【桐谷健太さんインタビュー】「自分の声を聞くプロになる」50代・60代を心地よく生きるヒント
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「自分が自分が」から、みんなで作る喜びへ

桐谷さんは少し照れながら、デビュー当時の自分を引き合いに出しました。
「20代の頃は『とにかく目立ってやろう』とか『あいつは誰だ?と思われることが大事だ』というガツガツしたエネルギーがありました。もちろんその気持ちも大切だと思います。でも今は、『みんなでおもしろい良い作品を作っていこう』『みんなの喜びは俺らの喜びだぜ』という感覚になってきました。まろやかになったね、なんて言われることもあります(笑)」
肩の力が抜けた、という実感もあるそうです。その背景には、挫折や苦しみ、悲しみ、自分の至らなさと向き合わざるを得ない出来事もあったそう。周囲を見ずに「自分が、自分が」となっていたことにも気付いたといいます。
「生きていると、自分を見つめざるを得ない出来事ってありますよね。自分の不甲斐なさや至らなさに気付かされるような、愛ある“ビンタ”みたいな経験(笑)。あの失敗があったから、今こうできているんだなと思えることがいろいろありました」
5年前、コロナ禍で出演した舞台『醉いどれ天使』は、大きな転機に。感染対策のため、共演者と食事に行けず、家族にも会えずにホテルで過ごした日々。それでも舞台上では、役を通して人とつながり、言葉を交わし、客席からの反応を受け取ることができたのです。
「唯一、人と会えるのが舞台の上だったんです。マスクなしで話せるのも、そこだけ。みんなとつながってコミュニケーションを取る喜びがありました。同じ台本でも、観客の方も、出演者も、その日の自分も毎日違う。どの日も同じにはならないから、舞台って本当におもしろい」
舞台に立てることも、作品を届けられることも、当たり前ではない。経験を重ねたからこそ、そのありがたさは以前より深く胸に届いているようです。
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