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2024年2月・3月合併号

2024年1月6日(土)発売
特別価格:1480円(税込)
表紙の人:吉田羊さん

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【小日向文世さん × 高橋克実さん】
「お互い、ここまでよく来たね」
舞台『海をゆく者』で初共演を叶えたふたりの特別対談

大人のおしゃれ手帖編集部

憧れ、見上げていた人と、いつしか語り合える仲間になる―そんなふうに年を重ねられたら、理想的。
大人だから実現できる交友関係、その充実を紐解く対談連載、今回は様々な作品で観る側に確かな感動を手渡してきた名優たちが登場。
上演中の舞台で意外にも初共演を叶えたおふたりが、思いを打ち明けました。


—「お願いします!」という気持ちで偉大な先輩たちをいつまでも追いかけたい

小日向文世さん(以下、小日向) そう、今までなかったんだよね、共演。

高橋克実さん(以下、高橋) コヒ(小日向)さんがレギュラーだった連続ドラマに僕が1話だけ出演したことがありましたけど、あの時は絡みがなくて。だから、この『海をゆく者』が本当に初めて。同じ事務所の浅野和之さん以外は、平田満さんも大谷亮介さんもお初です。

小日向 へぇー、意外だね。でも、交流はずっと昔からあったじゃない?

高橋 そうですね。ある時はコヒさんたちが出ていた舞台を東京で見逃して、新潟まで見に行って、その夜一緒に飲んで次の日に同じ新幹線で帰ってきたりとか。そんなふうに昔から親しくさせていただいている先輩たちですけど……でも、僕は緊張してますよ。だって、僕の中ではオール・レジェンドの夢みたいなキャスティング!ずっと憧れていたその中に、自分が入るんですから。

小日向 まあ、高橋くんは僕らよりも7つ8つ若いんだもんね。ただ、僕はまったく違和感がなかった。稽古を始めても、やりにくいとか意外だとかは一切なくて、もう何度も一緒にやってきた気分。高橋くんは平田さんのお兄さんの役だけど、声が低くて迫力があるから「あ、全然心配ないな」って思った。いちばんしゃべる役だし、目の見えない人だから動きも大変だとは思うけどね。僕らは、何といっても3回目だし。

高橋 そうですよ、まだ全然追いついていなくて、もう全部が不安で。でもこの間、戸田恵子さんにLINEで叱られました。「レジェンドレジェンドって、言っとくけどあんたもいい歳なんだから」って。

小日向 アハハハ! そりゃそうだ。

高橋 20代の頃からずいぶん上の先輩だと思っていて、昔はこんなふうにお話しもできなかったんですけど……でも、なんなんですかね。年を重ねていくと、なぜか距離が縮まった気がするというか。年齢差は変わらないのに、距離は近づいてきた感じもするんです。

—反発しあった日々も、今は遠い昔。仲間といられることが素直にうれしくて

小日向 この作品がまた、いい作品なんだよね。高橋くんを含めた4人は決して恵まれた環境にいる人たちじゃないんだけど、傷を舐め合うように一緒にいて、ささやかなことで大喜びしたりお互いを罵倒しあったりして、すごく人間らしい。僕はそこにやってくる役で、ちょっとファンタジーが入っているのも面白くて。それでまた、このメンバーだからね。初演よりも再演よりも、今回、僕はやりながら「あぁ、この年までよく現役でやってこれたなぁ」ってしみじみ感じてる。若い頃は役者同士で反発しあった時期なんかもあったけど、この歳になるともう遠い昔の話で、「あの時はお互い、突っ張ってたよなぁ」なんて。

高橋 そうですか。僕は基本、怠け者で、競争するのが本当にダメだったから「この役を勝ち取るぞ!」なんていう根性がまったくなかった。だから、コヒさんとは違った意味でよくここまで来たなぁと思っています。今はどこの現場に行ってもいちばん年長だったりするんですが、ベテランなんて呼ばれると「いやいやいや、俺の何を知ってるんだよ!」と言いたくなりますよ(笑)。先輩たちに囲まれている今回は、いつもとぜんぜん気持ちが違いますね。

小日向 フフフ。作品の中に「お前は生きてるんだ」ってセリフがあるんだけど、あれ、今回はとくにジーンとくるんだよね。本当に、生きてるってことがどれほど素敵なことなのか……うれしいし、同時に、何とも言えない気持ちにもなる。だってこの公演の前後で、平田さん、俺、浅野、大谷は全員古希になるんだから。「もうそんなに長くないんだな、俺たち」って(笑)。

高橋 いやいやいや!

小日向 あと10年したら80で、20年で90……だから、次に再演する時は高橋くんだけ残して、あとは若い人でやるといいよね。

高橋 そんな、昔の70歳とは違うんですから、置いていかないでください(笑)。僕としてはずっと「お願いします!」って気持ちで、いつまでも偉大な先輩たちに乗っかっていきたいんです。

〔 舞台 〕
『海をゆく者』

アイルランド・ダブリンの街の片隅でくすぶる4人の男たち。クリスマスイブに現れた奇妙な男とポーカーで勝負を始めるが、賭けるのは……。2009年、14年と再演を重ねた芸達者たちが火花を散らす言葉のゲームは「演じながら思わず聴き入ってしまいます」と新加入の高橋さん。12月の東京公演に続き、年明けには新潟、豊橋、岡山、福岡、広島、大阪へ巡演。

作 コナー・マクファーソン 翻訳 小田島恒志 
演出 栗山民也
出演 小日向文世 高橋克実 浅野和之 大谷亮介 平田 満
※2024 年1月に新潟、愛知、岡山、福岡、広島、大阪公演あり


俳優・小日向文世
1954年生まれ。77年にオンシアター自由劇場に入団以降、40年以上にわたり数々の舞台に出演。映像でも存在感を発揮し、最近の出演作にドラマ『下剋上球児』、映画『大名倒産』ほかがある。

俳優・高橋克実
1961年生まれ。小劇場活動を経て90年代より映像に出演。バラエティでも人気を得る。近年の出演作に舞台『帰ってきたマイ・ブラザー』『橋からの眺め』、映画『向田理髪店』など。


撮影/徳永 彩[kiki.inc] スタイリング/石橋修一(小日向さん), 中川原 寛(高橋さん)
ヘアメイク/小山徳美  文/大谷道子

大人のおしゃれ手帖2024年1月号より抜粋
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