夏バテを乗り切るために、漢方薬とはどう付き合う? 「LAOSI」店主・松浦尚子さん インタビュー
漢方薬局を営む両親のもとで育ち、幼いころから漢方から身近に育った松浦尚子さん。
現在発売中の「大人のおしゃれ手帖」2024年8月号の「暮らし上手さんに学ぶ 猛暑の過ごし方」特集にもご登場いただいています。
「北海道出身なので私自身も苦手」と語る松浦さんに、夏をばてずに乗り切るための方法や、漢方との付き合い方のコツ、自分の体質を知ることの大切さについて伺いました。
お話を伺ったのは……
松浦尚子さん
一包から購入できる漢方薬店・LAOSI店主。昭和薬科大学卒業後、病院や調剤薬局勤務を経て、漢方や養生を多くの人に届けるために現職に。多くの人のカウンセリングを行っている。
土用は胃腸をいたわる時期?
夏の食事で気を付けること
「夏といえば❝土用の丑の日❞が有名ですが、❝土用❞とはもともと立夏・立秋、立冬、立春という季節の変わり目のこと。この時期というのは実は胃腸の調子を崩しやすいんです。
胃腸が弱っているときは、体に水が溜まっている状態。湿気が強くて蒸し暑い日本の夏は特に胃腸に影響するんですね」。
胃腸の働きが落ちると栄養が足りなくなり、熱をつくる力も衰えて力が出なくなります。つまり、夏バテの状態になるのです。
「食欲がない、食べても消化されない気がする人は、まず生ものを控えて。
そうめんやうどんなど麺類をつい食べたくなりますが、小麦も弱った胃腸には消化しにくいので控えめに。
また、栄養をつけようと、肉やうなぎをがっつり食べようというのも、消化によくありません。白いごはんにお味噌汁など、消化の良い和食がいちばんいいです。
胃腸の調子が整ったかどうかは、きちんと排泄できるかどうか、そして食後の眠気がなくなるかどうかが目安になりますよ」
漢方で体質を改善するのは、
胃腸のコンディションを整えてから
漢方薬剤師としてLAOSIで日々カウンセリングにあたっている松浦さん。
漢方を取り入れるうえで、知っておくとよいのはどんなことでしょう。
「市販でも漢方薬は入手できますが、この症状ならこの薬で正解というのはないんです。
たとえば、夏バテしたときに、スタミナをつけようと高麗人参を飲むことがありますが、ほてりが強い人には、高麗人参は合いません。
夏バテで食欲がないなら、胃腸の負担を減らすよう食事を改善しながら、自分の体質や症状に合う漢方薬にサポートしてもらう、というのが効果的です」。
バランスの乱れを戻す漢方薬
同じものを飲み続ける必要はない
漢方薬の材料となる生薬もディスプレイされている
また、本人が訴えている症状と実際の体調がぜんぜん違うことも珍しくないそう。
「むくんでいると訴える人がすごく乾燥していたり、ストレスはないという人の体がすごく緊張していたり。でも、店に入ってこられたときの歩き方や表情で、ある程度状態がわかりますね」。
さらに、体質に合った漢方薬を処方されても、ずっと同じものを飲み続ける必要はない、と松浦さんは続けます。
「漢方薬は、食事との相乗効果で1週間で十分に効果を感じられる方もたくさんいます。
漢方の考えでは、人の体の状態は❝木火土金水❞の五行のどこかのバランスが崩れることで不調を起こしますが、漢方薬はそのバランスの崩れを整えて、ニュートラルにしてくれるもの。同じものをずっと飲み続けていると、バランスが反対に傾いてしまうこともあります」。
とはいえ、漢方で元気になったから続けたい!という人も多いのでは?
そんな場合は、よい状態をキープするための漢方薬膳茶がおすすめです。
「漢方薬で、症状の改善はできますが、それはあくまでもサポート。不調を作っているその人の生活習慣や食生活を改善することで根本的に解決します。そのためにも、気軽に相談できる漢方薬局を知っておくといいですね」
松浦さんが太鼓判!
大人世代の女性におすすめのアイテム3選
更年期の女性にも◎ 腎を養う強壮剤
「霊鹿参(れいろくさん)」
体温の温かさで、真夏でも暑くならない
「LAOSI×efe 光電子養生スカーフ」
改善した体質をキープする
「漢方薬膳茶」
漢方入門・薬店
LAOSI
東京都渋谷区神山町42-9
https://laosi.jp/
撮影/よねくらりょう 文/田中絵真
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