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大人のおしゃれ手帖 1月号

大人のおしゃれ手帖

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大人のおしゃれ手帖
2025年1月号

2024年12月6日(金)発売
特別価格:1420円(税込)
表紙の人:原田知世さん

2025年1月号

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「ニジノ絵本屋」代表・いしいあやさんに聞く
日常に絵本がある暮らし

ニジノ絵本屋

東急東横線・都立大学駅から徒歩数分のところに位置する「ニジノ絵本屋」。
こぢんまりしているけれど温かみのある店内には、代表のいしいあやさんがセレクトした絵本が並んでいます。
「絵本の楽しみ方は人それぞれ」と語るいしいさんが思い描く、絵本のある暮らしを伺いました。

アート感覚で絵本を選んでみる

ニジノ絵本屋

――外観の雰囲気はもちろん、絵本の表紙がずらりと並んでいる店内の陳列は圧巻です。
この置き方にこだわりがあるのでしょうか?

いしいあやさん(以下、いしい)
絵本は表紙がステキなものが多いので、ギャラリーのような雰囲気になるようにディスプレイしています。
多くの本屋さんは背表紙が見えるように棚差しで陳列されていますが、絵本の場合、背表紙だけが見えている陳列方法だと、どんな絵本か伝わりにくいと思ったんです。
「ニジノ絵本屋」をオープンしたのは11年前なのですが、 その頃からこのスタイルにしています。

絵本は、表紙が素晴らしい作品が多く、部屋に飾れば華やかな空間になったり、インテリア感覚でも日常に取り入れてもらいやすいので「絵本(本)のある暮らし」が叶えられるんです。だから、ただ読むだけで終わらせてしまうのはもったいないと思って。
「ニジノ絵本屋」ではほとんどの絵本の表紙を見せているので、部屋に置いたときのイメージが湧きやすいかもしれません。
まずは「絵本っていいかも?」と、少し興味が出てきたくらいのときに、アート感覚で絵本を選ぶおもしろさを感じてもらえるとうれしいです。

絵本の朗読体験が楽しめる記事はこちら


絵本がメッセージカードの役割に

ニジノ絵本屋

――「ニジノ絵本屋」には、人生経験を積んだ大人だからこそおもしろいと思える作品が多いように思います。
50代女性が来店されることもありますか?

いしい
ありますよ。来店してくださる方の年齢はとても幅広いですね。
自分の楽しみのために購入される方もいますが、ギフトとして絵本を選ばれる方もいます。メッセージカードを贈る感覚で絵本を渡すと、意外性があって話題にもなることがあるのでおすすめしています。

「ニジノ絵本屋」には、子どもが楽しめる作品ももちろんありますが、大人の心にぐっと響く絵本も多いです。
だから、「手紙を書くほどでもないけれど、ちょっとしたメッセージを贈りたい」というときに選んでもらっているのかもしれません。

ニジノ絵本屋で絵本を出版したナカセコさんと森田さんによる対談記事はこちら


「ニジノ絵本屋」代表・いしいあやさんに聞く
50代にも読んでほしい絵本3選

ニジノ絵本屋

「ニジノ絵本屋」では、大きさや形が異なる絵本が多数並んでいます。
今回は、代表のいしいさんが、店内に陳列された絵本のなかから50代におすすめの作品を3冊厳選。
これらの絵本は、「ニジノ絵本屋」の店舗とオンラインで購入が可能です。
それぞれの内容を少しだけご紹介します!

『トーメイくん』(ニジノ絵本屋)
著: 田辺アツコジョーンズ、絵: 田辺カリナジョーンズ、ロイ・ジョーンズ(写真左)

遠い国の古いお屋敷にひっそりと暮らす「トーメイくん」。
悪夢に悩まされる住人たちを助けるため、夜になると忘れさられた屋根裏部屋から、笛を手に降りてきます。
誰にも見えないはずなのに、ビバという女の子だけにはなぜか見えてしまい……。

この作品は、どんな人にも悩みや不安があるけれど、どこかで誰かが支えてくれることに気付かされる作品です。
文章が多めで一般的な絵本よりも読み応えがある絵童話。
読書習慣のある方におすすめです。

『ウラオモテヤマネコ』(KISSA BOOKS)
絵・文: 井上 奈奈(写真中央)

裏と表の世界を行き来できるヤマネコは、ある晴れた日に表の世界で美しい瞳の少女に出会います。
裏の世界に興味を持った少女に心惹かれたウラオモテヤマネコ。「戻れなくてもかまわないならば 裏の世界へつれていってあげるよ」といい、少女を連れ出します。
これがきっかけで、世界にある変化が訪れて……。

ミステリアスでどこか儚さを感じるヤマネコの姿と、ヤマネコからのメッセージに心が動かされます。
分け合いの精神が大切だと気づかされる一冊です。

『種をあつめる少年』(ニジノ絵本屋)
作:さわのめぐみ、絵:中村まふね(写真右)

どこかの星に生きる少し不器用な少年。
夜になるとレストランにやってきて、捨てられてしまう種を集めて持って帰ります。
新月の空に少年がまいた種の行方とは……。

ささいな驚きとやさしい気持ちに包まれる作品。
あとがきまでじっくり読むことで、物語が一層おもしろくなります。
銅版画をベースに制作された絵を眺めるだけで、癒やし効果が抜群です。


インテリアのひとつとして選んだり、ギフトとして贈ったり。
さまざまな楽しみ方を見出せる絵本。
お気に入りの作品を生活の中に取り入れてみませんか?


いしいあや
「ニジノ絵本屋」の代表。
書店経営のほかに、出版・イベント事業なども展開。絵本のおもしろさを広めるべく多方面で活動中。
自著に『ニジノ絵本屋さんの本』(西日本出版社)がある。
2022年より、本を読む習慣を身につけるために「みんなで本を読む時間を作ろう!」と「#真夜中0時の読書習慣」を、スタッフとともに企画。「ニジノ絵本屋」のInstagramアカウントで、毎週水曜日と土曜日の夜23時20分から実施中。
「ニジノ絵本屋」東京都目黒区平町1-23-20

撮影/白井裕介
構成・文/大人のおしゃれ手帖編集部 
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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