーを扱う会社と契約。
さらに、台所に換気扇を付けず、窓からの風で換気しています。
「冬場しかノラコヤにいないので冷蔵庫は車載式の小さなものだけ。風通しのいい2階のテラスが貯蔵庫に。晴れた日はポータブルのソーラーパネルで蓄電し、外部電力になるべく頼らないようにしています」
photograph: Keiko Mizukai edit&text: Mizuki Sakaguchi
大人のおしゃれ手帖2026年6月号より抜粋
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