中村倫也さん「誰かと出会って感じたこととか、味とか匂いとか。“定規の目盛”が細かいほうが人生は楽しい」/新刊『THE やんごとなき雑炊』インタビュー
「記憶」を「記録」として残すことで、手触りのある人生になる
料理は口だけでなく、目も鼻も耳も手も使って味わうもの。五感が働いているからこそ、記憶を呼び覚ますスイッチになると中村さんは言います。
「料理を作りながら、小学校の時の家族旅行や母親と作ったホットケーキを思い出したり。料理って、記憶を記録として残すことにもなるんですよね。だからこのレシピがきっかけになって、誰かとの記録が増えればいいなと思います」。
さらに最近は、昔のことを思い返すようにしていると中村さん。
一つひとつの感覚ごと思い返すことで、もう一度、記録として残したいと。
「役者の仕事をしているからってこともあると思うんですが、感覚の手触りを残すって大事なんですよ。
それに昔を思い返すと、単純に頑張ろうって思いませんか。昔の自分が今の自分を見て励ましている感覚にもなりますし。
辛かったこともよかったことも記録しておくことで、幸せも見つけやすくなると思うんです。だから定規の目盛を増やしてどんどん細かくする感覚で、細かく記憶を記録していきたい。誰かと出会って感じたこととか、味とか匂いとか、触った感触とか、一つひとつの感覚を確かめながら思い起こすことで、頭に記録するんです。そして、今があって昔があるわけで、そう考えると今どう生きるかも変わりますよね。手触り感を持って生きることで、後からその時の感覚を鮮明に思い出せる。それが細かいほど、人生は楽しいじゃないですか」。
最後にお母さんの味の記憶が記録となったレシピを聞いてみました。
「小さい頃の美味しい記憶って単純で、『〜丼』みたいな簡単レシピなんですよ。それよりも、冷蔵庫の中にいつも出汁のストックがあったことを思い出しますね。麦茶と思って飲んだら出汁だったってことがよくありました。つまりそれが記録されているから、今の食の好みになっているんだなと思います」
PROFILE
中村倫也
1986年、東京都生まれ。俳優。2005年デビュー。舞台、映画、TVドラマなど幅広く活躍。映画『ミッシング』が2024年5月17日に公開のほか、劇団☆新幹線44周年興行夏秋公演いのうえ歌舞伎『バサラオ』(2024年7月~10月公演)への出演を控えている。著書にエッセイ集『THE やんごとなき雑談』(KADOKAWA)がある。
『THE やんごとなき雑炊』(KADOKAWA)
料理好きとしても知られる、俳優・中村倫也が“雑炊”を作りながら“雑談”し、その料理過程からイマジネーションしてショートエッセイを執筆する……。「雑炊×雑談×俳優」という斬新すぎる(?)誌面で、発表当初ファンをざわつかせたという連載企画「中村倫也のやんごとなき雑炊」が待望の書籍化! さらに書籍購入いただいた方への特別特典として、期間限定でその中村さん考案のレシピ回の調理&取材風景が見られる動画も特別公開。見逃せない1冊です。
【※購入特典:指定サイトへアクセスしパスワードを入力して視聴する形式です。なお、紙本の特典のため、電子書籍ではご覧になれません。視聴は2025年3月15日23:59まで】
ニット¥49,500 SHOOP、シャツ¥44,000、 パンツ¥26,400/ともにATTACHMENT (すべてSakas PR)
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Sakas PR(サカス ピーアール) 03-6447-2762
撮影/松木宏祐 スタイリスト/戸倉祥仁(holy.) ヘアメイク/松田陵(Y’s C) 文/竹田理紀(ミネヲ舎)
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