アカデミー賞を楽しもう!② アカデミー賞過去3年の話題作3選
日本映画が快挙!
『ドライブ・マイ・カー』(2022年・国際長編映画賞)
2022年の第94回アカデミー賞では、日本映画では初めて作品賞にノミネートされたほか監督賞など4部門の候補となった濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が注目を集め、国際長編映画賞を受賞しました。
本作は、村上春樹による同名短編小説を原作に、濱口竜介監督が脚本も兼任。2021年のカンヌ国際映画祭では脚本賞を受賞しています。
主人公の舞台俳優兼演出家の家福(西島秀俊)は、妻の音(霧島れいか)と幸せに暮らしていましたが、ある日、音が秘密を抱えたまま他界。
喪失感と疑念に苛まれていた家福は、仕事を通じて知り合った寡黙なドライバーの女性みさき(三浦透子)と交流するうちに、目を背けていたあることと向き合おうとします。
一方で、妻を知っているという若手俳優の高槻(岡田将生)のことも気になり……。
肉体と言葉でのコミュニケーションの不完全さ、人の弱さ、そして主人公の再生を描く本作。
登場人物全員が抑揚のない語り口調で物語を紡ぐなか、車中で家福に向かって独白をする高槻を演じた岡田将生の目に宿る光が強い印象を残します。
あまりに淡々としていて飽きそうなのに引き込まれてしまう、不思議な魅力を持った作品です。
『ドライブ・マイ・カー インターナショナル版』
2021年製作
DVD ¥4,180/Blu-ray ¥5,170
発売元:カルチュア・パブリッシャーズ
販売元:TCエンタテインメント
Blu-rayコレクターズ・エディション((2枚組) ¥7,150
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構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。