2022.12

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吉田 羊さんが巡る加賀越前〜前編〜

大人のおしゃれ手帖 吉田 羊さんが巡る加賀越前〜前編〜

麗しい手仕事、口福な料理好奇心が満たされる旅へ―

今年でデビュー25周年を迎えた吉田羊さん。
メモリアルイヤーにふさわしく、加賀越前エリアの6つの町を巡る雅な旅にお誘いしました。

石川県と福井県の県境に広がる加賀越前エリア。
海と山に囲まれた美食の宝庫であり、歴史ある町並みや温泉、伝統工芸も有名です。

「実は20歳ぐらいの頃、半年ほど金沢に住んでいました。この旅で再訪が叶った場所もあり、ご縁を感じます」と羊さん。

今回はじっくり来てみたかったという加賀を拠点に、福井も周遊し、自然や文化を満喫しました。 
11月6日にはカニ漁も解禁になり、食の楽しみも広がる北陸。

1年の締めくくりや新年に訪れたい、美食と名湯に憩う加賀越前の旅へご案内します。

(写真・上)山中温泉の鶴仙渓にかかる黒谷橋。松尾芭蕉が「行脚の楽しみここにあり」と称賛した景色が広がる。

加賀

文人墨客も愛した加賀温泉郷で歴史と伝統に触れる

北陸有数の温泉地である石川県加賀市。

なかでも、加賀温泉郷随一の規模を誇る山中温泉は、山中漆器の産地としても有名で、温泉街にはモダンな漆器を扱うお店が軒を連ねます。
器使いが素敵な宿や飲食店も多く、羊さんは山中漆器を使った和のアフタヌーンティーを堪能しました。
一方、山代温泉では、この地を愛した北大路魯山人の足跡をたどる歴史散歩を。
若き魯山人が作陶を学んだ九谷焼の窯元や、住居兼工房だった「魯山人寓居跡 いろは草庵」を訪れました。

花紫

美しい渓谷の緑に抱かれて優雅なティータイムを

創業120年の老舗旅館。
今年7月にロビーを全面リニューアルし、新しくなった茶房では和のアフタヌーンティーが楽しめます。
ショップでは、地元の名店とコラボしたオリジナルのお菓子や調味料、漆器も購入できます。

【住所】石川県加賀市山中温泉東町1-ホ17-1
【電話】0761-78-0077
【営業】アフタヌーンティー12時~  
または12時30分~(2時間制)
【定休】無休

風光明媚な渓谷「鶴仙渓(かくせんけい)」のほとりにあり、茶房は景色を眺める特等席。 

1日2組限定の和のアフタヌーンティー¥5,000。
山中漆器のトレイに軽食や和のスイーツが並ぶ。3日前までの完全予約制。 

ドリンクは日本のお茶を中心にラインナップ。
茶葉を見て選べて、それぞれに合った淹れ方で味わえる。

九谷焼窯元 須田菁華

九谷焼の伝統美に魅せられる魯山人ゆかりの名窯へ

魯山人が作陶の手ほどきを受けた九谷焼の窯元。
4代目になった今も、蹴ろくろと登り窯を使う製法を守り継いでいます。
「蹴ろくろを使うと器の線がやわらかくなるんです」と須田さん。
使うほど愛着が湧く器に出会えそう。

【住所】石川県加賀市山代温泉東山町4
【電話】0761-76-0008
【営業】9時~17時
【定休】不定休

創業は1891年。ショップ兼ギャラリーには、湯呑や茶碗、酒器、香炉など、幅広いアイテムが並ぶ。
入り口には魯山人が彫った刻字看板も。

九谷焼らしい華やかな器のほか、シンプルな染付の器も充実。
料理の和洋を問わず使えて人気。

色絵向付。紙風船をヒントにした遊び心あふれるデザイン。

部屋には花を欠かさないという羊さん。
須田菁華には大小さまざまな花器があり、目を輝かせて見学。

小松

丁寧な暮らしが根付く里山で大地の恵みと原風景に和む

加賀に隣接し、「北陸の空の玄関口」として親しまれる石川県小松市。
空港から少し行けばのどかな里山が広がり、移住先としても注目されています。
滝ヶ原地区には、移住者たちが始めた「TAKIGAHARA FARM」があり、古民家と石蔵を改装した宿やカフェ、クラフト工房などで暮らすように過ごせます。
小松には奈良時代に開湯した北陸最古の温泉「粟津温泉」もあり、ほとんどの宿が自家掘りの源泉を持っているのが特徴。
泉質は酸性が強い芒硝泉で、角質を軟化させることから、美肌の湯としても有名です。

