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大人のおしゃれ手帖 10月号

大人のおしゃれ手帖

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大人のおしゃれ手帖
2023年10月号

2023年9月7日(木)発売
特別価格:1390円(税込)
表紙の人:天海祐希さん

2023年10月号

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記事公開日

2023.0218

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【対談】大人に響く新感覚の絵本
~ナカセコエミコさん×森田樹優さん~

対談

幼い頃、誰しもが親しんできたはずなのに、いつの間にか離れてしまった。
多くの大人にとって、絵本はそういう存在ではないでしょうか。
この春、東京・国立にオープンを予定している「書店 有給休暇」。その発起人である書評家・絵本作家のナカセコエミコさんと、これまでにナカセコさんの作品を度々朗読してきた声優・ボイストレーナーの森田樹優さんにお話を伺いました。

「書店 有給休暇」は自分の好きを見つけられる空間

有給休暇

4月6日に「書店 有給休暇」のオープンを控えるナカセコさん。
選書サービスの運営を行う彼女が思い描く書店とは、一体どんな空間なのでしょうか。

ナカセコエミコさん(以下、ナカセコ)
「書店 有給休暇」は、日常生活のさまざまなことからちょっと離れたいときに訪れてもらえる場所にしたいと思っています。有給の使い方って人それぞれだとは思いますが、旅行やテーマパークなど“お出かけ”に使うイメージがありますよね。でも、それだとお金もかかるし距離もあってハードルが高い。「書店 有給休暇」は気負わずに“ちょっとだけ行ってみよう”と足を運んでもらえる場所をイメージしました。

森田樹優さん(以下、森田)
そこにナカセコさんの選んだ、心が休まるような本が並ぶんですね。

ナカセコ
実は、本や絵本だけじゃなくてお菓子や雑貨も置くつもりなんです。アロマなどの癒やしグッズがあってもいいかなぁなんて。ちょこっとずついろいろなものを見て楽しめるような空間にしたいんです。

森田
いいですね。「書店 有給休暇」に行けば “そういえば私って、こういうのが好きだったんだよな”と、原点に戻してくれる気がします。幼い頃の自分に戻ったような感覚になるのかな(笑)。

ナカセコ

うんうん。50代の女性って、お母さんとか奥さんとか、会社だったら課長とか、いろんな肩書きがついていると思うんです。その役割に合わせてやっていくことを求められていたり、何かを背負っていたり……。
だから、「書店 有給休暇」ではそういうものをいったん置いてもらって、安心して本を読んでもらえる場所になれたらと考えています。


大人にこそ読んでほしい『読める珈琲』

有給休暇

絵本作家としての一面を持つナカセコさん。
より多くの人に「書店 有給休暇」を知ってもらいたいという思いから、新しい形の絵本を作ろうと考えたそうです。

ナカセコ
現在の会社の資金をもとに、書店をオープンしようと思ったんです。物件を借りるところまではなんとかできたのですが、お店の内装やシステムをきちんと作って商品を仕入れるとなると、もう少し充実した資金が必要になって。
それなら、クラウドファンディングにチャレンジしようと思い、この度トライしてみました。

森田
それで『読める珈琲』を作ることにしたんだよね。具体的にはどんな作品になっているの?

ナカセコ
『読める珈琲』というショートストーリーは、クラウドファンディングで支援いただく方へのリターンとして制作したものです。ショートストーリー1本と7種のドリップコーヒーがセットになっています。

対談

森田

カフェインレスのコーヒーを飲みながら、ナカセコさんが描くやさしい物語を読む。それだけで癒やされるのですが、『読める珈琲』に付属している二次元コードを読み取ると朗読が聞けるんですよ。
ちなみに、その声が私なんですけどね(笑)。

ナカセコ
森田さんの声は穏やかでイメージとピッタリでした。以前、私のほかの作品を読んでいただいたときにも思ったのですが、 読み方や汲み取り方などが私のストーリーにはまったので。物語の世界観と声の相性がいいんですね。

森田
わぁうれしい。ぜひ皆さんにも聞いてほしいですね。

ナカセコ
ぜひ!

