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2024年10月7日(月)発売
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【インタビュー】アルヴァ・アアルト生誕125周年! 「アアルト」にとっての“愛するということ”

大人のおしゃれ手帖編集部

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後年のアルヴァを支えた、2番目の妻・エリッサ。愛を希求したことが“アアルト”らしさに?

類まれな才能を発揮し、アルヴァとともに業務を拡大していたアイノ。そんな彼女を病が襲い、54歳という若さで永眠します。

「アイノを失ったアルヴァは、精神的におかしくなってしまって、お酒をたくさん飲み、自暴自棄な暮らしをします。そんなときにエリッサに出会い、再婚をするのですが、『彼女が人生に笑いと喜びをもたらしてくれた』といっていたんですね。アイノが亡くなることによって失った人生の光を、エリッサが戻してくれたということだと思います」

そんな彼女と出会い、そしてアイノのように事務所の仕事もサポートしてくれたエリッサの活躍によって、後年も精力的に傑作を発表し続けたアルヴァ。ただ、終盤は年齢を重ねたことにもよるのか、酒量が増え、体調も悪化。いくつか未完成のプロダクトも抱えながら、1976年に78歳でこの世を去ります。

この未完成のプロダクトを引き継ぎ、アルヴァの残した設計図面やデザイン、資料などを保存、管理することに注力したのもエリッサだったそう。

「アイノとは違った意味で、エリッサもアルヴァの仕事において重要な役割を果たしました。

結局、アルヴァ本人は両方の女性からの愛と称賛を求め続けていたのかもしれません。

温かい人でもあったんですけれども、少しナルシストなところがあり、褒められたい、賞賛が欲しい、という気持ちが強かったんだと思います。その愛と称賛を与え続けたのが、2人の妻で、その2人が居たからこそ、アルヴァのあの世界的に有名なデザインが生まれた部分は大きいと思います」

例えば、愛の教科書といわれる哲学者・エーリッヒ・フロムの名著『愛するということ』になぞらえれば、けっして正しいとされる“愛”ではなかったのかもしれないアルヴァにとっての“愛するということ”。それでも、その“愛”がアルヴァの人に寄り添うデザインの礎だとしたら。人間であることの弱さが美しいと感じさせてくれるようなこの壮大な物語は、ぜひ映画館で体験してほしい作品です。

撮影/神ノ川 智早


映画『アアルト』2023年10月13日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー!

フィンランドを代表する建築家・デザイナー、アルヴァ・アアルト(1898年-1976年)。不朽の名作として名高い「スツール60」、アイコン的アイテムといえる「アアルトベース」、そして自然との調和が見事な「ルイ・カレ邸」など、すぐれたデザインと数々の名建築を生み出した。そんなアルヴァ・アアルトの人生を、巧みな映像美と重厚な音楽で語るこの作品。監督は、“フィンランドのアカデミー賞”と称されるユッシ賞にて音楽賞、編集賞を授賞し、新鋭ヴィルピ・スターリさん。

監督:ヴィルピ・スータリ(Virpi Suutari)
後援:フィンランド大使館、フィンランドセンター、公益社団法人日本建築家協会 協力:アルテック、イッタラ
2020年/フィンランド/103分/(C)Aalto Family (C)FI 2020 - Euphoria Film

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