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2024年11月号

2024年10月7日(月)発売
特別価格:1480円(税込) 
表紙の人:西田尚美さん

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【インタビュー】安田成美さん
家族優先の暮らしから、自分軸へ。
表現への熱も高まる日々(COVER LADY 12月号)

大人のおしゃれ手帖編集部

【インタビュー】安田成美さん 家族優先の暮らしから、自分軸へ。 表現への熱も高まる日々(COVER LADY 12月号)

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家族優先の暮らしから、自分軸へ。表現への熱も高まる日々

冬に向けて住まいや暮らしを整えたい今の時季。
安田成美さんも心地よい空間を作ろうと、あれこれ工夫を凝らしているよう。

「最近、長男が植物好きになったので、一緒に観葉植物のお店へ行ったり、植え替えの相談をしたり。よくデートするようになりました(笑)。苔玉も作ってみたいと思って材料を取り寄せているところなので、明日には取りかかれそう」

編み物や裁縫好きの安田さんにとっては、ものづくりに勤しむ時間も欠かせません。
「クッションカバーやカーテンを作ったり、手持ちの服にレースを付けてリメイクしたり……。今はなんでもYouTubeに作り方がアップされているから便利ですよね。材料もネットで買えるし、ずっとひとり遊びができます(笑)。長男が独立して、空いた部屋を私の作業部屋にしたので、そのスペースをもっと充実させたいですね」

この数年は、いかに健康を保つかも日々のテーマに。
体調不良になりがちな季節の変わり目も、毎日の食事やストレッチで乗り切っているそう。
「発酵食品がいいと聞いて、酒粕にぶどうやナッツを混ぜておやつにしたり、お肉を塩麹に漬けたり。まだ、体が変わった! とまでは感じられていないけど、”やってる感”があれば、それだけでも大丈夫だと思える。
興味の湧いたことを試すのも、毎日の活力になっているんじゃないかな。朝と夜のストレッチも欠かさず行っていて、1時間ぐらいかけることも。この年になると日によって体調も違うから、ちゃんと自分の体の声を聞くように意識しています」

セルフケアの時間を持てるようになったのは、3人の子どもたちが独立したことも大きく影響しています。
「下の子が20歳になって、『今までありがとうございました』『ママももう、自由に好きなことをしてね』なんて言われちゃって(笑)。今までと違って、ごはんの支度を休んでも『自分たちで食べるからいいよ』とみんな言ってくれる。ずっと家族優先でやってきたけど、今は自分がやりたいことを優先できるようになりました」

【インタビュー】安田成美さん 家族優先の暮らしから、自分軸へ。 表現への熱も高まる日々(COVER LADY 12月号)

お互いによい関係性を保つために心がけているのは、常に相手を尊重すること

とはいえ、長く家族を優先して過ごしていると、すぐには自分軸に切り替えづらいもの。
それは安田さんも同じようです。

「私も最初にひとりごはんが続いたときは、寂しくて思いっきり泣きました(笑)。この先どうしよう…? って。でもそれも3日間くらいだったかな。その後は、何もしなくていいって、何て楽なんだろう! って」

当初は暮らしの変化に戸惑っていた安田さんですが、家族に励まされながらも少しずつひとり時間を楽しめるように。

「この前、夫と娘と3人でハワイに行ったんです。(夫の)憲武さんは仕事の都合で先に帰ることになっていたので、残りの日程は母娘で楽しく過ごそうね! と話していたのに、『ママ、本当に申し訳ないけど、私は東京にいたいからパパと一緒に帰るね』って。
ショックでしたけど、これも、ちゃんと自立しなさいというメッセージかな? と。ビーチで夕日を見ながらひとりの時間を噛みしめました(笑)」

成長した子どもたち、おしどり夫婦として知られる夫の木梨憲武さん。
お互いによい関係性を保つために心がけているのは、常に相手を尊重すること。

「依存はせず、『共同生活をしている人』くらいの気持ちで相手を尊重する。それと、同じ時間を過ごせなくても、帰ったら『今日はこんなことがあったよ』と話して共有します。わが家は5人家族だから、そうすれば5倍楽しめるようになると思って」

【インタビュー】安田成美さん 家族優先の暮らしから、自分軸へ。 表現への熱も高まる日々(COVER LADY 12月号)

今年は「自分を変えようとした年だった」

家族との関係性に限らず、今年は「自分を変えようとした年だった」と安田さん。
「私は仕事も流れの中で始めたし、あまり自分から行動を起こすことがなかったんです。でもこれからは、自分から意識的に動いてみようと思って。
コロナ禍もそうですが、今はいつ何が起こるか分からない世の中だし、『やっておけばよかったな』と後悔したくない。健康でいられるうちに、やりたかったことをしたいなって」

その中のひとつが、安田さんの歌手デビュー曲「風の谷のナウシカ」の作曲でも知られる、細野晴臣さんへ手紙を書いたこと。

「コロナ禍に子どもたちが『細野晴臣って知ってる? 最高なんだよ!』と言ってきて。『何言ってるの? ナウシカは細野さんの曲だよ』と言ったら、みんなびっくりしていたんです。私の作品は一切見ないので、彼らは知らなかったんですよね。
大貫妙子さんや高橋幸宏さんにアルバムをプロデュースしていただいたことも伝えたら、『ママすごいじゃん!』と初めて尊敬されました(笑)。感極まって、『わが家はみんな細野さんの大ファンなんです!』と手紙を書いて、ラジオにも呼んでいただいて。その流れで、『風の谷のナウシカ』を再録したものをリリースすることになったんです」

安田さんの中に、ふつふつと湧いてきたチャレンジ精神。
仕事においても、新たなプロジェクトへの期待が高まります。

「自分は表現者でもあるから、こういうことを伝えたらみんなの心が温かくなって、幸せになるんじゃないか……というアイデアが日常を過ごす中で貯まってくるんです。
それに、私は今年で57歳でしょ? 60歳になったときに年相応の素敵な女性になるにはどうしたらいいんだろう? というのも課題。
今は表現も価値観も変化していく時代だけど、その中で面白いものができたらいいな、と思っています」

NARUMI YASUDA
1966年生まれ、東京都出身。1981年、CMデビュー。翌年、ドラマ『ホーム・スイート・ホーム』でドラマ初出演。アニメーション映画『風の谷のナウシカ』のイメージソングで歌手デビュー。1994年に木梨憲武さんと結婚し、二男一女の母に。近年の出演作にドラマ『みをつくし料理帖』『1億円のさようなら』、映画『Fukushima 50』『すばらしき世界』など。

安田さん着用:ニット¥99,000、スカート¥154,000/ともにブラミンク、ブーツ¥42,900/プレインピープル(プレインピープル青山)、イヤカフ(上から)¥60,500、¥66,000、¥71,500、リング (右手)¥121,000、リング(左手)¥99,000、バングル¥231,000/すべてシハラ(シハラ トウキョウ)


撮影/枦木功[nomadica] スタイリング/池田奈加子 ヘア/山本リエコ[TWIGGY.] メイク/NOBUKO MAEKAWA 文/工藤花衣

大人のおしゃれ手帖2023年12月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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