目覚めるシアター 〜アジア発注目作品をチェック〜
大人心を揺さぶる映像作品を紹介している誌面連載「目覚めるシアター」。
最新号ではアジア発注目作品をテーマに作品をセレクト。
その中から、ノスタルジーあふれる甘く切ない1作品をご紹介します。
『プアン/友だちと呼ばせて』
ノスタルジーあふれるタイの街へ甘く切ないロードムービー
ニューヨークでバーを営むボスのもとに、故郷のタイに住む友人、ウードから連絡が届く。
白血病で余命宣告を受けたウードは、かつての恋人たちを訪ねる旅に同行してほしいと言うのだが……。
タイの格差社会を背景にした青春サスペンス『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』で、多くの映画ファンを虜にしたバズ・プーンピリヤ監督。
彼の才能に惚れ込んだウォン・カーウァイ監督が、製作総指揮を務めた作品。
ふたりはバンコクからいくつかの街を訪れ、チェンマイ、パタヤへ。古いBMW、カセットテープ、クラシカルなカクテル。
カーウァイ監督作品を思わせるノスタルジーにあふれた音楽と映像が、男たちの友情と恋、秘密と贖罪を甘くやるせなく彩っている。
思い出のなかをたゆたうように、旅をする気分で観たいロードムービー。
『プアン/友だちと呼ばせて』
監督:バズ・プーンピリヤ出演:トー・タナポップ、アイス・ナッタラット、プローイ・ホーワン、ヌン・シラパン
新宿武蔵野館ほかにて公開中(2022年8月15日時点)
選・文/細谷美香
大人のおしゃれ手帖2022年9月号より抜粋
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