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大人のおしゃれ手帖 12月号

大人のおしゃれ手帖

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大人のおしゃれ手帖
2024年12月号

2024年11月7日(木)発売
特別価格:1650円(税込)
表紙の人:天海祐希さん

2024年12月号

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ランニングを長く楽しむ方法とは?
ケガなく、無理なく続けるためのコツ

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走るときに意識するポイントをまずは頭で理解して

三:まず、ポイントは足の裏。歩くとき、走るとき、足の裏と地面がどうつき合うかで、体にかかる負担が変わり、体全体の動きも変わります。まず、親指の下あたりの母指球、小指の下あたりの小指球を確かめます。さらに脛骨から下がって、かかとの骨を頂点にして、母指球、小指球の3点を結びます。この三角形で地面を捉えてほしいんです。

平:足裏の3点が地面に着いているイメージですね。

三:足裏に意識を持たずに着地すると、足の内側か外側のどちらか一方に体重がかかってしまい不安定になる。それを膝で支えることになり、膝を痛める原因になるんです。

平:アヒルの足みたいにペタッと着く感じでいいんだ。

三:それから大切なのは足の人差し指を正面に向けること。親指を正面に向けると、足が外側を向いちゃう。「人差し指が正面」を意識して、歩くときも走るときも、足を股関節から前後にまっすぐ動かしましょう。

足裏の逆三角形を意識して

母指球、小指球、かかとの3点を意識して大地を捉える。
足裏を痛めることなく、走り続けるポイント。

人差し指を正面に向けて

親指ではなく人差し指が正面を向いていることを意識。
まっすぐに走れるようになる。

後ろ足をエンジンに

後ろ足をエンジンに後ろに蹴る足で体を前に押し出す。
そして体の真下で着地するイメージで走る。歩幅は小さく、だから疲れない。

走るときの姿勢で体が楽になる

三:次に姿勢。いい姿勢とは、横から見ると、耳、肩、骨盤、膝、くるぶし、このラインがまっすぐであること。

平:腰を曲げるような前傾姿勢じゃなく、起き上がって走るんですね。

三:走るときも、普段の姿勢も体が前のめりになりがち。だから、前足のつま先に体重がかかり、膝、太腿に力が入る。それも痛める原因です。そもそも前腿は動きをストップするときに使う筋肉で、体を前方に動かすのは裏腿やお尻。後ろ足で地面を蹴ることで体を前に運ぶ。意識して歩いてみてください。

平:ほんとだ! 蹴る足を意識すると、自然と体が前に運ばれます!

三:そして、蹴った足を着地させるとき、体の真下で着地することを意識して。そう、ほら、走りやすい!

平:足はあまり上げなくていいんですね。そして、大股で走る必要はないんだ。

三:そう。頭を使って走ってみてどうですか?

平:無駄な動きがなくなった気がします!

腕を上げ体幹を確認

両手を上げると胸郭が上がることがわかる。
手を下げ、腹部の伸び感をキープしたまま走る。

体幹もランニングの肝

三:さらに軽やかにしていきましょう。まず鳩みぞおち尾を意識します。軽く押さえると、中でちょっと動いているのがわかりますか? 使うのはこの筋肉。実は足の付け根の股関節を動かしている筋肉のスタート地点はここなんです。だからここを軸にしたほうがスムーズに走れる。やってみましょう。

平:なんだか脚が長くなったみたい!

三:走るときにこの鳩尾から正面に、ビームを出しているようなイメージで走るといいですよ。常に地面と平行になるように。さらに鳩尾から、上半身を意識する話をしますね。そもそも走るときに腕を振るのってなぜでしょう?

平:バランスを取るため?

三:極端に言えば、腕を振らなくても走れますよね。でもなぜ振るかと言えば、足を一歩踏み出す動きをスムーズにするためです。だから大事なのは下半身の動きと連動していることなんですが、意識する場所は実は背骨です。

平:背骨ですか!

三:なぜかというと、自分の中心を理解することにつながるからです。ここがブレているとまっすぐに走れない。例えば、ボールを投げるときに、手だけを使って投げようとすると、コントロールは定まらないし、スピードも出ない。背骨を意識し、肩甲骨を上手に使って投げると、まっすぐ飛びます。ランニングも一緒です。まず、背骨、左右の肩甲骨を意識して、腕をだらんと下げ、ぶらぶらと腕を振ってみましょう。そう、スムーズに骨盤が回旋しますよね。そして、肩甲骨が振りやすいなと思う角度で、肘を曲げ、リラックスして腕を振る。これが正しい腕の振り方です。ところで肩甲骨ってどこについていると思いますか?

平:えっと…背骨?

三:違います。ポジション的には背中の部分にありますが、実は鎖骨から後ろにぶら下がっている骨なんです。

平:意識したことなかったです。

三:肩甲骨を緩ませるためにマッサージする場所も、実は胸骨と鎖骨の境目だったりします。つまり、肩甲骨を緩めて、リラックスして腕を動かすには胸郭が大事で。最後にそこを意識するポイントを教えますね。まず腕を上にグッと伸ばします。胸郭が上がっているのがわかりますか? お腹もちょっと伸びましたね。これが体幹のニュートラルポジションです。腕を下げて、さっきのポジションを意識したまま、そのまま歩いてみてください。すごく歩きやすいと思います。

平:体幹を使ってる!

三:今まさに体幹を意識して歩けてます。もう一度やってみましょう。腕を上げて体幹を意識。腕を下ろして鳩尾からビームを出すイメージでまっすぐ前を向いて。肩の力を抜いて、腕をそのまま振りながら、後ろ足から蹴り出して、前に体を運びます。足裏の3点を意識して、体の真下に着地。そうそう、できてます。

平:すごく、軽いです! 気持ちがいいです。

三:その調子で、あとは気持ちよく走ること。疲れたなと思う一歩手前でペースダウンすること。楽しいという気持ちが、ランニングを続ける最大のコツですから。

あとは気持ちよく、楽しく走るだけ!

足裏、蹴る足、歩幅、姿勢。これを意識するだけで、体は自然に動き出す。
その気持ちよさを体感するのが楽しい! それがランニング。

「ランニングのコツも腹八分目」

はじめて「走り方」を知り、より無理なく走れるようになった気がします。
なんだか、ありのままの走り方に戻るような。
動物のようにぴょんぴょん跳ねるような、そんな気持ちよさがありました。
体の仕組みを知るって大事ですね。そして、やっぱり気持ちの持ち方。
気持ちがいいから走る、楽しいから走りたくなる。
それが続く腹八分目が、走ることでも大切なんですね。

聞き手・平井かずみさん

全国各地で花の教室やワークショップを開催。雑誌、テレビ、ラジオなどで幅広く活躍し、 〝日常花〟を提案。「seed」と名付けた新しい試みとして、「すぐそばにある自然の営みに気づくことで、私たち自身の感性を育む」ことをテーマに、2020年の末には花のタブロイド「seed of life」を、21年の5月にはウェブサイト(www.seed-of.com)を、22年2月にはアトリエ「皓-SIROI-」を立ち上げた。


撮影/宮濱祐美子 文・編集/竹田理紀[mineO-sha]

大人のおしゃれ手帖2023年7月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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