骨粗しょう症は予防できる!
健康診断の結果に気をつけたい「骨密度」
せっかく健康診断を受けているにもかかわらず、結果をよく見ないままほったらかしにしていませんか?
50代女性が特に気を付けたい項目や数値の見方を女性外来の医師、宮沢あゆみ先生に伺いました。
教えてくれたのは…
あゆみクリニック 院長
宮沢あゆみ先生
早稲田大学第一文学部卒業後、TBSの報道記者として活躍。のちに東海大学医学部に学士編入学し、医師に転身。勤務医を経て完全予約制の女性専門クリニックを開業。更年期障害などに悩む女性の心や体のサポートをしている。
骨を丈夫にすることは更年期からでもできる!
骨は、古い骨を破壊する「破骨細胞」と、新しい骨を作る「骨芽細胞」が、絶えず新陳代謝を繰り返し、一定のサイクルで生まれ変わります。
その働きをコントロールしているのも、実はエストロゲンなのです。
「エストロゲンには、骨の吸収を抑えて形成を促す作用があります。
さらに甲状腺から分泌されるカルシトニンというホルモンの分泌も促して、骨の主成分であるカルシウムを骨に取り込む働きをサポートしています。
このため、エストロゲンの分泌量が低下する更年期以降は骨がもろくなりやすく、女性は男性と比べて骨粗しょう症になりやすいのです。
とはいえ、食事や運動に気をつけることで、更年期以降であっても骨を丈夫にすることは可能です。
食事は小魚や海藻、牛乳などのカルシウムを豊富に含むものをバランスよく摂取すること。
運動はハードなことをする必要はありませんが、骨形成をスムーズにするビタミンDは日光浴でも作られるので、日中のウォーキングがおすすめです」
特にこんな人は気を付けて!
□ 最近背が縮んだ
□ 体格はどちらかというと細身だ
□ 家族に骨粗しょう症と診断された人がいる
□ 閉経を迎えた
□ 若いころから月経が不順だ
知っておきたい!骨密度に関するQ&A
骨密度の低下によって起こる骨粗しょう症は、心がけ次第で十分に予防できる病気です。
Q1. 骨を強くするためにはどんな栄養素をとるといい?
A. 「カルシウムのほかに、骨の形成に重要なのがマグネシウム。
骨形成をスムーズにするためには、カルシウムの2倍のマグネシウムが必要です。濃い緑の野菜や、りんご、ナッツ類などを取りましょう。
ほかにビタミンC、ビタミンB6、ビタミンK、亜鉛、リンなども意識すると◎」
Q2. 骨の健康のためには、どんな運動をすればいい?
A. 「ウォーキングやランニングなど、マイペースで長く続けられるものを選ぶのがポイント。
特に効果的なのは、骨に適度な体重の負荷をかける『ウエイトベアリング運動』。
ただ歩くだけでもいいですし、縄跳びもおすすめです。
いきなり重たいバーベルを持ち上げる必要はありません」
Q3. 健診で骨密度の低下を指摘された。今からでも骨は強くなる?
A. 「骨は新陳代謝を繰り返しているため、もろくなった骨でも丈夫にすることが可能です。
更年期の女性であればホルモン補充療法を選ぶこともできますし、
食事や運動を意識することでも骨は回復します。
年だからとあきらめないことが肝心です」
文/阿部菜美子 画像素材/PIXTA
※大人のおしゃれ手帖2023年7月号から抜粋
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