雪が舞う、冬に観たい名作3選
雪深い山のホテルが舞台のミステリー・コメディ
『グランド・ブダペスト・ホテル』
山々に囲まれ、東欧と思われる架空の場所に佇む高級リゾート「グランド・ブダペスト・ホテル」が舞台。
伝説のコンシェルジュと謳われるグスタブ・H(レイフ・ファインズ)と新米ベルボーイ・ゼロ(トニー・レヴォロリ)の物語を、3つの時代を行き来しながら描き出します。
究極のおもてなしをモットーに高齢マダムの夜のお相手までこなすグスタブ・Hですが、ある日、長年のお得意様であるマダムDが殺される事件が発生。
遺言で高価な絵画がグスタブ・Hに贈られたことから容疑者として追われるはめになり、雪の中、ゼロを従えて逃亡を図りますが……。
レイフ・ファインズ、ウィレム・デフォー、ジュード・ロウ、ティルダ・スウィントンら、主役級の俳優たちが嬉々として演じる群像劇の楽しさに加えて、ウェス・アンダーソン監督ならではの優美で精巧な美術と衣裳に目を奪われる本作。
淡いローズピンクを基調とした愛らしくて華やかなホテルが、戦争に侵され、やがてデカダンスの象徴となっていく、そんな時代の移り変わりを軽妙に描きながら、失われてしまった古き良き美しさを愛しむ気持ちが貫かれています。
『グランド・ブダペスト・ホテル』
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構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。