TAKIGAHARA CAFE

小さな集落に佇むカフェで里山の恵みを味わう

空き家だった古民家を改装して誕生。敷地内には菜園もあり、鶏やヤギも暮らす。
地元のそば粉で作るガレットを中心に、近隣で採れる野菜を取り入れた体にやさしい料理を提供。
自家製の酵素シロップを使ったジュースも好評です。
店内には漆器や陶磁器、ガラス製品を扱うギャラリーも。

【住所】石川県小松市滝ケ原町タ-2
【電話】0761-58-0179
【営業】10時30分~18時
【定休】不定休
【URL】https://takigaharafarm.com/

緩やかな時間が流れる店内でリラックス。窓の外にはシラサギの姿も。

リビングのようにくつろげる空間。

たっぷりきのことホワイトソースガレット¥1,000。
有機栽培のシイタケや野菜がたっぷり。

西出酒造

家族だけで酒造りを行うアットホームな蔵元

創業は1913年。4代目で人手に渡った蔵を5代目が買い戻し、2014年に再スタート。
創業当時の銘柄「春心(はるごころ)」も復活させ、地元の有機米を使い、
昔ながらの製法にこだわった究極の地酒造りを行っています。
毎週水・土曜は「蔵CAFE ぐるり」がオープン。
酒粕チーズケーキや仕込み水で淹れるコーヒーが味わえます。

【住所】石川県小松市下粟津町ロ24
【電話】0761-44-8188
【営業】9~16時
【定休】木・日曜

木造の建物を守り継ぎ、蔵付き酵母を育てる。

酒粕を使ったくずバー¥250。

日本酒飲み比べ・おちょこ3種¥300。
右から、双子の看板猫をデザインした「もろみー」、代表銘柄「春心」、5代目の名前を冠した「裕恒」。

永平寺

禅の文化が息づく町で心と体を整える

福井県永平寺町は三方を山に囲まれ、県内最大の河川・九頭竜川が中央を流れる広大な自然に抱かれたエリア。
禅修行の最高峰と言われる「永平寺」もあり、禅の町としても有名です。
今年6月には、福井の〝えしこと(良いこと)〟を発掘し、食や空間を通じて楽しめる複合施設「ESHIKOTO」がオープン。
九頭竜川を見下ろす約1万坪の敷地に、レストランとショップ、酒貯蔵セラーが誕生しました。
レストランの朝食も好評で、すがすがしい朝の景色にも心が洗われるよう。
食後は永平寺をお参りして、心と体を整える一日に。

acoya

九頭竜川を眺めながら福井の食と地酒を堪能

地元の人気酒蔵「黒龍酒造」が手がける施設「ESHIKOTO」内のパティスリー&レストラン。
フレンチをベースに、永平寺のフィルターを通した朝食やランチが味わえます。
ティータイムにはパフェなども用意。

【住所】福井県吉田郡永平寺町下浄法寺12-17
【電話】0776-97-9396
【営業】平日 11時30分~17時、 土・日曜、祝日 8時~17時
【定休】水曜、第1・第3・第5火曜

高台に立つショップ&レストラン「酒樂棟」は、九頭竜川を見下ろす眺めが抜群。

土・日、祝限定のモーニング¥2,500(ドリンクバー付き)。精進料理風に膳で提供。

「黒龍酒造」のお酒をテーマにした焼き菓子も販売。写真は黄金梅酒CAKE¥3,300。

大本山永平寺

山深く厳かな禅の道場で心の声に耳を傾ける

鎌倉時代に開創された曹洞宗の大本山。
33万㎡の境内に70を超えるお堂と楼閣が点在し、なかでも修行に欠かせない「七堂伽藍」と呼ばれる7つの建物は見応えがあります。

【住所】福井県吉田郡永平寺町志比5-15
【電話】0776-63-3102
【営業】8時30~16時30分(季節により変更あり)
【定休】無休

著名画家144人による230枚の日本画が圧巻の「傘松閣」。
156畳敷きの大広間を埋め尽くす天井画は花鳥風月がモチーフで、
そのうち5枚だけ、鯉、唐獅子、リスの絵が隠されている。 

参道には杉の巨木が立ち並び、苔むした庭も美しい。


撮影/枦木 功[nomadica] スタイリング/梅山弘子[KiKi.inc.] ヘアメイク/Otama 文/田辺千菊[Choki!] 協力/志田朝美

大人のおしゃれ手帖2022年12月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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