カテゴリー

人気タグ

大人のおしゃれ手帖 1月号

大人のおしゃれ手帖

最新号&付録

大人のおしゃれ手帖
2025年1月号

2024年12月6日(金)発売
特別価格:1420円(税込)
表紙の人:原田知世さん

2025年1月号

閉じる

記事公開日

最終更新日

この記事の
関連キーワード

大人のおしゃれ手帖
の記事をシェア!

【著者インタビュー】川上弘美さん
「60代になった自分の今の心境を描きたかった」
作品に込める思いとは?

大人のおしゃれ手帖編集部

この記事の画像一覧を見る(3枚)

自身の経歴とも重なる小説家の日々を描いた川上弘美さんの新作。
主人公を同世代にした理由、長く続けるために大切にしている日々のルーティンについてうかがいました。

60代になった自分の今の心境を描きたかった

「実は若い頃から、年配の女性が主人公の話を書きたかったんです。考えていたのは、60代の女性と30、40代の男性のロードムービーのような話。
でも20代の自分にはその年代の気持ちはわからないし、書いても嘘っぽくなってしまう。ようやく自分も60歳を過ぎて、時が来た! という気持ちで書きました」

そう話す川上弘美さんの連作集『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』の主人公・朝見は、60代の小説家。
彼女を中心に、同年代の登場人物達の日々の感情が、ときに恋愛を含めてリアルに描かれます。

「恋愛というのも不思議なものですよね。若い頃の恋愛は生物としての営みや若さゆえの勢いでもあるけど、年を取って誰かを請うというのは、いったいどんな気持ちなのか、その後はどうなっていくのか。それを書いてみたい気持ちもありました」

物語はフィクションですが、朝見の小説家としての考え方や生活は自身と重なる部分も。
「小説家を主人公にした小説やドラマはあるけれど、あまり現実的な職業としては描かれていないですよね。破天荒だったり、事件に巻き込まれたり…(笑)。
もちろん作家になるのは大変だけど、特別な仕事ではないと私は思っているので、地道な生活の内実を描きたかったんです。最近の作家は規則正しいし、健康にも気を遣っていますしね」

川上さん自身も10年前からバレエを始め、毎週レッスンに通っているそう。
「もともとは家が好きで、毎日本を読んでいるか、小説を書いているか…だったのですが、あるとき何にもないところで躓いてしまって。
この筋肉のおとろえはまずすぎる、と 〝大人バレエ〟に通い始めました。踊るというよりは、バーに掴まってプリエをしたり、簡単なステップを踏むくらいですが、楽しくてはまってしまって」

生徒は同年代から年上まで幅広い。教室でおしゃれな人を見かけて、参考にすることもあるそう。
「20〜30代は、自分はこれ! というのが決まっていたけど、最近は毎年似合う服が変わっていて、びっくり。
私の場合、50代はしっくりこなかったジーンズが、60代でまた着られるようになって。代わりに、よく着ていた黒が似合わなくなった。そういう変化も面白いですよね」

『恋ははかない、あるいは、 プールの底のステーキ』 川上弘美 ¥1,870(講談社)

『恋ははかない、あるいは、 プールの底のステーキ』
川上弘美
¥1,870(講談社)

東京で暮らす60代の小説家・朝見と、その友人たちが紡ぐ大人の愛の物語。コロナ禍の始まった2020年の執筆とあって、当時の世の中の変化がリアルに描かれているのも印象的です。「現在進行形で書くことで、コロナ禍の記録にもなるかなと考えました」

編集部のおすすめ

ホームメイドお菓子の楽しさが詰まったレシピ集

『別冊天然生活 はなのお菓子』 著/はな ¥1,650(扶桑社)

『別冊天然生活 はなのお菓子』
著/はな
¥1,650(扶桑社)

インターナショナルスクールで育った子ども時代から、独学でお菓子をつくり続け、多くのオリジナルレシピをストックしてきたはなさんによるレシピ集。ショートケーキやシュークリームといった定番から、富士山をモチーフにしたゼリーのようなユニークものまで、はなさん自身が「本当に食べたいお菓子」のレシピが収録されています。

“あの名曲”の訳詞が生まれるまでの誕生秘話も

『鈴木家の箱』 著/鈴木麻実子 ¥1,980(筑摩書房)

『鈴木家の箱』
著/鈴木麻実子
¥1,980(筑摩書房)

スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫氏の長女による初のエッセイ。10代で『耳をすませば』の主題歌「カントリー・ロード」の訳詞を手がけた経緯をはじめ、強烈なキャラクターの祖母との思い出、乳房縮小術を受けたこと…など、明るく率直なエピソードの数々から、人が集まる家だったという「鈴木家らしさ」が伝わってきます。


撮影/白井裕介 文/工藤花衣

大人のおしゃれ手帖2023年11月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

この記事の画像一覧

  • 『恋ははかない、あるいは、 プールの底のステーキ』 川上弘美 ¥1,870(講談社)
  • 『別冊天然生活 はなのお菓子』 著/はな ¥1,650(扶桑社)
  • 『鈴木家の箱』 著/鈴木麻実子 ¥1,980(筑摩書房)

この記事の画像一覧を見る(3枚)

この記事のキーワード

この記事を書いた人

大人のおしゃれ手帖編集部

ファッション、美容、更年期対策など、50代女性の暮らしを豊かにする記事を毎日更新中! ※記事の画像・文章の無断転載はご遠慮ください

執筆記事一覧

Instagram:@osharetecho
Website:https://osharetecho.com/
お問い合わせ:osharetechoofficial@takarajimasha.co.jp

記事一覧へ戻る

大人のおしゃれ手帖の記事をシェア!

関連記事