更年期に、積極的にとりたい栄養素とは？

骨や筋肉、ホルモンもすべての材料は食事から。
年齢を重ねると、うっかり粗食になりがちですが、50代こそ、たんぱく質を中心にバランスの良い食事をとるのが大切です。

教えてくれたのは・・・
松村圭子先生
日本産科婦人科学会専門医、成城松村クリニック院長。
広島大学医学部附属病院などの勤務を経て現職。
初経から更年期まで、女性の健康をサポートする。生理日管理アプリ「ルナルナ」や、女性のリズム管理デバイス「わたしの温度」を監修。『オトナ女子のためのカラダの教科書』（宝島社）ほか、著書多数。

女性ホルモンの働きを補い骨や筋肉をキープする

「女性ホルモン力をキープし、健康を守るには食生活も大切です。
まず、体内で女性ホルモンに似た働きをする『エクオール』を生み出すのが大豆製品。
また、筋肉や肌、骨の材料になるたんぱく質は、毎食必ず、片手にのるくらいの量をとるよう心掛けましょう」　

また、食事だけでは補いきれない栄養素はサプリメントを活用してもOK。

カルシウムの吸収を促すビタミンＤなども、食事だけでは不足することもありますし、エクオールのサプリメントや酵素飲料などもあるので、体質や好みに合わせて取り入れるのもいいでしょう。

なお、体重が増えやすい時期なのですが、心身のバランスも崩れやすいので、無理なダイエットや偏った食事はNGです。

「エストロゲン」に似た物質を含む食品で
女性ホルモンの働きをサポート

毎日大豆製品を

抗酸化成分の一種、大豆イソフラボンは腸内細菌によって分解され、エクオールになります。
納豆なら1〜2パック、豆乳ならコップ1杯が目安量で、毎日とるのがポイント。
ただし、体質によっては、大豆イソフラボンからエクオールを産出できない人も。
体質を調べる検査キットもあるので、気になる人は利用してみては。

サプリメントや健康食品を上手に利用

大豆製品に含まれる大豆イソフラボンが腸内細菌に分解されてできるのがエクオール。
女性ホルモンに近い働きをするので、更年期症状がある人におすすめ。
ザクロも植物性エストロゲン様物質を含む食品。
生のまま食べても効果を表わすのは難しいので、発酵ドリンクなどもいいでしょう。

長年の研究で見つけた独自の乳酸菌と大豆イソフラボンから生まれたエクオール含有食品。
4粒で、10㎎のエクオールを摂取。
エクエル 112粒￥4,320／大塚製薬

植物プラセンタ（胎座）を豊富に含む若摘みザクロと、ポリフェノール豊富な青レモンの果皮を使用。
7083種の抗酸化成分を含む発酵酵素ドリンクです。
若榴 de 檸檬 500mL ¥5,900／言歩木

血管や骨を作るたんぱく質は欠かせない

女性ホルモンの減少により筋肉量も骨量も減り始めるのが50代の女性。
「水を除くと、体のほとんどはたんぱく質でできているので、もっとも大切な栄養素です」。
日本人はたんぱく質の摂取量が足りていない人が多いのが現状。
健康を考えて野菜中心の食生活をしている人も多いですが、脂肪過多になるのは抑えつつ、たんぱくはしっかりとるよう心掛けましょう。

カルシウム＋ビタミンＤ・Ｋで骨を丈夫に

更年期以降は骨粗しょう症になりやすく、食事でのケアが重要に。
骨づくり＝カルシウムのイメージがありますが、それだけでは効果半減。
同時に吸収を促すビタミン類の摂取を。
ビタミンDはカルシウムの吸収をサポートし、骨や歯に届けます。
ビタミンKは骨のたんぱく質を活性化し、カルシウムの骨への沈着をサポート。
ビタミンＤは卵やキノコ類、鮭などに、ビタミンＫはブロッコリーや小松菜、納豆などに豊富です。