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2024年5月号

2024年4月6日(土)発売
特別価格:1360円(税込)
表紙の人:南果歩さん

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【著者インタビュー】真矢ミキさん
「きれいな上澄みだけでなく泥臭い部分も見せたかった」
そして60代を迎えた今の心境とは?

大人のおしゃれ手帖編集部

【著者インタビュー】真矢ミキさん 「きれいな上澄みだけでなく泥臭い部分も見せたかった」 そして60代を迎えた今の心境とは?

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宝塚のトップスターとして活躍し、退団後は映像の世界へ活動の場を移した真矢ミキさん。
心のひだをありのままに綴ったエッセイのこと、そして60代を迎えた今の心境を語ってくれました。


きれいな上澄みだけでなく泥臭い部分も見せたかった

「私自身が言葉に救われてきたからこそ、読む人の心に寄り添えるような本にしたかった」。
真矢ミキさんが語るのは、書き下ろしエッセイ『いつも心にケセラセラ』のこと。

これまでの人生を四季になぞらえた本書では、宝塚退団後に心の不調を経験したことなど、これまで語ってこなかった本音も明かしています。

「私は性格的に、あまり苦労話をしたくないタイプなんです。だって、人に笑顔になってもらう仕事に就いたのに、そんな話をする必要ある? とずっと思っていて。
でも年齢を重ねてきて『粋な生き方をしたい』と考えるようになったとき、きれいな上澄みの部分だけを見せるのも違うんじゃないかな、と。自分の泥臭い部分も見せて、『私はこんな出来事がありましたけど、みなさんはいかがですか?』と、手紙を書くような気持ちで読み手の方々と共有したかったんです」

俳優の仕事に響かないよう、執筆は撮影後の〝ひとりごはん〟の時間を使って、少しずつ書きためたそう。

「書くことは登山に似ていて、途中はリタイアしたくなるくらい苦しい。自分の文章を読みながら、これを人様が読んで何になるの? と自己嫌悪になったりもして。
でも、初めて刷り上がったものを見て、厚みや手触りを感じたときは、頂上で景色を見るときのような満たされる感覚がありました。
同時に、『もっとうまく登れたよね』と思うのも、登山と同じ。でもそれも込みで、今の等身大の私がいる気がします」

たとえに出した登山は、昨年から新たに始めたばかりの趣味。宝塚時代の同期が誘ってくれたのを機にトライしたところ、すっかりハマってしまったそう。

「50代以降は、自分がやりたいことだけでなく、人が勧めてくれたものに挑戦するのがいいと思うんです。ファッションでも、私はいつも黒やグレーのタートルネックを着ているのですが、友人と買い物に行くと、『こんなのはどう?』と、派手な色を勧められたりするんですよね。
ときには人の意見を取り入れてみることで、別の世界が広がって、探究心が生まれるんです」

今年の1月には、60歳を迎え、新たなステージに。

「いつもその年代の頭は、ビジターのような気持ちで入っていくんです。60代はまだ初心者ですが、今までと同じように、その年代ごとの楽しみを見つけたいですね」

『いつも心にケセラセラ』 真矢ミキ ¥2,090(産業編集センター)

『いつも心にケセラセラ』
真矢ミキ
¥2,090(産業編集センター)

転勤族の親のもと、各地を転々としていた子ども時代、15歳で入団した宝塚、退団後に飛び込んだ映像の世界……。“宝塚の革命児”と呼ばれた著者が、今までの経歴や日々の思いを率直に綴った書き下ろしエッセイ。自宅やカフェで写したオフショットも。

編集部のおすすめ

『東北モノローグ』 著/いとうせいこう ¥2,200(河出書房新社)

あの日から今に至るまで。それぞれの日々に耳を傾ける

東日本大震災を題材に執筆を続けてきた著者が被災地を訪ね歩き、それぞれの震災から現在に至るまでの日々を集めた聞き書き集。家を失い、今も震災の語り手として活動する人、ボランティアを経て岩手へ移住した人、震災報道に携わった新聞記者……。震災から13年経った今も、当事者に心を寄せ続けなければならないと実感させられます。

『東北モノローグ』
著/いとうせいこう
¥2,200(河出書房新社)

『方舟を燃やす』 著/角田光代 ¥1,980(新潮社)

「信じることの意味」を突きつけられる一冊

高度成長期からバブル景気、コロナ禍に至るまで、ボランティアに生きがいを見いだす公務員の男性と自然派のライフスタイルに傾倒する女性の人生を、オカルトや宗教、デマといった問題を交えて描いた長編。正しいと思っていたものが崩壊したとき、人はどうするべきか。自分にとって「信じる」とは何か、見つめ直すきっかけになりそうです。

『方舟を燃やす』
著/角田光代
¥1,980(新潮社)


撮影/yOU(河﨑夕子) スタイリング/佐々木敦子 ヘアメイク/小澤久美子 文/工藤花衣

大人のおしゃれ手帖2024年4月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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  • 『いつも心にケセラセラ』 真矢ミキ ¥2,090(産業編集センター)
  • 『東北モノローグ』 著/いとうせいこう ¥2,200(河出書房新社)
  • 『方舟を燃やす』 著/角田光代 ¥1,980(新潮社)

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