【セルフケア】
植物療法士・鈴木七重さんに聞く、心身を巡りよくする心がけとは？

香りの感じ方が今の体の状態を教えてくれる

平：自分の体の声はどんなふうに聞いていくとわかりやすいのでしょう？

七：さまざまなハーブティーを飲んでどう感じているか、精油を嗅いでどう感じるかを試すのがわかりやすいと思います。「いい香り」と直感で思うってことは、それを欲しているということで、体と脳がつながる回路を作るんです。それを知るためにも、傾向の違う３つの香りを持っているといいですね。私がまずお渡しするのは、ラベンダー、ティーツリー、オレンジです。

平：だんだん種類を増やしていくといいですよね。

体の不調を「見える化」する

七：早速ですが、ここ最近の体の状態を教えていただけますか？

平：梅雨時期から夏の土用くらいまでいつも体調が良くなくて。特に今年は6月に厄落しと思うくらいいろんなことが起きました。自転車で転んで青あざを作り、よくなった頃に外出したら、コロナに罹って……。そのあと良性発作性頭位めまい症を発症するという……。

七：そ、それは大変でしたね……。

平：これは神様からの究極のおしらせだと思っています。

七：免疫が落ちていると思いますが、具体的な不調は出ていますか？

平：まず睡眠が浅いです。汗をかいて起きちゃったり。あとは足がすごく冷えているのと、ふくらはぎの浮腫みがひどいです。

七：朝はスッキリ起きられていますか？

平：睡眠が浅いのでスッキリではないですね。体調が悪くなる前まで、朝ランをしていたんですけれど、今はそれどころではなくて。あとは肩こり、偏頭痛、鼻や喉もよくないかな。

自立神経を整える肝は夜と朝

七：今は体のエネルギーを養生に使っているので、いつもより行動をゆっくりにしてください。そして、年齢的にものぼせやすい時期。気が上にのぼっているので、足も冷えるし肩も凝る。そこが滞ると眠りが浅くなり、浮腫みが起こりやすくなります。また寝汗は自律神経の乱れです。まずは気を下に持っていくためにも、夜時間にゆるめるケアをしていきましょう。それから自律神経を整えるために朝陽を浴びてください。

平：朝ランができなくなってから、陽の光を浴びる時間が足りなかったかもしれません。

七：できたら足湯もおすすめです。今、上が暑くて下が冷えている状態になっているので、それをひっくり返したいんですね。足湯が一番効果的だと思います。

平：タイミングはいつでもいいですか？

七：入りたいタイミングで大丈夫ですよ。次に体をゆるめること。ハーブにはその力があるので、ケアグッズとして、マッサージオイルを作りましょう。リンパの流れを良くしてくれて、ホルモンバランスを整えるローズゼラニウムを中心に調合していきますが、まずはこれらの香りを嗅いでみてください。

平：はあ〜いい香り。これは好き。これはちょっと苦手かな。

夜時間に巡りをよくするマッサージを

七：ベルガモット、ローズ、イランイランを選ばれましたね。今必要としているものを選んでいる印象です。リラックスとのぼせと自律神経の対策を一気にできる感じ。これらをキャリアオイルに混ぜてマッサージオイルを作りますね。

これを百円玉くらい手に出して、首、鎖骨、肩の辺りに伸ばします。まずは鎖骨からマッサージ。鎖骨の下のリンパの流れが滞っていると、頭痛やめまいを引き起こします。柔らかく凹む感じが理想です。鎖骨をゆっくりマッサージして、脇に向かってリンパを流していきます。次に耳の下から鎖骨に伸びる胸鎖乳突筋、そして肩のライン。フェイスラインも鎖骨に流すようにマッサージ。最後に耳周りや余裕があれば頭も残ったオイルでマッサージしましょう。これらをお風呂に入りながら、ほのかな光の中で行うと効果的です。次にハーブティーを作ります。ゆるめる効果が高いカモミールを中心に作りますが、また香りを嗅いでみてください。

平：全部好きな香りです！