ランニングを長く楽しむ方法とは?
ケガなく、無理なく続けるためのコツ
季節の移り変わりとともに、循環する草花。必要な水分と養分を蓄え、美しく咲き、また土へと還り、その花それぞれの季節を待つ。
そんな花のようにありのままに生きる知恵を身につける連載。
初回の対談で、大人世代のゆらぎの季節にはココロにもカラダにも運動習慣が万能と学んだ平井さん。
今回はランニング専門のパーソナルトレーナー・三浦直樹さんを訪ねました。
ランニングは今日からでも始められる運動だからこそ、ケガなく、痛みなく続けるためのコツを伺いました。
お話を伺ったのは・・・
三浦直樹さん
ランニング専門パーソナルトレーナー。30歳のときに母親がパーキンソン病を患い、介護生活を送るなかで、「健康とは“あたりまえ”ではない」と意識するようになり、ランニングを開始、フルマラソンに挑戦する。以降、人の体や健康に携わる仕事をしたいと決意。2012年、母親の死をきっかけに勤めていた会社を辞め、代替医療に関わる、整体師やカイロプラクター、パーソナルトレーナーなど、多数の専門資格を取得。13年、整体サロンを開業後、ランニングトレーナーとしても活動を開始する。代替医療の知識をもとに一生涯ランニングを楽しむための体づくりと走り方のメソッドを考案。国内でも数少ないランニング専門のパーソナルトレーナーとして指導を行っている。https://runrough.com/
平井さん(以下、平):実は最近私も走り始めたんです。始めたはいいのですが、まあ、走れない!(笑)
三浦さん(以下、三):どれくらい走ってるんですか?
平:坂道と平坦な道を組み合わせて、20〜30分くらい本気で走って。でもそのあとが続かない…。
三:結構走れてますよ。運動されてない方は、それこそ5分走るのも大変ですから。体を動かしていくうちに、血液や酸素の供給が活発になって、動くのが楽になっていきます。そこから20〜30分動くと、今度は心肺機能、筋持久力が必要になってくる。それは続けていくうちに勝手に養われていくので、気にしなくていいですよ。
平:でも、走っていると右膝が痛くなったり、腕の振り方がわからなかったり。
三:僕のところにも、そういう相談は多いですね。
平:そもそも、この仕事を始められたきっかけはどんなことだったんですか?
三:実は陸上出身者ではなく、部活はサッカー部でした。大人になってから、サッカーを再開して。でも、昔のように動けない自分が悔しくて、体力をつける意味でジョギングを始めました。そんなときに、母親がパーキンソン病になって。理学療法士さんがリハビリにつき添う光景を見て、これは自分でもできるなと。そこから勉強をし始めて、まずは整体師になったんです。
平:体に関する知識も持たれているんですね。
三:そんな中で知り合った方に、「ランニング教えられませんか?」と。整体師としての知識と合わせて教えていたら、そこに需要があったというか。当時は距離を長く、タイムを短くする指導が多かったけど、求められていたのはもっと日常的な健康のためのランニングだったんですよね。
ランニングを続けるコツは「気持ちがいい!」という感覚
平:走る距離や時間に決まりはあるんでしょうか。
三:最初は距離もタイムも気にせず、走りたいときに走れるだけで大丈夫です。
平:じゃあ、私のような感じでいいんですね!
三:「今日は何キロ」と決めちゃうと、つまらなくなっちゃうんですよ。生徒さんにもよく言うんですが、「ランニングが目的になってませんか」と。始めたとき、ランニングは手段だったはず。健康になりたいとか、減量したいとか。でもハマりすぎると、走ることが目的になる。特に日本人は真面目なので、距離やタイムを追求し始めちゃう。ランニング=体育の授業、という文化もあるので。
平:3キロ何分で走らなきゃ、みたいな。
三:海外ではそういう文化はないんです。走ること自体を楽しんでいます。僕は生徒さんに「毎日走らないでください」って必ず言うくらい、楽しいという気持ちのほうを大切にしています。雨の日にももちろん走る必要はありません。
平:体が疲れているのに、走る必要もないですよね。
三:トレーニング効果もほぼないです。ぐっと我慢して休んで、「次に走りたくてたまらない」くらいの気持ちを持って、晴れた日に走るほうが断然いいです。
平:気持ちのいい状態で走って、長く続けられていれば、その気持ちを思い出してまた走れるってことですね。
三:そうです。ルーティーンが崩れて、走りたくなくなるという理由はそこにないはずです。もともと、走ることに対するモチベーションが下がっているときに、例えば雨の日になったりして、理由づけで辞めちゃう。それって、ランニングが目的になっている人に多いんです。
季節ごとの風景、 気持ちのいい時間を楽しんで
平:楽しく走るコツとして、例えば季節ごとにコースや走る時間を替えてもいいですか?
三:走るコースは毎回一緒じゃなくてもいいですし、夏場は熱中症になるので昼間は走らないほうがいいですね。
平:朝と夜だったら、どっちのほうがいいとかはありますか?
三:ダイエット目的だったら朝。朝体を動かすと、代謝のスイッチが入るので。そして一度入った代謝のスイッチは、寝るまでずっと持続していきます。その目的以外なら夜。朝よりも夜のほうが体は動くので、トレーニングに適しています。
平:ちなみに、春や秋だったら何時ぐらいに走るのが先生は好きですか?
三:9時からお昼にかけて。例えば真冬なら、午後。太陽が上がりきってからのほうが寒すぎず、気持ちよく走れますね。その時々、自分が気持ちいいなと思う時間を見つけて走るのが、いちばん楽しめると思います。
平:やはり気持ちですね。
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