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大人のおしゃれ手帖 12月号

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2024年12月号

2024年11月7日(木)発売
特別価格:1650円(税込)
表紙の人:天海祐希さん

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【永作博美さん】「続けること自体に固執しなくていい。変わっていく時代に軽やかに合わせていけば、きっともっと楽しくなる」/Amazonオーディブル『サファイア』インタビュー

大人のおしゃれ手帖編集部

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続けることに縛られず、自分に厳しくする必要もない時代へ

永作さんは、個人的にAudibleを利用したことがあるとのこと。その上で「サファイア」をどんなシチュエーションで聴いたら楽しめるのか、アイデアも教えてくれました。
「今回私が読ませていただいた『サファイア』は、夜しっとりと聴くのもいいと思いますが、どちらかというと活発な時間に楽しく聴いてもらった方がいいような気がします。バラエティに溢れている作品なので、そういう意味でも昼間の公園とかで聴いても楽しいと思います。これからの季節的にも日向ぼっこしながら聴くと、気持ちよさそう。就寝前だと、もしかしたら聴きこんでしまって、逆に目が冴えて眠れなくなってしまうかも(笑)」

通勤や通学途中・家事をしながらのながら聴き派か、しっかりと聴きこんで楽しむ派か。自分が楽な方で楽しんで欲しい、と自由なスタンスの永作さん。

「ながら作業が得意な人もいるし、逆に聴きこんでしまう人もいるし、それぞれの生活の中のシチュエーションで楽しむ感じですかね。自分が楽なシチュエーションで聴くのがいいと思います。耳で聴く、音で聴くって、自分の世界に入れるじゃないですか。今回、個人的にはしっかり聴くのも面白いと思いました。国語がよくわかります。何のための接続詞なのか、何のためのこの人のこのセリフ、何のための行動なのかとか。声に出していると、作者の技法や思いがより強く伝わってくるように思いますね」

最後に、新生活が始まる春ということで、“続けること”について、永作さんに伺いました。お仕事面で続けてきたこと、プライベートで続けてきたことはありますか?

「続けようと思って続けていることはないのですがーー大切にしているスタンス、みたいなものはあって。ファーストインプレッション、最初に受けた感覚はずっと大事にしているような気がします。頭で考え出すと、たくさんのトピックスが出てきてしまうというか、最初の純粋なところを忘れてしまうことがあって、そうなってくると迷ったときに行き着くところがなくなってしまうので、最初の軸というのをしっかり忘れないように書いておくときもあります」

さらに、永作さん自身が抱いている“続けること”のイメージについても伺いました。実現するのが困難なものなのか、もしくは比較的簡単に達成できるものなのか。もしくは良いことなのか、はたまた少し時代遅れな印象なのでしょうか。

「続けるということ、それ自体に関して、個人的にはあまり固執しない方がいいと思うタイプですね。続けられる人というのは、意志が強い人だと思っています。続けようと思ったとき、何が大事かというと、あー嫌だな今日、って思ったとき、やるかやらないか、ただそれだけですからね(笑)。調子がいい時は問題ないけれど、さぼっちゃおうかなーって思っていても、頑張ってやれたら、すごく自分にご褒美をあげたくなりますよね。だから、続けたっていう印象が、強く残ることが大事なんですものね。嫌だなって思ったときに、それでも何度も超えているうちに続けられるようになる。続けることって、結構ハードルが高いと思うし、それゆえ、世間一般で見たら賞賛もされる素晴らしいことなんだと思います。

でも、私自身は多分、それに縛られるのが嫌なんだと思います。

これだけモノがたくさんあって、毎日たくさんのことをしなければならない時代になっています。裏を返すと、いろんな手段があって、簡単にいろいろ始められますよね。趣味のようなことは特に。これだけ簡単に手を出せるのなら、何か上手くいかないことやちょっと違うかもって思っていることを『頑張って続けなきゃ』に囚われて目的を見失うまで厳しくする必要はないんじゃないかなって。変わっていく時代に合わせて、“楽しく”シンプルに生きられるようになるといいですね。ときに休んでもいいと思います」

そういって、にこりと笑ってくれた永作さん。芯があるのに軽やか、可憐なのに妖艶など、相反するものを絶妙なバランスで併せ持つ姿が、とても美しい、大人の女性でした。

変わっていくこと、続けていくことのバランスも、きっとそれぞれの人のなかに、“美しい”と思える塩梅があるはず。軽やかに自分らしく新しい一歩を踏み出してみたい、そんな気持ちが湧き上がってくるインタビューでした。


PROFILE
永作博美さん

ながさく・ひろみ 1970年、茨城県生まれ。1994年、女優デビュー。2011年、映画『八日目の蝉』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞受賞。近作に映画『ソロモンの偽証』『夫婦フーフー日記』『朝が来る』、ドラマ『半径5メートル』NHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」などに出演。

Audible会員プラン登録で、12万以上の対象タイトルが聴き放題。
『サファイア』
『告白』『母性』など、数々のミステリー小説を執筆している湊かなえの、宝石にちなんだ短編集。美しい宝石に秘められた深い謎と人々の祈り。7つの恩返しの物語を収録する。恋人に「指輪が欲しい」と人生初のおねだりをした話など、さまざまな人間模様が描かれる。そこにどう宝石が絡んでくるのか見どころ。表題作他「真珠」「ルビー」「ダイヤモンド」「猫目石」「ムーンストーン」「ガーネット」全七篇。
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撮影/山本あゆみ スタイリング/岡本純子 ヘア&メイク/竹下あゆみ 文/杉嶋未来
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