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大人のおしゃれ手帖 8月号

大人のおしゃれ手帖

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大人のおしゃれ手帖
2026年8月号

2026年7月7日(火)発売
特別価格:1740円(税込) 
表紙の人:吉瀬美智子さん

2026年8月号

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もはやない国「東ドイツ」を見つめた女性写真家たちの軌跡
混迷を極める今だからこそ目撃したい展覧会へ【担当学芸員の解説付き】

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ブリギッテ・フォイクト《兄妹》1964 年 © Estate Brigitte Voigt. Courtesy Loock Galerie, Berlin

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東西に分断された時代のドイツで、社会や日常を静かに見つめ続けた女性写真家たち。
語られる機会の少なかったその表現は、いまを生きる私たちにも鋭く響きます。


かつて存在した国に差し込んでいた確かな光をたどる

第二次世界大戦の後、英米仏ソに分割統治されたドイツは、ドイツ連邦共和国(西ドイツ)とドイツ民主共和国(東ドイツ)というふたつの国に分かれることになりました。
1961年には東西冷戦を象徴するように、ベルリン市を東西に分ける壁が築かれます。

1989年、東欧諸国の民主化運動のなかで11月に「ベルリンの壁」が崩壊。
翌年10月、分断されたふたつの国はドイツ連邦共和国というひとつの名に統一されます。

西ドイツが東の諸州を吸収した形を取り、「ドイツ民主共和国」というひとつの国が世界から姿を消したのでした。

社会主義の時代、多くの分野で女性は男性と等しくさまざまな職業に従事しました。
写真家も例外ではなく、今回ご紹介する15名の女性写真家たちは東ドイツの雑誌などでドキュメンタリーやファッション写真を担当し、あるいは自身の作品として、東ドイツの日常を見つめた路上や家庭の光景、フェミニズム・アートとして女性の身体性をテーマにしたコンセプチュアルな写真などを手がけました。

ドイツ再統一後、現在も主要な作家として国内外で制作や発表を続ける彼女たちの写真には、当時の複雑な社会状況下で写真というメディアの可能性を探求した様子が、繊細な光と質感の表現、そして確かな技術に見て取れます。

ヴィンテージ・プリントを主体とする200点近い作品は日本で初めて紹介されるものも多く、本展にも出品されるヘルガ・パリスの写真がミュウミュウの2026年春夏コレクションをイ
ンスパイアするなど、世界的に注目と再評価の高まるジャンルといえます。

ぜひ会場で、作品がいまも放つ魅力を楽しんでいただければ幸いです。

教えてくれたのは・・・
神奈川県立近代美術館
主任学芸員
三本松 倫代さん
専門は近現代美術と表象文化論。2003年より日本とドイツの美術や建築を中心に展覧会を企画・担当。企画した主な写真展に畠山直哉、アレック・ソスの個展など。

トップ掲載作品:ブリギッテ・フォイクト《兄妹》1964 年 © Estate Brigitte Voigt. Courtesy Loock Galerie, Berlin

ジビレ・ベルゲマン《アネッテとアンゲラ、ルストガルテン、 ベルリン》1982 年 © Estate Sibylle Bergemann. Courtesy Loock Galerie, Berlin

ジビレ・ベルゲマン《アネッテとアンゲラ、ルストガルテン、ベルリン》1982 年 © Estate Sibylle Bergemann.Courtesy Loock Galerie, Berlin

『もはやない国のかつてない光     東ドイツの女性写真家たち』

『もはやない国のかつてない光
    東ドイツの女性写真家たち』

Place : 神奈川県立近代美術館 葉山(神奈川県)
Date : 6月13日(土)~8月30日(日)
Open : 9:30~17:00(入館は16:30まで)
Closed : 月曜日(7月20日を除く)
046-875-2800(神奈川県立近代美術館 葉山)

photo: © 山本糾

https://www.moma.pref.kanagawa.jp/


こちらの展覧会にも注目!

編集部がおすすめする注目の展覧会をピックアップ。

『ピカソ meets ポール・スミス         遊び心の冒険へ』 6月10日(水)~9月21日(月・祝) 国立新美術館(東京都) https://art.nikkei.com/picasso_ps26/

『ピカソ meets ポール・スミス
        遊び心の冒険へ』

2023 年にパリで開催されたパブロ・ピカソ没後50 周年記念の特別展「Picasso Celebration:The Collection in a New Light!」を基にした国際巡回展。パリ国立ピカソ美術館が所蔵するピカソの作品にインスピレーションを得て、デザイナーのポール・スミスが会場のレイアウトを考案。《男の肖像》や《アルルカンに扮したパウロ》など約80点を緩やかな時系列で紹介します。自由な発想で創り上げられた、驚きに満ちた空間を楽しんで。

開催中~9月21日(月・祝)
国立新美術館(東京都)

https://art.nikkei.com/picasso_ps26/

『(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO     ―新説/ 真説 コシノヒロコ―』 開催中~7月26日(日) 東京都現代美術館(東京都) https://hirokokoshino.com/unknown

『(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO
    ―新説/ 真説 コシノヒロコ―』

日本のファッションと表現文化を牽引してきたコシノヒロコ。
その創作の価値をあらためて捉え直そうとする展覧会です。半世紀を超えるキャリアの中で生み出されてきた膨大な作品群から、現代の感覚や価値観と響き合う表現を厳選。
当時の社会状況や文化的文脈との関係性を重ね合わせながら、「なぜその表現が立ち現れたのか」「いまどのような意味を獲得しうるのか」を問い直します。

開催中~7月26日(日)
東京都現代美術館(東京都)

https://hirokokoshino.com/unknown


text: Hanae Kudo

大人のおしゃれ手帖2026年7月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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  • ブリギッテ・フォイクト《兄妹》1964 年 © Estate Brigitte Voigt. Courtesy Loock Galerie, Berlin
  • ジビレ・ベルゲマン《アネッテとアンゲラ、ルストガルテン、 ベルリン》1982 年 © Estate Sibylle Bergemann. Courtesy Loock Galerie, Berlin
  • 『もはやない国のかつてない光     東ドイツの女性写真家たち』
  • 『ピカソ meets ポール・スミス         遊び心の冒険へ』 6月10日(水)~9月21日(月・祝) 国立新美術館(東京都) https://art.nikkei.com/picasso_ps26/
  • 『(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO     ―新説/ 真説 コシノヒロコ―』 開催中~7月26日(日) 東京都現代美術館(東京都) https://hirokokoshino.com/unknown

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