無国籍者の過酷な現実を詩的な映像美で伝える傑作
『Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり』
ジン・オング監督インタビュー
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限りある人生の中で自分の夢を叶えたいと強く思いました

――監督は長年プロデューサーとしてキャリアを重ね、40代後半で監督デビューを叶えました。これから50代を迎えるにあたって、目標はありますか?
オング:プロデューサーとして若い監督を育てていくことにもやりがいを感じていましたが、病気をしたときに、限りある人生の中で自分も監督をするという夢を叶えたいと強く思いました。今回、自分の映画を世に出すことができましたが、国や地域を越えて多くの人々が本作に共感してくださったことに驚いています。まだ監督として一歩を踏み出したばかりなので、50代は多くの作品を生み出していきたいです。
――では、日本の50代女性に向けて何かメッセージをいただけますか?
オング:人生を振り返ってみると、さまざまな楽しいシーンが思い出されるでしょう。過去だけでなく、これからの人生もより楽しんで、素敵なシーンで紡いでいってほしいと思います。人生はまだ半ば、これからです。
このときが3回目の来日だという監督は、「東京は初めて。到着してすぐにラーメンを食べることができました。まだ叶っていないのは、日本風のカレーライスを食べることです。日本のコロッケも大好き」とのこと。1月末には映画公開日に合わせて再来日していますが、念願のカレーライスを味わうことはできたのか、気になるところです。

ジン・オング
PROFILE
1975年6月19日生まれ、マレーシアの監督・脚本・プロデューサー。グラフィックデザイナーを志して台湾に渡り、さまざまな仕事を経験した後、ソニーミュージック台湾のプロデューサーに就任。その後、独立して製作会社ムーア・エンタテインメントを設立。タレントのマネージメントや映像製作を中心に業務展開。映画制作にも乗り出し、2019年に手がけた『ミス・アンディ』が高い評価を受けた。本作が初監督作品。

『Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり』
マレーシア・クアラルンプールの富都地区にあるスラム街で、支え合いながら生きてきた兄弟の物語。不法滞在者二世ともいえる人々やさまざまな国籍・背景を持つ貧困層の人々が多く暮らす地域で、身分証明書(ID)を与えられず、兄弟として成長してきたアバンとアディ。聾唖者のアバンは市場の日雇い仕事で堅実に生計を立てているが、アディは簡単に現金が手に入る裏社会と繋がっている。そんなある日、アディの実父の所在が判明し、ID発行の可能性が出てきたが……。
監督・脚本:ジン・オング
出演:ウー・カンレン、ジャック・タン、タン・キムワンほか
配給・宣伝 : リアリーライクフィルムズ
©2023 COPYRIGHT. ALL RIGHTS RESERVED BY MORE ENTERTAINMENT SDN BHD / ReallyLikeFilms
2025年1月31日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋、他にて上映中
構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。
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