【永作博美さん】「続けること自体に固執しなくていい。変わっていく時代に軽やかに合わせていけば、きっともっと楽しくなる」/Amazonオーディブル『サファイア』インタビュー
朗読をすることで感じた、湊かなえ作品からあふれでる優しさ
2016年1月に放送された女性作家の短編小説を映像化したオムニバスドラマの一作、『サファイア』に収容されている「ムーンストーン」の主人公を演じたことがある永作さん。今回、どの短編が印象に残ったのでしょうか。
「大人のファンタジーが好きなので、幻想的な物語の『ダイヤモンド』かな。あとは、一度『ムーンストーン』を実写ドラマでやらせてもらったので、それを朗読として読んだらどういう感覚になるのかなって興味もあり、印象に残っています。実際、ドラマのときと全然違う感覚をたくさん味わえました。当時は原作を読んで、脚本も読んで、役者としてはお芝居の基本となる脚本の方が印象が強くて、この人物をどう動かそうかと考えながら読んでいたので、今回は全然印象が違いましたね」
そして、朗読することで改めて感じた、湊かなえ作品の魅力もあったそうです。
「一読者として作品を読ませていただいているときは、衝撃的な出来事や言葉が強く、鋭利な印象の作品だったのですが、朗読をしながら読んでみたら、とても優しくて、難しくない言葉をたくさん使われているんだなっていう印象が残りました。
読書として文字を追っているときって、先が読みたいと読み急いでしまうんですよね。朗読をする際は一字一字噛み締めながら、状況を想像しながら読むことになるので、より作品の世界観を体感できます。声に出して朗読をしたときに、物語の奥の方にあったような優しさがあふれてきたというか。湊さんは、本来はきっとこちらを書きたいんだろうなっていうのが見えてきたような気もしました。
それから役者として、朗読し、描写を読みながらセリフも読むというのは、演じるうえでのヒントをたくさんもらえてる気がして、すごく楽しかった。自分が役者として脚本を読む際、セリフとト書きで作っていきますが、台本に情景を書き込んだらもっと膨らむような気がしましたね。例えば喫茶店ひとつとっても、どういう喫茶店なのか、どこに座っているのか? 私は普段から絵を想像し、語りとかも想像しながら読むんですけど、そこからさらに色をつけて、匂いをつけて、天気もつけていくなど、お芝居をするときももっともっとやれることがあるんだと、できることが膨らんでいくような嬉しい感覚がありました」
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