2023.01

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アートに会いに
『面構 片岡球子展 たちむかう絵画』

ただ姿かたちが似ているだけではなく、その人となりまで写すような肖像。
片岡球子の視線を通して、あの人の内面を覗けるかも。


歴史上の人物に魂が宿る迫力のある日本画の「顔」

片岡球子〈1905(明治38)年ー2008(平成20)年〉は、昭和から平成にかけて活躍した日本画家。
1989(平成元)年には女性画家で3人めとなる文化勲章を受章しており、「日本三大女流画家」のひとりと称されることも。
その独特で大胆な構図、鮮やかな色彩の作品で、日本画の新たな可能性を拓いた画家として評価されています。

本展は、足利尊氏や葛飾北斎など、歴史上の人物を独自の解釈で表現した、片岡のライフワークでもあった「面構(つらがまえ)」シリーズから大作が集結。

なかでも学芸員の大塚さんが見るべきとして挙げたのは『面構 葛飾北斎』。

「面構の江戸期浮世絵師をテーマにした最初の作品で、以降浮世絵師をさまざまに描き、その反骨精神や19世紀の西洋美術に与えた影響など功績の大きさを片岡は実感していました。

この作品について片岡は、『富士は雄大無比、赤富士の裾野にかけて北斎の描いたようなうずまき雲が行儀良くならんでいるのをみると、北斎と一緒に写生をしている気持ちになります』と語っています。

赤富士は神々しい姿で背景にそびえ、前景に老練な北斎を描きその偉業を際立たせているのです。富士と北斎は片岡にとって特別な存在。そして会場で『面構』の大作から強い力も感じてほしいのです」(大塚さん)

トップ掲載作品:面構 葛飾北斎 1971年 再興第56回院展出品作 神奈川県立近代美術館蔵

教えてくれたのは・・・
そごう美術館 主任学芸員
大塚保子さん
1999年に閉館したセゾン美術館にて北京故宮博物院展、横山操展などに携わり、2015年よりそごう美術館にて那波多目功一展、西田俊英展など日本美術院作家シリーズを企画担当。

『面構 片岡球子展 たちむかう絵画』

場所:そごう美術館
開催 :2023年1月1日(日・祝)~1月29日(日)
開館 :10:00~20:00(入館は閉館の30分前まで)
※1月1日(日・祝)は18:00閉館 
※そごう横浜店の営業時間に準じ、変更になる場合あり。
閉館 :会期中無休
045-465-5515
https://www.sogo-seibu.jp/common/museum/

こちらの展覧会にも注目!

『米倉壽仁展 
透明ナ歳月 詩ポエジイ情のシュルレアリスム画家』

第一次世界大戦後のフランスから世界中に広がったシュルレアリスム(超現実主義)に独学で取り組んだ画家で詩人の米倉壽仁。
激動の20世紀を通して創作活動を続けた氏の作品と、当時の日本の画家たちが影響を受けたダリやエルンストらの作品も併せて展示。
開催中~2023年1月22日(日)
山梨県立美術館
https://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/

『諏訪敦「眼窩裏の火事」』

緻密で再現性の高い描写が特徴の諏訪敦。
丹念な調査、過剰ともいえる取材で、亡き人の肖像や過去の歴史的な出来事などに迫り描く。
本展では、終戦直後に病死した祖母をテーマにしたプロジェクト《棄民》、コロナ禍のなかで取り組んだ静物画などの作品群を展示。
12月17日(土)~ 2023年2月26日(日)
府中市美術館https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/tenrankai/kikakuten/2022_SUWA_Atsushi_exhibition.html


大人のおしゃれ手帖2023年1月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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