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2024年12月6日(金)発売
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更年期に多い「自律神経の乱れ」で起こる症状と対策法

加藤大也

自律神経

自律神経が乱れると心身のさまざまな不調が現れるといわれています。
中でも50代女性に多いのは更年期障害です。
自律神経の乱れで起こる症状や病気と、その対策法をご紹介します。

自律神経が乱れるってどういうこと?

自律神経とは、私たちの意思と関係なくはたらく神経のことで、血圧などからだのさまざまな機能を調整しています。
自律神経には、活動しているときに優位になる「交感神経」と、リラックスしているときに優位になる「副交感神経」の2種類があります。
交感神経と副交感神経のバランスが崩れると心身の不調が生じます。

自律神経の乱れで起こる症状には、倦怠感や動悸、めまい、頭痛、下痢、便秘といった身体症状や、イライラや不安感といった精神症状など、人によってさまざまです。
検査をしても症状に見合う病気が認められない場合に、自律神経失調症や不定愁訴などと呼ばれます。
自律神経が乱れる原因は、ストレスや不規則な生活、更年期に伴う性ホルモンの減少などが考えられます。

自律神経の乱れが関わる病気

自律神経自律神経の乱れが関わるといわれている病気にはさまざまなものがあります。
代表的なものをいくつかご紹介します。

更年期障害

50代女性に多い更年期障害は、自律神経失調症と同様の症状が現れます。
更年期障害の主な原因は、女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少することです。
女性ホルモンの分泌をつかさどる脳の視床下部は、自律神経をコントロールするはたらきもしています。
女性ホルモンが減少すると脳が混乱し、自律神経のバランスが崩れてさまざまな症状が現れると考えられています。
更年期障害の治療には、ホルモン補充療法や漢方薬のほか、精神症状が強い場合は向精神薬が処方されることもあります。

なお、更年期障害は男性に見られる場合もあります。
男性ホルモンのテストステロンが減少することが主な原因とされています。
ただ、一般的に男性は女性と比べてホルモンの減少がゆるやかなため、老化現象と捉えられてしまうことも少なくないようです。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とは、検査で病気が認められないにも関わらず、慢性的に腹痛や腹部の膨満感があったり、下痢や便秘などお通じの異常が続いたりする病気です。
何らかの原因により、腸が知覚過敏の状態になることで起こるといわれています。

過敏性腸症候群の原因には、ストレスや不規則な生活、暴飲暴食などのほか、自律神経失調症などが考えられます。
治療法には、薬物療法や食事療法、運動療法、心理療法などがあります。

気象病

気象病とは、気象の変化が原因で起こる心身の不調の総称で、頭痛やめまい、関節痛などさまざまな症状が現れます。
特に梅雨の時期や台風が近づいたときなどに症状を訴える人が多いようです。

気象病の原因は、気圧や気温、湿度など気象の変化に対して敏感に反応し、自律神経が乱れるためと考えられています。
対策として、日記に体調を記録したり、気象病対策アプリを活用したりする方法があります。
記録を見返すことで自身の傾向を知ることができます。

別の病気が潜んでいる場合も

自律神経心身の不調があり「自律神経が乱れているせいかな?」と思っていても、別の病気が潜んでいることも。
たとえばバセドウ病や橋本病など甲状腺の病気や貧血は女性によく見られる病気で、症状が自律神経失調症や更年期障害と似ています。
バセドウ病は20~30代の女性に多く、橋本病は更年期以降の女性に多い病気です。
バセドウ病や橋本病は、疲れやすい、息切れ、甲状腺の腫れなどの症状があります。
気になるときは医療機関を受診しましょう。

自律神経を整えるためにできること

自律神経

自律神経の乱れによる不調があるときは、睡眠や食事、運動などで自律神経を整えるセルフケアも取り入れましょう。
質の良い睡眠のためには、入浴時にぬるめのお湯に浸かる、寝る1時間前からスマホやテレビを見ない、寝る前に食事や飲酒をしないなどの工夫で副交感神経を優位にし、眠りにつきやすくしましょう。

食事では朝食をきちんととるほか、食物繊維や発酵食品を意識してとるのがおすすめ。
腸内環境を良好に保つことで、自律神経も整いやすくなるといわれています。
また、ウォーキングなど適度な運動習慣もつけましょう。
通勤時に階段を使ったり、ひとつ手前の駅で降りて歩いたりするのもおすすめです。

(まとめ)
私たちの健康を保つうえで大切なはたらきをしている自律神経。
ストレスや不調はそのままにせず、日頃から意識して自律神経を整えるようにしたいものですね。


構成・文/大人のおしゃれ手帖編集部 画像協力/PIXTA
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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この記事の監修者

たいや内科クリニック

たいや内科クリニック 院長加藤大也

1997年、藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)卒業後、同大学院医学研究科内分泌・代謝内科学修了。2003年4月から同大学医学部内分泌・代謝内科助手を務める。2010年5月、JA愛知厚生連豊田厚生病院内分泌代謝科病棟部長などを経て2022年5月、たいや内科クリニックを開院。糖尿病専門医・総合内科専門医・甲状腺専門医 藤田医科大学医学部客員講師。医学博士 糖尿病、生活習慣病を中心に、日々診療に取り組む。患者さん目線で分かり易い説明がモットー。

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Website:https://taiya-naika.com

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