森田
『読める珈琲』は、見て楽しめるのはもちろん、コーヒーの香りを嗅ぐ、そして飲む。それから朗読で声を聞く。なんといっても五感で感じられるのが魅力じゃない?

ナカセコ
その通り! その日のコンディションによって、目で読んで楽しめるときもあれば、 本は読まずとも飲むことで癒やされることもある。目が疲れているときは、耳で聞いた方が楽っていうときもあると思うんです。

森田
年齢、性別、職業問わず、いろんな方にチョイスしてもらえそうな気がしますね。

対談

ナカセコ

そうなったらうれしいです。
内容的には、新しい道に進みたいとか、ちょっと休憩したいと思っている人の背中を押すことをコンセプトにしているから、多くの人にとって自分自身に当てはまるお話が出てくると思うんですよ。
そのときに自分の生活とこれからの人生とをリンクして受け取ってもらえたらと思います。

森田
うん、たくさんの人に響くと思う。
ナカセコさんの物語はポジティブでいた方がいいという押し付けもなく、かといってネガティブに寄ってもいない。みんな辛いこともあるよね、それでもがんばっているよねという励ましのメッセージが込められていると感じます。

ナカセコ
世相的には明るい方がいいみたいな風潮があるじゃないですか。でもそのときによって人の感情や状況はさまざま。楽しいときは楽しい、憂鬱なときは憂鬱でいい。そこからまた、前に進んでいく。私の作品においては、そんなふうに自分を肯定してあげられるような表現を意識しました。

対談

森田

自分を肯定できるってとっても大事なこと。
私も多くの『大人のおしゃれ手帖』読者の方と同じ50代なのですが、50代って体がすごく変化する時期だと思うんです。そうすると、寝たらすぐ元気になって体も軽快に動かせていた若い頃とのギャップに焦りが出てくる。でも、仕事や家庭、人によっては親の介護なども始まる世代なので、やるべきことが山ほど。
それでも前に進んでいるから大丈夫! と、背中を押してくれるような作品だと思うんです。

ナカセコ
ありがとうございます。
皆さんにひと息ついてもらえるようなきっかけになったらうれしいです。


今回の対談で紹介した『読める珈琲』は、クラウドファンディングのリターンとして販売中です。
普段絵本を読む方はもちろん、久しぶりに手に取ってみようと思った方にもおすすめ!
明日の活力になる一冊です。
興味を持った方は、「書店 有給休暇」が展開するクラウドファンディングのホームページをぜひチェックしてみてください!
https://readyfor.jp/projects/book-youkyu


「書店 有給休暇」
東京都国立市中2-3-2
※4月6日オープン予定


対談(写真左からナカセコエミコさん、森田樹優さん)

ナカセコエミコ
書評家/絵本作家/ブックコーディネーター。働く女性のための選書サービス 「季節の本屋さん」を運営中。著書に『COFFEE TIME -珈琲とめぐる毎日- 』『LEMON TIME ‐檸檬とつなぐ毎日‐』がある(ともにニジノ絵本屋)。2023年4月6日、東京都国立市に「書店 有給休暇」を開業予定。

森田樹優(もりたきゆ)
声優/声優養成所講師/ボイストレーナー。アニメや舞台、バラエティ番組のナレーションなど、多岐にわたり活動中。アニメ「あたしンち」(新田役)、「爆転シュートベイブレード」(ユーリ・イヴァーノフ役)ほか出演多数。自身の相棒であるくまのぬいぐるみ「リトルQ」の活動も行っている。著書に『月のブランコ』(ニジノ絵本屋)がある。


撮影/白井裕介
撮影場所/ニジノ絵本屋(東京都目黒区平町1-23-20)
構成・文/大人のおしゃれ手帖編集部 
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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