【インタビュー】
ヘア・メイクアップアーティスト 山本浩未さんに聞く
メイクが大人世代にもたらしてくれることとは?
今回のテーマは美容のこと。
お話を伺ったのはヘア・メイクアップアーティストの山本浩未さん。
「メイクとは自分自身の気持ちをポジティブに変革するもの」と山本さんが言うように、メイクをすることは大人の世代にとって心の栄養にもなるようです。
お話を伺ったのは・・・
ヘア・メイクアップアーティスト
山本浩未さん
広島県福山市出身。資生堂美容学校卒業後、資生堂ビューティークリエーション研究所にてヘア・メイクアップアーティストとして従事。1992年フリーとなる。今すぐ実践できるメイクテクニックを発信し、メイクのみならず、気持ちが元気になるポジティブな美容理論を伝える著書多数。近著に「60歳ひとりぐらし 毎日楽しい理由:家族がいてもいなくても、自分=ひとりで楽しめるヒント」(小学館)がある。毎日12 時15 分から10分間行う、インスタライブのライブ配信「毎日Beauty Live」も人気。@hiromicoy
メイクは自分を労わり愛することにつながる
平井さん(以下、平):体と心を整えるための様々なことを今まで5人の方に伺ってきました。最後は自分を喜ばせるメイクのことを改めて知りたくて。50歳を過ぎて、自分の肌が圧倒的に変わったことを感じています。ハリがなくなり、カサカサするようになり。そうするとシミとかシワとかが目立ってくる……。以前はスキンケアもしないで、疲れて寝ちゃったりしていましたが、いよいよそういうわけにはいかない!と。
山本(以下、山):50歳はね、ターニングポイントですよ。私も50歳になったとき、「あ、変わったな」という見た目だけじゃなくて、「あ、人生下り坂しかないんだな」って絶望感に苛まれたんです。見かけの衰え、健康の衰えも実感するし、特に女性は更年期で気持ちが上下するから落ち込みも激しかったですね。
平: 鏡を見て、自分の顔が変わったことに愕然とします……。
山: スキンケアはしてきていましたか?
平: いろいろ試してはいましたけど、メイクはほとんど気にしてこなかったんです。そして「やり方がわからない!」と50歳を過ぎてやっと……。
山: そのジタバタをやるのが、50代なんだよね。更年期と一緒にジタバタして、自分に納得つけていくっていう作業をしていく感じかな。そしてそんな自分の背中をもう一度押してくれるのがメイクなんです。大人になってくると中身と外見にギャップが出てくるじゃないですか。簡単にいうと萎びた野菜。だから、50度のお湯で水揚げしてあげたり、料理のやり方で手をかけて、傷んだところを取って、美味しくすることが必要なんですよね。それと同じで、人も50度の蒸しタオルで血行を良くしてあげて、メイクに手をかけて美しくすることが必要になってくる。
平: 世代に合ったメイクがあるんでしょうか? 今の流行に合わせるというのも違いますよね。
山: 違いますね。大人の場合は自身のキャラクターに合ったメイクをすればいいと思うんです。流行りのメイクというよりは、流行を少し取り入れつつ、キャラにあったメイクをするのが大切。メイクはみんな違っていいんです。例えばナチュラルな服が好きな人は、軽めのメイクのほうが似合うし、スーツを着る仕事の人はしっかりファンデーションをつけたほうがいいし。ただ、古いメイク道具を使っていると古臭くなっちゃうから、新しいものを使った方がいいですね。新しいアイテムを使うだけで違いますよ。
平: この間、赤いマスカラを買ってみたんです!
山: 素敵! そう、その感覚です。メイクってワクワクするでしょ。それが大事で、それがメイクの力。それから足りないものを補うのもメイクの力。ハリがなくなったことによって輪郭が崩れたり、のっぺりと平らになってくるからハイライトで立体感を出したり、眉の形で丸みを出したり。いずれにしても、形が変化していることを意識して、受け入れて、補うことが大事ですね。
平: 隠すのではなくて、補うっていう意識ですね。ずっと自分のことは二の次だったけど、今こそ自分を受け入れて、大事に!ですね。
山: そう! 自分を愛するってことを忘れてたじゃないですか、私たち。人のこと、家族のことを優先にすることが当たり前と思ってやってきたけど、私ぐらいの歳になると、自分をどれだけ愛してあげられるかということが、今後にかかってくると思うんです。なので、ちょっとわがままなぐらいでいいし、自分を可愛がる方法として、スキンケアやメイクはすごくいいですよ。自分のことを「よしよし」って撫でてあげるような気持ちで可愛がってください!
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