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2024年5月号

2024年4月6日(土)発売
特別価格:1360円(税込)
表紙の人:南果歩さん

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大人のゆらぐ季節にもぴったり
体の巡りをよくする滋養のレシピ「参鶏湯」

大人のおしゃれ手帖編集部

季節の移り変わりとともに、循環する草花。必要な水分と養分を蓄え、美しく咲き、また土へと還り、その花それぞれの季節を待つ。
そんな花のようにありのままに生きる知恵を身につける連載。
今回お話を伺ったのは参鶏湯研究家の脇もとこさん。
参鶏湯は韓国では土用の料理。つまり、大人のゆらぐ季節にもぴったりの料理なのです。
体の巡りをよくするといわれる滋養のレシピを教えていただきました。

お話を伺ったのは・・・
脇 もとこさん
参鶏湯研究家、漢方植物療法士、スタイリスト。広告代理店で広告スタイリストとして活動後、独立。1999年にアートディレクターの夫とともにデザイン会社「Super me inc.」を設立。2016年より身近な食材で体調を調えられるようにという意味を込めたプロジェクト「HOME KITCH EN PHARMACY」始動。薬膳料理や発酵食、ハーブティーのワークショップなどを展開中。
https://kitchenpharmacy.shop/
Instagram : @motokowaki


参鶏湯は気・血・水を補うスーパーフード

平井さん(以下、平):ここ数年、さまざまな不調があって。そのときに出合ったのが脇さんの参鶏湯でした。本場韓国では土用の日に食べるものということで、大人世代のゆらぎの季節の救世主になるんじゃないかと。改めて、参鶏湯の効能を教えていただけますか?

脇さん(以下、脇):参鶏湯はその名の通り、高麗人「参」と鶏と湯=スープの料理です。そこにナツメ、クコの実、松の実、もち米を加える。これが基本の材料です。高麗人参は、滋養強壮に優れていて、体の免疫システムを向上させる働きがあります。生薬の王様と言われています。中医学的にいうと「気」を補い、エネルギーを促す。ナツメは、血を補う王様。精神を安定させ、肌艶や内臓の潤いをよくする効果があります。それから、クコの実は、アンチエイジングですね。特に目。疲れ目、充血といった悩みに効果を発揮します。松の実は潤い、つまり水を補います。

平: つまりすべてのバランスが整っているってことですね!

脇: そうですね。中医学では体は気・血・水の三つの要素でできていると考えます。気とは生命のエネルギーを表し、目には見えないけれど心身の活動に大事なもの。血とは血液。水は血液以外の全て。この三つを補うのが参鶏湯なんです。

平: 脇さんの肌を見れば、説得力があります! 潤ってる感じがスゴイ!

脇: ありがとうございます(笑)。参鶏湯のおかげでいつも体が温まって、血の巡りがいいからかな。鶏肉も滋養豊かな食材で消化吸収がいい。もち米も消化によくてパワーを補います。参鶏湯は滋養のある食べ物ナンバーワンだと思いますね。

体の中から自分を整えて

平: そもそも参鶏湯研究家になろうと思ったきっかけはどんなことだったのでしょう。

脇: 実は娘が先に好きになったんです。近所のお友達の家で参鶏湯を食べさせてもらって、それがおいしかったから「ママ作って!」と。今から13年くらい前ですかね。当時はレシピがなかったので、ひとまず丸鶏の煮込みを作ってみたらすごくおいしくできて。それから本格的な参鶏湯の材料を取り寄せました。

平: その後に中医学も学ばれたんですよね。

脇: 参鶏湯は薬膳料理なので、その効能も知りたくなって、漢方を勉強し始めたんです。始めてみたら中医学の基礎理論がわかっていないと、深く学べないことがわかったんですね。そして、中医学を勉強して改めて、参鶏湯が人の体にとって素晴らしい食べ物だとわかったんです。

平: 体の調子に合わせて、参鶏湯に別の薬膳食材を入れることはあるんですか?

脇: ありますね。それこそ韓国では家庭によっても違います。例えば私は最近だとウコンとか、「ギー」(純粋性の高いオイル)を入れたりもします。あとは血流を増やして新陳代謝を高めるといわれている長胡椒とかも。

平: 自分に向き合って、補うというイメージですね。

脇: そうですね。私自身もそうですが、大人世代の女性はゆらぎながら生きてますから。月の影響もありますしね。体に入れるもので整えたいと心がけています。厳密に言えば、薬膳料理は高麗人参や生薬を使ったもの=薬膳料理ではなくて。普通にスーパーに売っている野菜、肉、魚を体調にや季節に合わせて組み合わせれば、それは立派な薬膳料理なんです。つまり家族全員、何を取り入れた方がいいかは違うということ。韓国や台湾では、それぞれがトッピングで薬味を替えたりするわけです。

平: 他のアジアの国々では、その意識が普通に身についていますよね。

脇: おやつ一つとっても、自分の体調に合わせて選んでいますからね。食卓にもさまざまな野菜や薬味があって。参鶏湯も塩気を入れず、食卓でそれぞれが調味するんです。

平: 体調によって、ちょうどいいと思う塩味って違いますものね。

脇: 参鶏湯を食べるようになって、中医学を学んだことで、より自分に向き合う大切さを感じていますね。そして参鶏湯は体を整える仕組みの一つになっています。お教室の生徒さんも家族や自分が不調の時の料理ができたと喜んでくださっています。日本のお粥はお粥で、世界一優しい食べ物だと思っていますが、もう少しだけ元気がほしいというときは参鶏湯。元気が回復したときに、さらにパワーをくれる食べ物なんです。

平: ますます作りたくなってきた!

脇: さっそく作っていきましょう。

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