【お出かけ情報】「キュビスム」ってなに!?
いろんな発見満載!感性を刺激するおすすめ美術展3選
「キュビスム」ってなに!?
ひとつの作品からいろんな発見がありそう。リピートしたくなる展覧会
ピカソとブラックが20世紀初めに起こした芸術運動キュビスム。
日本初公開50点以上を含む主要作品がパリ・ポンピドゥーセンターから来日。
本格的なキュビスム展は、必見です!
日仏の代表的な美術館の共同企画で実現した本展は、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックの2人の天才画家の手から生まれたモティーフを幾何学的に構成する「キュビスム」にまつわるもの。
本展を担当する国立西洋美術館・特定研究員の久保田有寿さんに見どころをお伺いしました。
「パリのポンピドゥーセンターからキュビスムの重要作品が多数来日して、そのうち50点以上が日本初出品になります。主要作家約40人による絵画や彫刻を中心とした約140点を通して、20世紀美術の真の出発点となったキュビスムの豊かな展開とダイナミズムを紹介します。日本でキュビスムを正面から取り上げる展覧会はおよそ50年ぶりのことです」
久保田さんが推薦するのは、マリア・ブランシャールの作品。
「ピカソと同年生まれのスペイン出身の女性画家で、近年、キュビスムを代表する画家として再評価を受けています。
四角形や三角形の色面をちぐはぐにつなぎ合わせたようなこの作品には、よく見ると、フラフープを持つ女の子が描かれています。画面に文字を描き込むことはキュビスム絵画の手法のひとつで、ここでは、首元にフランス語で『BEBE(赤ちゃん)』の文字と、中央には『SOIS SAGE(いい子にしてね)』の文字が。
赤やピンク、水色など、明るい色調と装飾性が際立つ、ブランシャールの代表作の一点です」(久保田さん)
ピカソとブラックがキュビスムを進化させる「軌跡」が追体験できる展示など、半世紀ぶりの大キュビスム展は、見逃せません!
トップ掲載作品:Centre Pompidou, Paris, Musée national d’art moderne – Centre de création industrielle (Achat, 1951)© Centre Pompidou, MNAM-CCI/Bertrand Prévost/Dist. RMN-GP
教えてくれたのは・・・
国立西洋美術館 特定研究員
久保田有寿さん
早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。専門は20世紀西洋美術史。担当した展覧会は『ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』(2022年)など。
『パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展
―美の革命ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ』
場所: 国立西洋美術館
開催 :開催中~2024年1月28日(日)
開館 : 9:30~17:30 (毎週金・土は20:00まで)入館は閉館30分前まで
閉館 :月曜(10月9日、1月8日の祝日は開館)、10月10日(火)、12月28日(木)~1月1日(月・祝)、1月9日(火)
050-5541-8600(ハローダイヤル)
https://cubisme.exhn.jp
こちらの展覧会にも注目!
『特別展 生誕270年 長沢芦雪
―奇想の旅、天才絵師の全貌―』
伊藤若冲、曽我蕭しょう白はくとともに「奇想の画家」として国内外でも注目が高まる長沢芦雪。重要文化財の《龍・虎図襖》をはじめ、襖絵8作品が見もの。芦雪の描く愛らしい動物には子どもも大人も魅了されるはず。
開催中~12月3日(日)
大阪中之島美術館
https://nakka-art.jp/
『モネ 連作の情景』
クロード・モネの〈積みわら〉や〈睡蓮〉などをモティーフにした連作に焦点をあて、国内外40館以上から出品された代表作が見られる展覧会。時間と光とのたゆまぬ対話を続けたモネの生涯に思いを馳せて。
開催中~2024年1月28(日)
上野の森美術館
www.monet2023.jp
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