中村倫也さん「誰かと出会って感じたこととか、味とか匂いとか。“定規の目盛”が細かいほうが人生は楽しい」/新刊『THE やんごとなき雑炊』インタビュー
チームとのものづくりは、引っ張るよりも背中を押せるように
今回の本は中村さんが料理を習いながら先生と交わす会話や試食の風景、現場の空気感を描いた担当記者の文章も魅力のひとつ。″読める料理本″という試みだっただけに、改めてチームでものを作り上げる面白さを実感したそう。
「一人で何かを作るって、やりがいはあるかもしれないけど、自分の想像の域を超えない。芝居もそうですが、誰かと掛け算をしたほうが、最大値がより大きくなる。思ってもいなかった場所に連れてってもらえるんです。だから人と一緒に作ったほうが楽しいんですよね」
読者世代にとっては、チームと一緒に作る楽しさもあれば、率いる大変さも感じているかもしれません。主演としてカンパニーを引っ張る立場が増えた中村さんにとって、チームをまとめるうえで心がけていることとは?
「引っ張ろうとしないこと。
ですが、ささやかなところからやりがいを見出してもらえるようにアプローチしているかもしれません。役者の現場は、いろんな世代、いろんな立場、いろんなセクションの人がいて。どんなことでやりがいを感じてくれるかは、それぞれの立場で違いがあるし、関わり方も無数だけど、小さい声がけや配慮一つが『今日も頑張ろう』という気持ちにつながったらいいなと思いながら現場にいるかな。その前向きな気持ちの積み重ねで、その現場が終わったあとに、いい思い出として残ると思うから。自分もかつてそうしてもらってましたし、『ちゃんと見てくれている』ことに気づいた時、嬉しかったですから。率いる立場になった時はそうしたいですし、失敗もどんどんしていいという空気感も作っていきたいですね」
この記事を書いた人
ファッション、美容、更年期対策など、50代女性の暮らしを豊かにする記事を毎日更新中! ※記事の画像・文章の無断転載はご遠慮ください
Instagram:@osharetecho
Website:https://osharetecho.com/
お問い合わせ:osharetechoofficial@takarajimasha.co.jp