片付けのプロ・古堅純子さんに聞く!
「捨てない片付け」とは?
衣装や本、大切な好きなものが捨てられない…独立した子どもの物がそのままに…
家族の物がリビングにあふれている…捨てればすっきりするけれど、その取捨選択には時間がかかる。
そんな50代の嘆きに「物を捨てなくても片付けOK」という新しい発想で
これまで5000軒以上のお宅を片付けてきたお片付けのプロ、古堅純子さんがレスキュー!
その極意を教わります。
この方に教わりました
古堅純子さん
幸せ住空間セラピスト 。1998年から5000軒以上のお宅を訪問し掃除や片づけのサービスを重ね、古堅式メソッドを確立。現在YouTubeチャンネル「週末ビフォーアフター」はチャンネル登録者数19万人超。近著は『物に囲まれてすっきり暮らす 景色を変える片づけ』(大和書房)。
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古堅純子さん youtube
書籍「物に囲まれてすっきり暮らす~景色を変える片づけ」(大和書房)
出して「寄せて」景色を変える!
捨てない片付けの基本は「寄せる」技術。
分類して物を整理することから始めずに外に出ている物や使っていない家具を、えいやっと移動させましょう。
1. ダイニングテーブルの上を更地にする
リビングを片付ける場合、更地にする優先順位の1位はダイニングテーブル。
物に占領され、家族が同時に食事できないという家も珍しくありません。
快適な家族団らんを取り戻すためにも、テーブルの上は更地にしましょう。
外から持ってきた物をちょい置きしやすい場所なので、ここが物で埋まると、部屋自体も崩壊する大事なポイントです。
2. 廊下や玄関はライフラインなので優先的に更地に
廊下や玄関は、トイレやキッチンなど生活に必要な場所に移動するためのライフライン。
廊下が物で埋まって歩きにくくなると、家事も滞り家が荒れる原因に。
高齢になれば廊下でつまずいてケガをした、なんて事故にもつながりかねません。
また玄関は訪問した人が初めて見る場所。
ここの景色(見た目)を意識することでメリハリのある暮らしに変わります。
3. 家具で仕切って更地をつくる
部屋数がなく寄せるための部屋がない場合は、収納やソファを仕切り代わりにして、部屋の半分に物を寄せ、もう半分は何も置かない更地に。
部屋の見える部分の景色がよくなり、物とスペースの境界線ができたことでスペースに可能性が生まれます。
そこでやりたかったことが見えてくると、自然と捨てたり整えたりする意欲がわいてくるはず。
4. 寄せる場所として窓をふさぐことは避ける
更地にするのは、家を衛生的にすることも目的なので、風の通りが大切。
物が多い家はただでさえ掃除が滞りがちでカビが生えやすい傾向があるので、物で窓をふさいでしまうような寄せ方は避けること。
部屋の片側に寄せる場合でも窓の開け閉めが可能な動線は確保しましょう。
5. 物だまりをつくる部屋のガンも一緒に移動する
物が多い家には、座れないソファや何が入っているかわからない婚礼家具、使わない健康器具などが部屋の大事な場所に鎮座しています。
そのせいで動線が悪くなって物の流れがせき止められ、物だまりの中心=部屋のガンとなっているのです。
ガンとなる家具は捨てられないなら、家の中心部から離れた場所へ移動させましょう。
6. 寄せた物は物置部屋へコの字に配置しておく
物を別の部屋にいったん寄せる場合、奥からどんどん積むと、動かせなくなります。
入口から見て両サイドと奥の壁にコの字型になるように置き、真ん中のスペースにアイランド状に配置するといいでしょう。
ぐるりと部屋を一周できるので、後から見直すときに動きやすく、物も移動しやすくなります。
7. 部屋のコンセプトに合うものは残してOK
一気に寄せるのは手っ取り早いですが、部屋のコンセプトに合う物があれば、更地に残しておきます。
今まで、雑多な物のなかで埋もれていたお気に入りの物たちが、更地の中で、前より輝いて見えるはず。
部屋のコンセプトにもつながり、「このアイテムのために素敵な空間をキープしよう」という、意欲がわいてきます。
実はNG !? 「最初に引き出しや棚の整理をする」
収納の中身を多少減らしても、部屋の景色が変わらず、分類しきれない物があふれだして、かえって部屋が散らかります。
3カ月ですっきり! 計画表
週末に少しずつ、あるいは短期集中でも自分のペースで始めてみましょう。
3カ月後には、すっきり空間で暮らす姿をイメージして!
更地にした部屋の「景色」をよくするコツ
掃除機をかけて床を拭いてキレイに
物が多い家は、見えている床が少なく、人が通る一部分しか掃除機をかけられていないはず。
更地ができたらまず掃除機をかけて床の拭き掃除をして、たまったほこりを追い出しましょう。
清潔になれば、気分もリフレッシュして片付け意欲のアップに。
プラスチックや丸見えの収納グッズを置かない
リビングに背の高いオープン収納を置いて、雑多なものを詰め込んでいませんか?
上のほうは取り出しにくいし、圧迫感があって、景色を悪くする原因に。
リビングには扉のある収納か、お気に入りを並べるディスプレイだけにしましょう。
お気に入りはディスプレイ
片付ける目的は、ただ物をなくすのではなく、「この部屋で何がしたいか」というコンセプトを実現すること。
だから、自分のお気に入りや、部屋のコンセプトに合ったものは、ディスプレイしましょう。
ディスプレイされたものを見ているうちに、自分が好きだったこと、やりたいと思っていたことが思い出され、暮らしの夢を描けるようになります。
イラスト/しらいしののこ 文/田中絵真
大人のおしゃれ手帖2023年6月号より抜粋
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