【リリー・フランキーさん】「いろいろやってきたことが、ひとつのことにプラスになっている」/映画『コットンテール』インタビュー
出演作も客観的に作品として観る
妻の明子を演じた木村多江さんとは、映画『ぐるりのこと。』以来16年ぶりに夫婦役で共演。息子の慧には錦戸亮さんが、兼三郎が旅先で出会う農場主には、『ベルファスト』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたキアラン・ハインズがそれぞれ扮しています。
「16年ぶり、そんなになるんですね。あの映画の夫婦感は、自分のなかに刷り込まれています。あのときの木村さんはメンタルをやられていた役だったけど、いまはそんな奥さんを介護していると(笑)。キアラン・ハインズとのシーンはセリフがすべて英語でした。兼三郎は英語教師もしていたけれど、海外で暮らした経験はない。流暢であっては変だけど会話が成立しなきゃいけない、というのが難しかったですね。錦戸くんは昔から抑えた芝居がすごく上手。真面目で、口には出さずにずっと辛抱してきた息子の佇まいがよかったですね」
出演した作品は客観的に観られない。そんな俳優さんは多いが、リリーさんは違います。どんな作品でも自分の芝居チェックになることはなく、映画として観る。それは「映画に出ている時間より、観る時間の方が圧倒的に長いからじゃないですかね」というのもリリーさんらしい。
「今回は、台本から想像した風景とは異なる映画になっていて、それがとても面白かったです。撮影の仕方は、かなり特殊で。過去のシーンはどんなに短くてもレールを敷いて、三脚を立ててカメラを回して几帳面に、現在のシーンは撮影監督がカメラを担いで、ほとんどテストもせずにライブ感を活かして撮影していました。その効果は、出来あがった作品を観ないとわからないですよね。それで、なるほどって。映像的な棲み分けがなされ、観ていて感覚的に伝わるものがある。改めて、才能のある監督だと思いました」
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