【インタビュー】アルヴァ・アアルト生誕125周年! 「アアルト」にとっての“愛するということ”
“アアルト言語”をともに作り上げた、最初の妻・アイノ
モダン建築の巨匠といわれているアルヴァのデザインは、合理性や機能に軸足を置きながら、人間味が感じられる温かいデザインが特徴です。
そのアルヴァらしさは、アイノとともに培ったのではというスータリ監督。アイノはアルヴァの仕事をサポートしながら、プロダクトデザイナーとして活躍します。
現在日本でも人気の「イッタラ」の名作であるグラスは、アイノのデザインといわれています。
「アルヴァというのは、すごく外交的な人で、同時に少しナルシストなところがあったので、彼の足を地につけさせる役目をしていたのが、妻のアイノなんです。
アルヴァは本当にアイノを必要としていたし、また、協力者としても、クリエイティブな意味での協力者としてもとても大事だったわけです。
最初の頃彼らは一緒に仕事をして、色んなものを発見していって、そのときの“アアルト言語”といったようなものを共に創り上げた。アルヴァは何かをデザインしたり、作ったりすると、まず、アイノに見せていたそうなんです。それだけ彼女の感性やテイストというものを信じていた。
映画製作を通して、たくさんのアルヴァの作品に触れてきましたが、個人的に一番印象に残っているのが、フィンランドにある『マイレア邸』です。ここは、林業で財を成し『アルテック』の出資者であるグリクセン夫妻の別荘としてアルヴァに設計依頼をされました。
グリセン夫婦とアアルト夫妻は、非常にいい友達になったんですね。ある建築批評家が“これは家ではなくて、愛の詩である”と評するぐらい、仲のいい友人だからこその、特別な愛情みたいなものを感じられる場所。そしてここのインテリアを始めとする内装、そして『冬の庭』のランドスケープを作ったのは、アイノ。アルヴァ夫婦の最高傑作ともいわれる『マイレア邸』のなかで非常に重要な箇所をアイノが担当していたということが、彼女がどれだけ優秀なデザイナーであったか、そしてアルヴァがその才能を信頼していたということが伺いしれるのではないかなと思います」
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